From 師範代Shinya(新村真也)
僕のバンクーバー留学2日目は、ボロボロのスタートから始まりました。
クラスメイトのヨーロッパ系&南米系のしゃべる、なまりが強く速い英語にまったくついていけず、
「自分ひとりだけ母国語が遠いアジア人」
という状況で、かなり苦戦を強いられていました。
これはだいぶ後になってから聞いたのですが、南米系の人たちの母国語である「ポルトガル語」は、かなり英語に近いそうです。
先生がクラスでビジネス単語を教えようとすると、「あっ!それポルトガル語でもそう言う!」という発見のある単語がたくさんあると話していました。
ヨーロッパ勢も同じようなことを言っていました。
授業でやった3つのこと
僕の通っていたクラスでは、「英語ができることが前提」で進んでいくので、内容はいつもディスカッションやプレゼンがベースでした。
①テレビのビジネス番組を見て、その後にグループで意見を言い合う。
②ビジネス雑誌の切り抜き記事を渡されて、制限時間内に読んだ後に、グループで意見を言い合う。
③5人グループに分かれて、「歴史に残る世界の有名企業」をひとつ選ぶ。次に学校のパソコンを使いながら、その企業がなぜ成功したのか?リサーチをする。リサーチした内容を資料にまとめて、みんなの前でプレゼンする。
こんな内容を毎日のように続けていると、「クラスメイトと関わらない」ことは不可能です。
「分からないから自分の殻に閉じこもる」こともできません。
そんな生活を1週間くらい続けた頃、僕の中である「変化」が起こってきました。
ルパン作戦
いっぱいいっぱいの心理状態から徐々に落ち着いてきて、「どうせダメなら、リラックスしよう!」と開き直って心を落ち着かせるようになりました。
「うまくやろう!」「失敗したくない!」「恥をかきたくない!」という想いが強いから、冷静さを失って空回りし続けているのでは?と気が付いたのです。
今の自分の状況は間違いなく「ピンチ」です。
クラスにアジア人は自分ひとりの状況で、周りは速い英語を話すヨーロッパ勢&南米勢です。自分のペースに合わせてくれる人はいません。
でも、僕の好きなヒーローの中に、
「どんなに絶体絶命のピンチに陥っても、いつも笑いながら切り抜ける」
キャラがいます。
それは・・・ルパン三世です!
ルパンは何度も銭形警部に捕まったり、敵のマフィアに監禁されたり、命を狙われたりします。
でも、いつも冷静さを失いません。そのピンチの状況を楽しんでいます。
そこで僕は、「ルパン作戦」を実行しました。
「ルパン作戦」で見えてきたこと
僕の実行した「ルパン作戦」」は、こんな感じです。
ステップ①
先生がゴチャゴチャっと速い英語でタスクの指示を出して、「はい!始め!」と言われた場合、焦らず一歩引いて、自分の心の中で、
先生がゴチャゴチャっと速い英語でタスクの指示を出して、「はい!始め!」と言われた場合、焦らず一歩引いて、自分の心の中で、
「あら~!ピーンチ!!先生の指示、まるで分かりまへ~ん!ふ~じ子ちゃんどうしましょ?」
と言い、ルパンぽくニヤッと笑う。
そのクラスメイトの説明が分からなかった場合は、分かったフリをしないで、何度も聞き返しながら、分かるまで説明してもらう。
ステップ②
「できない自分」を楽しむつもりで、隣にいるクラスメイトに「先生の指示がまったく分からなかったんだけど、俺たちは今から何をするの?」と聞く。
ステップ③
そのクラスメイトの説明が分からなかった場合は、分かったフリをしないで、何度も聞き返しながら、分かるまで説明してもらう。
すると・・・僕の周りに「今までとは違う、大きな変化」が2つ現れ始めました。
変わってきたこと①
「分からない」と僕が正直に言うと、「実は、私も(俺も)、あんまり分からない(笑)」という声がけっこう出てきたのです!実はクラスメイトも分かってなかったということが判明しました!
ただ彼らは、文化的に「間違いを気にせずに突き進む」教育を受けているので、あまり理解していない状態でもいちいち先生に聞き返さないようです。
僕は、「なんだよ!みんなけっこういい加減じゃん!」と叫びたくなりました(笑)
変わってきたこと②
「分からない」と僕が言うことで、僕の隣に座っているクラスメイトが親切に教えてくれようになりました。
すると、そんな僕らの会話に参加したがる人たちが近寄ってくるようになったのです。
彼らは一所懸命僕を助けようとしてくれたり、自分の理解度が正しいのか確認したくて会話に加わってくる人もいました。
とにかく、僕の周りには、自然と「人が集まる」ようになりました。
僕が最初に自分の「弱さ」をさらけ出したことで、他の人たちも自分を出しやすくなったのかもしれません。
コミュニケーションは「バトル」ではない
それまで僕は、クラスメイトが「敵」に見えていました。自分だけが「できないやつ」で、他はみんな「デキるやつ」です。
そいつらに必死に食いついていくことで、レベルアップするのだ!と思っていました。
学校でのクラスメイトとのコミュニケーションは、僕にとっては一瞬たりとも気の抜けない「バトル」でした。
だから、学校が終わるとグッタリ疲れて、「早く帰って部屋で一人になりたい・・・」と感じていました。
でも、そんな「想い」や「プライド」を手放して、「自信のない自分」をさらけ出したら、彼らが急にフレンドリーになって、「仲間」に見えてきたのです。
そして、彼らが僕に話す英語のスピードもゆっくりになりました。どうやら彼らも、それまではお互いに「周りに負けまい!」として、ギアを上げてスピードアップしてしゃべっていたようでした。
そのプレッシャーがなくなったせいか、僕の組んだグループの間には、のんびりとリラックスした空気が流れるようになりました。
お互いの英語で聞き取れない部分は何度でも聞き返したり、それでも分からないときはクスっと笑い合えるようになりました。
僕らは自然と仲良くなり、昼休みに集まって、お互いの国の話をするようになりました。
放課後にも誘い合って、一緒に街中へ出かけるようになりました。
この頃から、僕の中で学校に行くのが楽しみでワクワクするようになってきました。
・・・つづく。
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From 師範代Shinya(新村真也)
(英語の達人養成ジム 師範代)
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