From  師範代Shinya(新村真也)
 
(→前回のつづき)
 
※僕が20才の頃、「アクション俳優になろう!」と決めて、「俳優養成所」に入った時のストーリーの続きです。
 
 
僕がおそるおそるK君に聞いてみた質問の答えは、想像をはるかに上回るものでした。
 
 
僕と同い年(当時21才)のK君が、俳優養成所に通っている期間は、なんと19年間でした!
 
 
2才の時から通っているそうなのです!
 
 
僕の予想では、長くて3~5年ぐらいだと思っていたので、僕はすっかり度肝を抜かれてしまいました。
 
 
僕がスゴく驚いている表情を見て、K君が言いました。
 
 
K君:「ははは、ビックリしたでしょ?たぶん俺がこのスクールの中で一番長い生徒だと思うよ。」
 
 
僕:「そ、そうだね。たしかに。それにしてもスゴいなぁ・・・そんなに小さい頃から通っているとは・・・」
 
 
K君:「あんまり長く通うと刺激もなくなってくるんだけどね。シンヤ君みたいに新しい人がクラスに入ってくると、気合いを感じるよ。」
 
 
僕はここでいよいよ、一番気になる質問をK君にぶつけてみることにしました。
 
 

K君はテレビや映画に出演したことがあるのか?

僕らの通っているスクールは、「事務所直結型」をウリにしていました。
 
 
「スクール内でキラリと輝く人材を発掘して、マネージャーが芸能界に売り込んでテレビや映画などの出演チャンスを与えるよ」
 
 
というような広告キャッチコピーが新聞広告の中にデカデカとあったのです。
 
 
そして、今実際にドラマや映画に出ている芸能人の顔写真ポスターが、スクールの所々に貼ってありました。
 
その中には、当時中学生だった小栗旬さんの写真もありました。
 
 
「明日は君もスターだ!」
 
 
という雰囲気をかもし出していたのです。
 
 
だから僕は、
 
 
「このスクールに通っていれば、近いうちにマネージャーがついて売り込んでくれるステージが来るに違いない」
 
 
と思っていました。僕だけではなく、おそらくほとんどのクラスメイトがそう思っているに違いありません。
 
そして僕は、厳しいヒゲ先生のレッスンを乗り越えて、ついに最上級クラスに入りました。
 
 
普通に考えたら、
 
 
「最上級クラス=最も輝く人達が集まる空間=マネージャーも注目している」
 
 
という図式になります。
 
 
おそらく最も長くこのスクールに通っていて、今は最上級クラスにいるK君は、マネージャー陣営にとっては「最も注目株」と言ってもいいぐらいでしょう。
 
 
そこで僕は、K君の体験談に切り込んでみました。
 
 
僕:「K君は、今までにテレビとか映画に出たことあるの?」
 
 
K君:「う~ん・・・まあ、そうだね。ゼロではないけどね。」
 
 
僕:「へぇ!スゴいね!詳しく聞かせてよ!いつどんな番組に出たの?」
 
 
するとK君は、少し表情を曇らせながら答えました。
 
 
K君:「まあ、何て言うか・・・子供の頃に子役で何かのテレビ番組に出たことがあるらしいけど、俺ハッキリ言って覚えてないんだよね。小さすぎて。」
 
 
僕:「子役かぁ・・・スゴいね!ちなみに、大人になってからはどう?」
 
 
K君:「うんまあ・・・エキストラの仕事はチョコチョコあったりしたこともあるかな。」
 
 
僕:「へぇ~エキストラか。スゴいね。」
 
 
K君:「ぜんぜんスゴくないよ。エキストラなんて誰でもできるしね。」
 
 
 

エキストラの仕事

実は僕も「エキストラの仕事に演技力がいらない」ことは知っていました。
 
 
というのも、よくスクール内の掲示板に「○月○日にエキストラ募集!」みたいなお知らせが貼ってあったからです。
 
 
この掲示板にはいつも人が群がっていて、みんな競うように申し込んでいました。
 
 
エキストラは、テレビドラマや映画の中の通行人の役割がほとんどです。
 
 
顔も遠くでボヤけてよく分からないし、当然セリフもありません。
 
 
つまり、演技力はいらないのです。実際、スクールのポスターにも、「演技力不問」とかデカデカと書いてありました。
 
 
ただ撮影時間に現場にいて、監督の指示に従って動けば良いのです。
 
 
僕はエキストラの仕事にあまり魅力を感じませんでした。
 
 
撮影現場を間近で見学できるというメリットはありますが、「エキストラの仕事を積み上げた先に、何か素晴らしい未来が待っている」とは思えませんでした。
 
 
ちなみに、当時のエキストラの仕事の報酬はいつも「一律5,000円」でした。
 
 
もしかして業界で相場が決まっていたのかもしれません。
 
 
当時の僕にとっては、5,000円でも大金でした。
 
 
でも静岡から新幹線で東京に通っていた僕にとっては、交通費だけで赤字になります。
 
 
それに何より、拘束時間の長さが気になりました。
 
 
エキストラの仕事はほとんどの場合、「朝4時半集合で夕方6時解散」みたいな感じだったのです。
 
 
とにかく朝のスタート時間が早くて、遠くから通っている僕にとっては「前の日の夜からホテルに泊まる」以外に道はありませんでした。
 
 
さらに、撮影日が平日だったりするので、なおさらスケジュールが合わせづらいのです。
 
 
でも、スクールに通っている生徒たちは「ドラマに出ている人気俳優の○○を間近で見れるかも!」という期待を抱いて、競い合うように申し込んでいました。
 
 

K君が証明した、厳しい現実

K君はこのスクールに19年も通っていて、今は最上級クラスにいるのに、大人になってから経験したのはエキストラの仕事だけ・・・
 
 
僕の中でうすうす感じていたことが現実化した瞬間でした。
 
 
このスクールに長く通っていても、何も起こらないんだな・・・
 
 
最上級クラスの「ボス級」の生徒のK君でさえもこんな状況なのです。
 
 
新参者で地方から通っている僕なんて、何も起こらない確率の方が圧倒的に高いです。
 
 
僕はK君と話を合わせてできるだけ明るく振る舞いながらも、内心はめちゃくちゃヘコんでいました。
 
 
・・・つづく。
 
 
 

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