【僕が「習い事」に感じた夢と希望⑭~演技編10】

From  師範代Shinya(新村真也)

(→前回のつづき)

※僕が20才の頃、「鉄工場の作業員」から、「アクション俳優」に転職しようと決めて、「アクション俳優養成所」の団体のオーディションを受けた時のストーリーの続きです。

ジャパンアクションクラブのオーディションに合格したものの、入会初期費用がとても自腹で払えないと分かった僕は、天国から地獄へ突き落とされたような気分になりました。

しばらく落ち込んでいましたが、どうしてもあきらめられない!と感じた僕は、もうひとつのアクション俳優養成所、「倉田アクションクラブ」のオーディションに行ってみることにしました。

倉田アクションクラブの情報は、ジャパンアクションクラブのオーディションを受けた時に、僕の隣にいた同じ受験生の人に教えてもらいました。

その人は、ジャパンアクションクラブを受ける前に倉田アクションクラブのオーディションも受けたばかりだと言っていました。

その人がたしか、「ジャパンアクションクラブの方が大手で費用が高い」みたいなことを言っていたのです。

それを思い出した僕は、さっそく倉田アクションクラブのオーディションに申し込んでみました。

倉田アクションクラブとは?

倉田アクションクラブは、その名の通りアクション俳優の倉田保昭さんが作った団体です。

倉田さんは、「和製ドラゴン」と呼ばれていて、数々の香港アクション映画に出演している、数少ない日本人でした。

僕が大好きなジャッキー・チェンや、当時から伝説になっていたブルース・リーと共演していました。

僕は当時公開されていたジャッキー映画はほぼすべて見ていたので、覚えていました。

倉田さんは、「七福星」という映画で最後のボス敵としてジャッキーと戦っていました。

「サイ」と呼ばれる、3つ又の大きなフォークのような空手の武器を使って、ジャッキーを追い詰める役どころを演じていました。

そんな倉田さんに会えるとは!!

それだけでも感激です!!

それに、また先日のジャパンアクションクラブのオーディションのように、3人の敵をなぎ倒すアクションシーンを演じられるかもしれない!と思うと、ウキウキしてきました。

倉田さん、登場!!

オーディション当日、僕はドキドキしながら、東京の世田谷にある倉田アクションクラブに行きました。

その日は、ジャパンアクションクラブほど多くの受験者はいませんでした。

自分の番が呼ばれて部屋の中に入ると、4~5人ぐらいの人たちが長テーブルの後ろに座って並んでいて、一番真ん中に倉田さんが座っていました。

おぉ!!本人だ!!スゲー!!こんなに間近で!!

映画を見て分かっていましたが、倉田さんは、コワモテです。

鋭い眼光で見られると、緊張感が一気に増しました。

ここでのオーディションは、かなりあっさり目でした。

履歴書を見ながらいくつか質問された後、これまでの格闘技経験を聞かれました。

ほとんどが口頭でのやりとりで、実技披露はありませんでした。(たしか)

ジャパンアクションクラブの時にやったように、3人の若手の塾生が出てきて、僕に襲いかかってきてやられてくれるような振り付け指導もありませんでした。

けっこうあっさりしたやりとりだったのと、倉田さんの眼光が恐くて緊張していたのもあって、後からあまり内容を思い出せません。

あっという間に終わったオーディションの会場を後にして、僕は思いました。

「同じアクションクラブでも、こんなに違うもんなんだなぁ・・・今思えば、ジャパンアクションクラブは、受験生を満足させる仕組みができてたんだな。

あの、3人が襲いかかってきてやられてくれる振り付けシーンは、きっと受験生へのサービスだな。」

そんなことを思いながら、静岡に帰りました。

 

倉田アクションクラブの費用

後日、倉田アクションクラブから合格通知と費用の詳細が手紙で送られてきました。

内容を見たところ、たしかにジャパンアクションクラブよりは安くて、なんとかなりそうな金額でした。具体的な金額は忘れましたが、おそらく初期費用は半額以下だったと思います。

ただ、倉田アクションクラブの方も、週3回は通わなければならない、というのが条件でした。

それまで空手や格闘技をずっと独学でやってきた僕は、なんとなく、

「週1回のレッスンでコツを学んで、後は自分でひたすらトレーニング」

というサイクルを毎週繰り返していくのをイメージしていました。

東京に引っ越して生活するなら、平日にガッツリ仕事をして生活費と月謝を稼がないと、とても通い続けることはできないと思ったのです。

また、オーディションはほとんどが口頭でのやりとりだったので、具体的に倉田アクションクラブで実技を学んでいる自分の姿が想像できませんでした。

今回は、ジャパンアクションクラブの費用を知った時のような大きな落胆はなく、冷静に次の方法を考え始めていました。

・・・つづく。

 

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