From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※僕が20才の頃、「鉄工場の作業員」から、「アクション俳優」に転職しようと決めて、「俳優養成所」に入った時のストーリーの続きです。
アクション俳優の世界に入って下積みから始めるのではなく、いきなりジャッキー・チェンのスタイルで「主演&監督」の映画を自作してみよう!
そう決めた僕は、弟と2人でアクション映画作りをスタートさせました。
・機材は、家庭用ホームビデオカメラ1台
・撮影場所は、家の近くの空き地
・衣装はユニクロで買った服
この3つを決めてから、まずは台本作りから始めました。
台本というと、ストーリーが大事なイメージがありますが、僕と弟が撮影したかったのは「アクションシーン」でした。
そこで、アクションシーンから台本を作り始めることにしました。ストーリーは後からこじつけです。
未経験のうちからいきなりオリジナルで作ってもクオリティーの低いものができるだけです。
まずは「質の高いアクションシーン」を、徹底的にマネすることにしました。
僕らは、「自分たちがやりたいお気に入りのアクションシーン」をジャッキー映画や他のカンフーアクション映画の中から引っ張ってきました。
その結果、
・ジャッキー・チェンの「酔拳2」の最後のボスとの戦闘シーン
↑この動画の3:40秒あたりからの動きと、
・ドニー・イエンの「ドラゴン危機一髪97」の森の中での中ボスとの戦闘シーン
↑この動画の16秒あたりからの動き
を選びました。
カット割り&構図の分析
マネするシーンを選んだ後は、そのシーンを何度も巻き戻ししながら細かく分析していきました。
ビデオをコマ送りしながら、
①カメラはどのアングルから撮っているか?
②画面の中にどこまで人物が入っているか?
③どこで画面を切り替えているか?
の3点を徹底的に分析しました。大きめの白紙を用意して、手書きで絵を描いていきました。
4コマ漫画のような四角のワクを何個も書いて、①~②までを絵にしていきました。
③のカットが変わるたびに、次の四角に絵を描くという感じです。
分析して見えてきた「迫力アクションシーンのからくり」
この分析作業は、ものすごく勉強になりました。
ジャッキー映画は今までも大好きで何度も同じ映画を見てきましたが、ここまで細かくアクションシーンを分析したことはありませんでした。
コマ送りで0コンマ何秒単位でジャッキーや敵の動きを分解しながら絵を描いていくと、それまで見えていなかったことがたくさん見えてきました。
Q:なぜ、ここではこんな角度から撮っているんだろう?
↓↓↓
A:そうか!この角度から撮ると、迫力が増す上に実際に技を当てていなくても当たっているように見えるからか!
Q:なぜここで画面を切り替えているんだろう?
↓↓↓
A:なるほど!ここで画面を切り替えることで、ニセモノの足を使って撮影していることがバレなくなるのか!
など、次々と疑問が浮かんでは、答えが分かる・・・という経験をしました。
これは本当に「目からウロコ」でした!
これをやっただけで、ジャッキー映画のアクションシーンの見え方が大きく変わりました。
それまで超人的な動きで目にも止まらぬ速さで技を繰り出しているように見えたジャッキー&敵が、実はカメラの角度やカット割りなどの撮影技術を駆使してそう見せていたことが分かるようになりました。
もちろん、肉体的な動きもバツグンにスゴいことは間違いありません。
でも、肉体的な動きだけではジャッキー映画のスピード感と迫力は生まれないことも分かりました。
これまで見たハリウッド映画などの格闘シーンで「動きがもたついているように見えた俳優」が、ジャッキー映画の中では「軽快&スピーディーに戦っている」ように見えることがありました。
同じ人なのに、どうしてこんなに動きが違って見えるんだろう?
という疑問の答えが分かったのです!
この時の感動は、今でも忘れません。
おそらく、この秘密を知る日本人はそんなに多くないのではないか?
そんな気分になって、絵を描きながらひとりでニヤニヤしていました。
それもこれも、「自分で映画を撮ろう!」と決めたから気付いたことです。
「役者として演じることだけ」を勉強していても、こういった撮影テクニックまでは気付きません。
「カメラマン視点」と「編集者視点」でジャッキー映画を分析したからこそ、見えてきたことでした。
ジャッキーはいつも自分の映画を作る時に、「演じるだけではなく、撮影や編集作業にまで関わって指示をする」と聞いたことがありましたが、その理由がよく分かりました。
どんなに良い演技をしても、撮影の仕方や編集の仕方によって、映像の雰囲気はガラッと変わってしまうのです。
それが分かったことで、僕は「まずは自分でやってみる」ことの大切さを知りました。
・・・つづく。
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