【僕が「習い事」に感じた夢と希望:演技編103】

From  師範代Shinya(新村真也)
 
(→前回のつづき)
 
※僕が20才の頃、「アクション俳優になろう!」と決めて、「俳優養成所」に入った時のストーリーの続きです。
 
 
期待していた最上級クラスのレッスンは、僕の期待していた雰囲気とは違うことに気付き始めました。
 
 
前のクラスの担任のヒゲ先生はめちゃくちゃ恐くて、みんないつもピリッとした雰囲気の中でレッスンを受けていました。
 
 
でも今回の最上級クラスの中には、あまり緊張感は感じられませんでした。
 
 
先生は30代前半ぐらいの男性で、僕が中3の時に担任だった熱血先生に顔や雰囲気が似ていました。
 
 
今回の演技クラスの先生(以下、熱血先生と呼びます)は生徒とすごく仲が良くなっているようでした。
 
 
全体で30人ぐらいいますが、その中の20人ぐらいは長くこのクラスに通っているベテラン生徒のようです。
 
 
レッスンが始まる前の熱血先生と生徒との会話を聞いていて、距離感がすごく近いと感じました。
 
 
お互いに内輪ネタで冗談を言い合ったり、生徒が熱血先生に突っ込んだりして笑い合っています。
 
 
ヒゲ先生の厳しいクラスからやって来た僕を含む新メンバーは、この熱血先生の軽いノリについていけず、戸惑っていました。
 
 
 

レッスンスタート!

レッスンが始まりました。
 
 
時間になったらさすがに雑談が続いてザワザワすることはありませんでしたが、レッスン自体のノリが今まで味わったことのないものでした。
 
 
熱血先生がみんなに言いました。
 
 
熱血先生:「今日から新しい期の始まりで新メンバーも入ってきてるんで、新しい内容でいきます。」
 
 
ベテラン生徒たち:「おっ!何だ?何だ?」
 
 
クラス全体:ドッと笑い
 
 
僕ら新人:ポカ~ン・・・
 
 
熱血先生は持ってきたボストンバッグのチャックを開けました。
 
 
すると中から、京都のおみやげ屋さんでよく売っている「木刀」が何本か出てきました。
 
 
それを見てまたベテラン生徒たちが叫びました。
 
 
ベテラン生徒:「おぉー!ついに俺たち、チャンバラやるのか~?」
 
 
クラス全体:ドッと笑い
 
 
僕ら新人:ポカ~ン・・・
 
 
すると熱血先生は、時代劇のワンシーンを切り取ったセリフの台本のコピーを僕ら全員に回しました。
 
 
台本の中には、怒った主人公が相手に刀で斬りかかるシーンがありました。
 
 
とはいえ、実際に斬り合いをするわけではなく、途中で女性の止めが入って事なきを得る、というシーンです。
 
 
熱血先生:「このシーンで怒りをリアルに表現するには、手に何も持っていないと気分も乗らないからね。小道具を用意したってわけですよ!」
 
 
ベテラン生徒:「さすが!俺たち木刀大好き!」
 
 
クラス全体:ドッと笑い
 
 
僕ら新人:ポカ~ン・・・
 
 
どうやらこの、「熱血先生の発言に対してベテラン生徒が合いの手を入れる」という流れが、このクラスのノリのようです。
 
 
 

熱血先生の演技

熱血先生:「じゃあ、今日からやる演技のお手本を見せます。○○君と○○さん、出てきてくれる?」
 
 
ベテラン生徒:「はい!」
 
 
ガッシリした体つきの男性&ほっそりした女性の生徒が呼ばれて出てきました。
 
 
男性の方は僕と同じ二十歳前後に見えます。
 
 
女性の方は少し年上の20代後半~30代前半ぐらいに見えます。
 
 
二人とも仲が良いみたいで、お互いにクスクス笑っています。
 
 
熱血先生は二人にどんな役を演じるかを手短に指導しました。
 
 
熱血先生が怒って刀を振り下ろす役で、それを女性が止める役でした。
 
 
熱血先生:「気合いが入りすぎて本当に当てちゃったらゴメンね!でも○○君なら大丈夫でしょ?」
 
 
○○君:「カンベンしてくださいよ~!」
 
 
クラス全体:ドッと笑う
 
 
僕ら新人:う~ん・・・なんだこのノリは・・・
 
 
熱血先生の演技が始まりました。
 
 
教室全体に響き渡るぐらいの大きなボリュームの声で、熱血先生が怒りのセリフを言いました。
 
 
時代劇なので、「拙者」とかを使う昔の言い回しです。
 
熱血先生が振り下ろそうとする刀と、斬られそうになる男性生徒の間に女性生徒が割って入り、必死で止めようとするセリフを言いました。
 
 
シーンが終わると、クラス全体から「オー!!」という声が上がり、大きな拍手がわき起こりました。
 
 
とりあえず、僕ら新人もそれに合わせてパチパチと拍手をしました。
 
 
熱血先生の演技は、たしかに迫力はありました。
 
 
ただ、以前ヒゲ先生が見せてくれたお手本と比べると、明らかに質が違いました。
 
 
ヒゲ先生はベテランで年齢が50代ぐらいだったのもあると思いますが、身体の動きはあまり使わずに「顔の表情と声のトーンなどを駆使して場面に引き込む演技」を得意としていました。
 
 
一度お手本を見せてもらった時には、一生忘れないほど脳裏に焼き付く感じの「すさまじい迫力演技」でした。
 
 
対して熱血先生は確かに声は大きいのですが、見ている僕にはそこまで「怒りの恐怖」を感じませんでした。
 
木刀を振り下ろしたり、身体の大きな動きで迫力を加えている感じで、声のトーンや表情などの演技自体が「鬼気迫る」という感じではないのです。
 
 
経験値の違いなのか?ジャンルの違いなのか?
 
 
僕には分かりませんでしたが、正直、ベテラン生徒たちが「オーー!!」と絶賛するほどには見えませんでした。
 
 
最上級クラスで「ヒゲ先生を上回る演技力を持つ先生」から教われると思っていた僕は、ちょっとガッカリしました。
 
 
でも先生の演技力以上に、このクラス全体に漂う「馴れ合いの雰囲気」に違和感を感じていたのかもしれません。
 
 
・・・つづく。
 
 
 

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