From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき:※人間関係のマトリックスを日常生活や仕事に応用する方法シリーズの記事です。)
前回の記事では、落ち込んでいる人(ネガティブ依存)を、超ポジティブな言葉(ポジティブ自立)で励ますと、逆効果になってますます落ち込ませるというお話をしました。
それに気づいた僕は、ある時から、「センターに寄る」訓練を始めました。
今日はその時のエピソードをシェアします。
人間関係のマトリックスを知る前は、僕は生徒さんのネガティブな発言を聞いても、それをポジティブな言葉で塗り替えていました。でも、逆効果でますます落ち込ませているのを感じていました。
この方法ではうまくいかない。じゃあ、どうしたらいいのか?分からなくなっていました。
でも人間関係のマトリックスを学んでからは、生徒さんを自分のポジティブゾーン引き込もうとするのをやめて、相手のネガティブゾーンに自分が寄り添うように意識してみたのです。
たとえば、こんな感じです。
相手のネガティブ感情を受け止める
生徒さん:「最近、モチベーションが落ちているんです・・・」
僕:「そうなんですね。どうしましたか?」
生徒さん:「特に何かきっかけがあったわけではないんですが、なんとなく最近、モチベーションが上がらないんです。」
僕の心の声:(うっ!いかん!いかん!思わず「大丈夫ですよ!」とか、「もっと頑張りましょう!」とか、「大きな目標を持ちましょう!」言いたくなる・・・
でもそれはポジティブ自立からの視点だ。いきなり解決策をぶつけてはいけないぞ!ここはグッとこらえろ!
たしか、ネガティブ依存のポジションにいる人が求めているのは「共感」だったな!よし!ここは相手のネガティブを一緒に感じるんだ!
ポジティブな言葉で相手のネガティブを打ち消そうとするのではなく、まずは相手のネガティブを一緒に感じるのだ!)
僕:「そうなんですね。それはツラいですね・・・」
生徒さん:「はい・・・」
僕:「3ヶ月前は、明るくヤル気にあふれているように見えましたけど、どうしたんですかね?」
生徒さん:「わかりません・・・でも、定期的にモチベーションが下がることがあるんです。」
僕:「わかりますよ。そうなるのは、○○さんだけではありません。みんな同じです。たぶん、モチベーションダウンを感じたことがない人はいないと思います。」
生徒さん:「え?そうなんですか?」
僕:「そうですよ。僕も落ちることありますし。」
生徒さん:「そうなんだ!てっきり、シンヤ先生みたいな人はいつもモチベーションが高くて前向きだから英語も身に付けられたのかと思っていました。」
僕:「とんでもない!僕だってアップダウンはありますよ(笑)」
生徒さん:「なんだかそれ聞いて安心しました。」
僕:「そうですか。よかったです!」
生徒さん:「でも、ふだんどうやってモチベーションダウンを乗り越えてるんですか?」
僕の心の声:(おっ!むこうから解決策を聞いてきたぞ!ここで答える分には、聞いてもらえるはずだ!よし!)
僕:「僕の場合は、モチベーションに関係なく、毎日音読を30分やるって決めちゃってることですね。気分が乗らなくても毎日顔を洗って歯を磨くように、英語も気分に関係なく音読してます。」
生徒さん:「そうなんですか!スゴいですね!」
僕:「そんなことないですよ。ただ、決められたメニューを淡々とこなしているだけです。やってるうちに気分が後から乗ってくることもあるし、そうでないこともあります。
でも、そこは気にせず、とりあえず30分音読をやってます。英語をしゃべるのは派手でカッコいいイメージがあるかもしれませんが、ふだんのトレーニングは地味な毎日ですよ。」
生徒さん:「そうなんですね。」
僕:「まずは無理のない時間から始めて、慣れてきたら少しずつ長くしていくのがいいと思いますよ。」
生徒さん:「私は今まで30分やっていたんですが、もうそれすら限界です。」
僕:「なるほど。そうなんですね。たしかに、最初に決めた時間が長く感じることって、ありますよね。モチベーションが落ちてるときには、15分ですら長く感じたり。」
生徒さん:「そうなんですよ!もう、なぜか英語をやってるときに時間がたつのが遅く感じるんです!」
僕:「じゃあ、とりあえず今日から1日の学習時間を、3分の1の10分に減らして、しばらく様子を見てみませんか?」
生徒さん:「え?そんなに短くてもいいんですか?」
僕:「もちろん、大丈夫ですよ。英語学習は時間の長さも大事ですが、短くても毎日触れることの方がずっと大事なんです。」
生徒さん:「そうなんですか。」
僕:「あ、そうそう!毎日と言っても、1週間の中で1日は休んでOKです。そして休みの日は、完全に英語から離れてください。そうすると、オーバーワークでモチベーションがダウンするのを防げます。」
生徒さん:「毎日じゃなくてもいいんですね。たしかに、日曜に出かけちゃうと、帰ってからやる気にならなかったりするんですよね。わかりました。1日10分を週に6日間なら、続けられるかもしれません。」
僕:「そうですか!良かったです。じゃあ、それでやってみましょう。それでもモチベーションが落ちるようなら、これは今まで蓄積された疲れがあるのかもしれません。
その場合は、思い切って1週間くらい英語から完全に離れる期間を作った方がいいかもしれません。長い目で見れば、休みを入れた方が伸びが早いことがあるんですよ。」
生徒さん:「そうなんですね!分かりました!じゃあ、しばらく様子を見てみます。それでもやる気が起きないようなら、休みを取りますんで、その時はまた相談させてください。」
否定しないで、共感する
ネガティブ依存のポジションに飛ばされている人には、このようにところどころで共感しながら、「そう感じているのはあなただけではない」というメッセージを組み込むと、安心させることができます。
もちろん、ウソをついてまで共感する必要はありませんが、どんなにポジティブな人でも、人生で落ち込んだ経験がない人はいないはずです。
英語学習もつまずいたことのない人はいないはずです。僕がこのやりとり例の中で言っていることは本当です。僕もモチベーションのアップダウンはあります。
ただ、普段そういう自分の弱い部分を見せないようにしているだけです。でも、今回の会話の中では、そこを隠さずに見せました。それが相手への共感になると思ったからです。
ポジティブ自立の人は、自分の意見を発信するのは得意ですが、相手への共感が苦手です。僕は自分がそうなんで、よく分かります(笑)ふだんから自分のネガティブな感情をポジティブで塗り替えるクセがついているので、自分や相手の感情の変化に鈍感です。
もちろん、自分のネガティブ感情をポジティブに塗り替えるのは悪いことだと思っていません。その方が自分の人生が楽しく感じられるし、実際に良い方向へ進むことが多いと感じているからです。
ただ、自分の中だけでそれをやるのはいいのですが、相手のネガティブ感情までポジティブに塗り替えようとするのは、あまり良いコミュニケーションではありません。
ネガティブな感情に共感する前に、いきなり解決策を提示したり、ポジティブな言葉をかけると、相手は「自分の感情を否定された」と感じます。すると、心の扉が閉じます。
心の扉が閉じると、どんなに良い解決策も受け入れてもらえません。
でも、最初に相手の話をよく聞きながら共感すると、相手の心の扉が開きやすくなります。相手の心の扉が開くと、解決策や提案を受け入れてくれる準備が整うのです。
次回は、もうひとつのよくあるパターン、「具体的な目標がなくて英語学習のモチベーションが落ちている状態」の人に対して僕がセンターに寄ってみたときのエピソードをお伝えします。
P.S.
この「4つの性格」の考え方は、本田健さんの「人間関係のマトリックス」をベースにしています。「人間関係のマトリックス」についてもっと詳しく知りたい場合は、こちらの本をぜひお読みください。
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From 師範代Shinya(新村真也)
(英語の達人養成ジム 師範代)
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