【僕が「習い事」に感じた夢と希望⑮~演技編11】

From  師範代Shinya(新村真也)

(→前回のつづき)

※僕が20才の頃、「鉄工場の作業員」から、「アクション俳優」に転職しようと決めて、「アクション俳優養成所」の団体のオーディションを受けた時のストーリーの続きです。

ジャパンアクションクラブ→倉田アクションクラブと2連続でオーディションを受けて合格した僕は、費用面で今の自分には厳しいと分かったものの、「探せばけっこう道はあるんだな」ということも分かりました。

と同時に、ある疑問が浮かび上がってきました。

「これだけアクションクラブがあるということは、それなりにたくさんの人数のアクション俳優の卵たちが日本にいるに違いない。

でも、日本のアクション映画やドラマで活躍するアクション俳優って、あんまり見かけないな・・・

そもそも、アクションシーンをメインにした映画やドラマってあんまりないんじゃない?

今パッと思い浮かぶタイトルもないし・・・せいぜい戦隊ものシリーズぐらいじゃないかな?

子供の頃に好きだった、『あぶない刑事』も、アクションシーンのメインは銃撃戦とか、車で犯人を追うカーチェイスとかで、素手の戦いって、ただのおまけみたいな扱いだったしな・・・

もしかして、日本で格闘アクションを学んでも、それを活かす場がないかもしれない・・・

アクションスターになりたくても、そもそもアクション作品が作られなければ出演しようがないし・・・」

そんなことを考え始めたら、なんだか気分が落ち込んできてしまいました。

でも、もしかして自分が知らないだけで、本当はアクション俳優の活躍の場はあるのかもしれません。

とりあえず、気を取り直して情報収集を再開しました。

世界レベルのアクション俳優養成所

そんなタイミングで、「世界的アクション俳優のショー・コスギさんが、アメリカのハリウッドに世界的アクション俳優養成所を作る」というニュースが飛び込んできました。

ショー・コスギさんは、「Ninja(忍者)」というハリウッド映画のシリーズで主役を務めて大スターになった、日本を代表するアクション俳優です。

忍者シリーズの映画は日本では公開されなかったのであまり知られていませんが、アメリカでは忍者ブームを巻き起こしたそうです。

そしてショー・コスギさんは、日本人で初の世界的アクションスターの座を手に入れました。

息子さんのケイン・コスギさんも日本国内外でアクションスターとして活躍しています。

「そうか!世界の映画業界なら、アクション俳優の需要も多いに違いない!」

そう思った僕は、さっそくショー・コスギさんがハリウッドに新しく作る予定のアクションスクールの説明会に行くことにしました。

 

世界に出る勇気

「東京のアクションスクールでさえ、費用面で折り合いがつかずに断念してるのに、アメリカに出ていってアクションスクールに通うって・・・無理があるんじゃない?」

とあなたは思われたかも知れません。

でも、当時20才で地元静岡から一度も出たことのなかった僕にとっては、東京もハリウッドも「完全に未知の世界」でした。

どちらもたいして変わりはない、と感じたのです。

もちろん、この時期には英語はまったく勉強していませんでした。

「行けばなんとかなる!現地で生活していれば、英語なんて自然にしゃべれるようになるはず!」

という自信があったわけでもありません。

そうではなく、「身体を張るアクション俳優になるのに英語は必要ないじゃん」みたいに軽く考えていました。

引っ越し費用を計算するために調べた東京の家賃は、めちゃくちゃ高いことが分かっていました。

逆にアメリカのような土地が広い国の方が、家賃が安くて住みやすいかもしれない!

それに、今働いている鉄工場でも1日中機械の前に立ってひと言もしゃべらない日があるし、今みたいな「言葉を必要としない仕事」なら、アメリカでも食いつなぐことができるんじゃないか?

という根拠のない期待がありました。

それは、「勇気」というよりも、「無知」と言った方が良い状態でした・・・

・・・つづく。

 

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