from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
前回の記事では、
・滑舌の良いプロのナレーターが吹き込んだ音声教材の発音
・旅行先で現地のネイティブが話しているいいかげん発音
の違いについてお伝えしました。
ふだん聞きやすいプロのナレーター発音に慣れていると、海外旅行先で現地のいいかげん発音をしているネイティブの英語が聞き取れない現象が起こります。
海外旅行先でネイティブ発音を聞き取れるようになりたかったら、いいかげん発音に慣れるしかありません。
じゃあ僕たちは、ネイティブの生のいい加減発音を聞き取れるようになるために、あえて
「いい加減発音で収録されている教材」
を聞いてマネして音読して、身体に刷り込むべきなのでしょうか?
究極の「いい加減発音」の教材
僕は以前、「いい加減発音で収録されている教材」の究極形を見たことがあります。
ネイティブ同士が、トピックを変えながら雑談している音声に、台本がついているものです。
トピックは、仕事、恋愛、趣味など、広く収録されていました。
音声のネイティブ発音は、かなりいい加減ではしょった言い方をしていて、リアリティーのある感じでした。
さらにリアリティーを追求するため、背景音まで入れているこだわりようでした。
背景音とは、街中で話しているシーンでは、ざわざわした雑踏の音、クルマのエンジン音などです。
本当にその場に行って話した音をを収録したのか?それとも後から背景音を合成したのか分かりませんが、とにかくリアルでした。
背景音を入れた目的は、「実際の英会話では、静かな部屋の中で雑音ゼロ状態で英語を聞くシーンは、ほとんどないから」というものでした。
ちなみにこの教材は、市販されているものではなく、僕が当時、講師として働いていた英会話スクールのオリジナル教材の1つでした。
レッスンで使う用ではなく、あくまで自宅学習の補強用として作られたシリーズの中の1つでした。
市販でないからこそ、こんなに尖った教材が作れたんだと思います。
ネイティブの先生たちの反応
実はこの教材は、ネイティブの先生たちの間では不評でした。
「こんないい加減な発音を生徒が聞いてマネしても、上達しないのでは?」
「変なクセが付いてしまったらどうするんだろう?」
「背景音がジャマで、よく聞き取れない部分が多い。自分が聞いてもストレスがたまる。これを英語学習者に聞かせて、本当にリスニング練習になるのか?」
といった声をよく聞きました。
この反応は、それだけこの教材が尖っていたことを意味します。
僕は個人的にはこの冒険的な教材が好きでした。
でも、この教材を誰にでも勧められるか?と聞かれたら、答えはNOです。
レベルに応じた教材えらび
僕は、やはり「今の自分のレベルに応じた教材選び」が必要だと思います。
こういった「いいかげん発音の教材」を使って効果を得られるのは、上級者だけです。
上級者であれば、正しいクリアな発音をすでに技術として身につけているので、いいかげん発音の英語を聞いても、自分の発音が崩れることがありません。
すでに何年もかけて染みついた「お手本のネイティブ発音」は、カンタンに抜けることはないでしょう。
さらに、上級者がいいかげん発音を聞いた場合、「本来の発音から、どこを脱落させているのか?」のはしょりポイントを、的確に見抜くことができます。
また、上級レベルならいい加減発音教材を使った音読練習をやらなくても、リスニングするだけで十分に効果が出ます。
一方で、初心者~中級者の場合は、必ず音読トレーニングで知識をスキルに変えていくステージが必要になります。
そのタイミングで「いいかげん発音」をマネして音読すると、マイナス効果の方が大きくなる可能性があります。
元の正しい発音を知らない状態で、いいかげん発音を練習するのは危険です。
日本語で言えば、
「あざす!」
を覚えたけど、元の発音である
「ありがとうございます」
を知らないのと同じです。
これでは、どこかで行き詰まってしまいます。
また、文法や英単語レベルが十分ではないのに、発音だけが、
「あざす!」
みたいにはしょったものになると、変に聞こえてしまうでしょう。
どんな種類の発音を練習するのがベストかは、ステージによって変わってくるのです。
・・・つづく。
【期間限定】「AI英会話アプリを使って英語を話す習慣を手に入れるセミナー(録画版)」自分のやりたい英会話をするためのプロント集(AIへの指示出しのやり方)付き!↓↓↓
※AIを使っているため、アップデート等によりお申込期限前に終了する場合があります。
—————————————
※このブログに読者登録をしていただくと、最新の記事を1日1回、メールでお届けします。読者登録はこちらをクリックしてください。
↓↓↓
From 師範代Shinya(新村真也)
(やり直し英語達成道場 師範代)
※もくじは、こちら
自己紹介は、こちら
コメントを残す