From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※僕が20才の頃、「アクション俳優になろう!」と決めて、「俳優養成所」に入った時のストーリーの続きです。
②現実が見えてダラッと感じる第2ステージ
希望に燃える第1ステージから半年ぐらい経つと、だんだんクラス全体に「ダラッとした雰囲気」が漂ってきました。
軟派タイプの人たちは、
「どうやら、思ったほどカンタンに芸能界デビューできるわけではなさそうだ・・・」
と感じるようになり、レッスンに身が入らなくなってきます。
硬派タイプの人たちは、
「いくら修練を積んでスキルを磨いても、それで成功できるわけでもなさそうだ・・・」
と感じるようになり、レッスンに身が入らなくなってきます。
先生が「生き証人」
希望を奪われるきっかけの1つに、演技の先生たちの存在がありました。
僕が通っていた演技スクールには、先生がたくさんいました。
生徒の数がものすごい多いのですが、それに比例するように先生の数もすごい多いのです。
数ヶ月に一度のペースで先生が入れ替わり、受講クラスの種類が変わると先生が変わりました。
基本は3ヶ月ぐらいは同じ先生でいくのですが、先生も役者さんなので仕事が入ることがあり、そうなると代行の先生が来てレッスンをしていました。
先生たちはほぼ全員、現役の役者さんたちでした。
最初は、「教える専門の人たち」だと思っていましたが、先生たちもまた、芸能界で現役としてやっている役者の1人でした。
つまり、僕らの未来の姿なのです。
先生たちの年齢は、当時の僕にはかなり離れているように感じました。
若い先生で30代半ばぐらい。
上は60代ぐらいまでいました。
みんなレッスンで教えるほど演技の経験値が豊富で上手なはずなのに、先生の誰1人として、テレビや映画で見たことがありませんでした。
つまり、そこで働く先生達は、
「演技のプレーヤー(役者)としての仕事だけで生活していくのが難しいので、教える仕事をアルバイトでやっている」
とう感じだったのです。
僕ら受講生はステージ2になって冷静さを取り戻してくるに従い、そのことに気付き始めました。
大根役者事件
そんなある日、僕のクラス内で「大根役者事件」が起こりました。
大根役者と言っても、僕ら生徒の演技が下手で怒られたわけではありません。
その事件は、突然やってきました。
僕らがふだん受けていている先生がテレビドラマに出たのです!
先生たちは、自分たちがテレビや映画に出演する時には、生徒たちに自慢してはいけない、というルールがあるらしく、誰も自分たちのことを言いません。
とはいえ、そこそこ有名なドラマだったらしく、クラスメイトの中の2~3人がたまたま見ていました。
何気なく見ていたら、自分のクラスの先生がドラマに出ていて驚いたそうです。
そして何より驚いたことに、先生の演技がありあえないぐらい「臭い演技」だったそうなのです!!
他の役者さんたちとまったくかみ合わないぐらい、大げさでウソ臭い演技を見て、僕のクラスメイトたちは衝撃を受けたそうです。
クラス内では、その話で持ちきりになりました。「僕らの先生が実は大根役者だった」ことがバレて、失望する人たちが出てきました。
そして、実際に何人かは事務スタッフに言ってクラス替えを申し出たり、スクールそのものを辞めてしまう人たちもいました。
それが、僕が経験した「大根役者事件」です。
さすがに先生に面と向かって「あなたの演技がヘタなのでヤル気がなくなりました」なんて言う度胸のある人はいませんでしたが・・・
果たしてこの真相が先生本人の耳にも入っていたのか?は今でも分かりません。(その先生は特にクビにもならず、その後も先生として学校内でよく見かけました)
辞めた人たちのタイプ
不思議だったのは、この大根役者事件でスクールに通うのを辞めたり、クラス替えを申し出た人たちのほとんどは、「軟派タイプ」の人たちだったことです。
軟派タイプの人たちは、「演技の練習を家でほとんどしてこないタイプ」でした。
東京都内や埼玉、千葉など、スクールに通いやすいエリアに住んでいる人たちが多いのが特徴でした。
一方で僕のような地方から時間とお金をかけて通っているメンバーは、「スクールで習ったことは家で1週間かけてガッツリ復習してモノにするのが当たり前」と考える「硬派タイプ」でした。
硬派タイプの僕らからすると、軟派タイプの人たちが先生の演技に文句を言って辞めていくのを見て、
「え?なんで?あの人たちふだん家で練習してないじゃん??先生の質と彼らの演技力にどんな影響があるんだ?」
と疑問に思いました。理由が分かりませんでした。
・・・つづく。
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