From 師範代Shinya(新村真也)
(※僕が英会話スクール講師に転職してからの体験談です)
(→前回のつづき)
通勤電車の中で英字新聞を読むようになった僕は、外国人の乗客から話しかけられる率が一気にアップしました。
さらに、それだけではありませんでした。
日本人からも話しかけられることがありました。
ある日、仕事帰りの電車の中で、いつものように英字新聞を広げて読んでいました。
その車両には日本人しかいなかったので、僕は内心、
「今日は誰かに話しかけられることはないだろう」
と思っていました。
電車に乗っている時間は、ひたすら集中して読み続けていました。
僕が乗っている電車は、職場から自宅最寄り駅までに4駅ありました。
僕は、「1駅間に、最低1記事は読み終える!」と決めて、スピードに乗って読むようにしていました。
僕は一度集中し始めると、まったく周りが見えなくなります。
集中していると、あっという間に時間が過ぎて、「あっ!もう着いたのか?降りなきゃ!」
という感じになります。
その日も、集中した状態のまま、降りる駅まで行きました。
初対面の女性
電車を降りてすぐ、後ろから誰かに肩を叩かれました。
振り返ると、僕の前に女性が立っていました。
シャープな雰囲気の、キレイな女性でした。
メイクとファッションがバッチリ決まっているので、アパレル系か美容系の職業かもしれません。
僕と同い年くらいに見えます。
おそらく、僕の知らない人です。
今、僕が「おそらく」と言ったのには、理由があります。
もうひとつの趣味
当時、僕は英語学習の他に力を入れていることがあって、それが「婚活」でした。
英会話講師になってから2年目に、初めて「婚活パーティー」と「街コン」に行ってみたのですが、その華やかさとエキサイティングな雰囲気にすっかりハマってしまい、ほぼ毎週末のように婚活パーティーや街コンに参加していました。
ひとりでやっててもつまらないので、僕の勤務先の英会話スクールに通っている独身男性生徒たちを集めて、密かに「婚活サークル」を作りました。
そして、週末は彼らと一緒に婚活パーティーや街コンに参加しながら、部活のノリで楽しんでいました。
(ちなみに婚活パーティーは、欧米で生まれた文化です。英語圏では、speed dating と呼ばれています)
毎週末、初対面の女性20人~30人くらいに会っていると、たまに駅周辺で、「あっ!どっかで見たことあるぞ!」と思う女性とすれ違うことがあります。
なので、今回も、駅を降りた瞬間に女性に肩を叩かれた時には、それほど驚きませんでした。
「今すぐ思い出せないけど、おそらく婚活パーティーか街コンで会ったことのある人だろうな・・・」
と瞬間的に思いました。
そこで、
「あ、どうも・・・」
という、あいまいな返事で対応しました。
ところが・・・
予想外の展開
僕:「あ、どうも・・・」
女性:「あの、すいません、ちょっとお聞きしたいんですけど、さっき、英語の新聞を読んでましたよね?」
僕:「あ、はい。読んでましたよ。」
女性:「私、正面の席に座ってて、ずっと気になってたんです。」
僕:「え?そうなんですか?」
(あれ?婚活パーティーで会った人ではなさそうだぞ)
女性:「私、2ヶ月前にアメリカ留学から帰ってきたばかりで、帰国してから英語力を落とさないために、英字新聞を読もうかと思ってたんです。」
僕:「そうなんですか!」
女性:「でも、なかなかいいのが見つからなくて・・・さっき、正面からチラッと記事が見えたんで、のぞき見してしまったんですが、読みやすいなと思って。」
僕:「そうだったんですか!たしかに、読みやすいですよ。」
女性:「新聞の名前と出版社を教えてもらって良いですか?」
僕:「もちろんです!今、ちょうど読み終わったところなんで、よかったらこれ、あげましょうか?」
女性:「本当ですか?ありがとうございます!!」
英字新聞のパワー
日本では、電車で知らない人に話しかけられるなんてことは、めったに起こりません。
しかも、女性が初対面の男性に駅で話しかけることは、日本ではかなり珍しいケースです。
でも、英字新聞を通すと、そういうことが起こり得る、ということを、今回の体験で学びました。
「英語を学ぶ者同士」というのは、親近感がわきやすいものです。
通勤電車の中で英字新聞や英語の本を読んでいると、思わぬ出会いを生む可能性がある・・・かもしれません。
後日談
ちなみに、この話しをすると、10人中9人の人から、
「その後、その女性とはどうなったの?」
と聞かれます。
なので、お答えしておきます(笑)
その女性とは、その後も帰りの電車内で何度か会って話しをするようになりました。
話しのトピックは、お互いの留学の体験談や、英語学習法などについてでした。
その後、メールアドレスを交換してやりとりするようになりましたが、僕からデートに誘うことはなく,
友達以上には発展しませんでした。
(たとえデートに誘ったとしても、断られたかもしれませんが・・・)
ちょうどその頃、僕は婚活パーティーでカップリングされた女性と仲良くなっていました。
僕は仕事もプライベートも、「一点集中型」です。
1つのことにハマると極めるタイプなのですが、「同時進行」ができません。
なので婚活も、「その時一番気になる女性一本に絞って全エネルギーを注ぐ」というスタイルでした。
電車内で出会った女性は、その後しばらくしてから、
「転職して勤務先が変わりました。」
というメールが来ました。
僕たちは電車内で会うこともなくなり、連絡回数も減って、フェードアウトしていきました。
英語がつなぐ「縁」
今回の僕の体験談では、「婚活」と「英語学習」が結びつきませんでしたが、僕の婚活仲間の中には、
「英会話スクールで出会って結婚したカップル」
がいます。
また、英語がしゃべれるようになったおかげで、外国人と結婚した人も見てきました。
きっと、同じようなカップルは全国にけっこういるはずです。
中には、生徒同士の成婚率をウリにしている英会話スクールのホームページを見たこともあります。
英語学習に限らず、ひとつのことに打ち込んでいる姿は、異性の目に魅力的に映ります。
独身の人が英語学習を続けた場合、副次効果として生涯のパートナーをゲットする確率がアップするかも知れません。
・・・つづく。
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