from 師範代Shinya
（→前回のつづき）
日本語の「ありがとうございます」を「あざす！」とはしょる発音と同じように、英語でもネイティブ独特のはしょり発音があります。
有名なところでは、
・want to を「ワナ」と発音する。
・未来の予定を表す時に使う going to を「ゴナ」と発音する。
・have to (～しなければならない）の口語表現の、have got to を、「ガラ」と発音する。
などです。
ただ、あまり早い段階でこの発音を練習することは、オススメしません。
前回の記事でもお伝えした通り、初期段階ではしょり発音するクセがついてしまうと、変に聞こえる英語を話すようになってしまいます。
ネイティブが使うはしょり発音の練習は、まずは基本が身についてからの方が良いでしょう。
②使うフレーズが独特
ネイティブ発音が聞き取りづらい理由の２つ目は、「使うフレーズが独特」ということです。
たとえば、How are you? という挨拶表現１つ取っても、ものすごい数のバリエーションがあります。
ほんの一部だけ例を挙げると、
1.What’s up? 調子どう？
2.How’s it going? どう？/元気？
3.How have you been? 最近どうしてた？
4.What’s new? 最近何か変わったことある？
5.How’s everything? 全部うまくいってる？
6.What’s happening? 何かあった？
7.What’s the latest? 最近の話題は？
8.How’s life? 元気でやってる？
9.How are things? 調子はどう？
10.How’s your day been? 今日一日どうだった？
11.How’s your week going? 今週はどんな感じ？
12.What’s good? 何かいいことあった？
13. What’s shaking? 調子はどう？（俗語表現）
14. How’s it treating you? (How’s life treating you?) 最近どう？生活はどう？
15. How’s work? 仕事はどう？
16. What have you been up to? 何してた？
17. How’s the family? 家族は元気？
18. Anything exciting going on? 何か面白いことあった？
19. Long time no see! 久しぶり！
20. How’s the hustle? 頑張ってる？（仕事やプロジェクトに対して）
といった感じです。
まだまだ他にもバリエーションがあります。
相手が英語の先生だったら、日本人に合わせてバリエーション少なめで毎回同じような挨拶をしてくれますが、旅行先の現地のネイティブであれば、上記のような表現をバリバリと織り交ぜて使ってくる確率が高いです。
特に、
16. What have you been up to? 何してた？
のように、現在完了形を使って聞かれると、僕ら日本人はとたんに何を聞かれているのか分からなくなります。
そして、答え方に詰まってしまうのです。
しかも困ったことに、これらの挨拶表現は、会話の冒頭でいきなり使われます。
この挨拶が聞き取れずに、いきなりつまずいてしまうのです。
そして、自信を失ってリズムがガタガタになったまま、英会話に突入することになります。
これが、ネイティブとの英会話が苦しくなる理由の１つです。
基礎が固まれば、瞬時に反応できる
これらの挨拶表現も、文法の基礎を固めておけば、何を聞かれているのか分かるようになります。
たとえば、先ほどの
16. What have you been up to? 何してた？
の表現も、聞いた瞬間に「え？どういう意味？」とパニックになるのではなく、「have の現在完了があるから、ここ最近のことを聞いてるんだな。」と冷静に受け止められるようになります。
そして、up to は、「～の方向に近づいている（アップ＝近づく）」という意味なので、そこから「～の活動をしている」というニュアンスになります。
そして、現在完了 have と組み合わさることで、
「ここ最近、どんな活動をしている？」
という意味になるわけです。
この解説も、文法の基礎が固まらないと、理解がムズカしいでしょう。
だからこそ、ネイティブ表現を理解するために基礎を固める必要があるのです。
まずはキッチリした文章を理解できるようになって、そこから崩したりカジュアルにした表現を理解することができるようになります。
・・・つづく。
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