
from 師範代Shinya(英語学習のヒントをYouTubeでも発信中)
僕は最近、「何歳になっても新しいことを始められる人は、強いなぁ」と感じます。
ここで言う「強い」というのは、何でも器用にこなせるとか、すぐに上達するとか、そういう意味ではありません。
自分が何も知らない状態になることを、あまり怖がらない人のことです。
大人になると、どうしても「自分ができること」の範囲内で行動する機会が増えてきます。
仕事でも趣味でも、長年やってきたことなら、ある程度の自信があります。
周りの人から教えてもらうよりも、教える立場になることの方が多いかもしれません。
でも、そんな人がまったく新しい分野に足を踏み入れた瞬間、急に何も分からない初心者になります。
この状態を楽しめるかどうかで、その後の行動がけっこう変わってくる気がします。
大人になるほど初心者になるのが恥ずかしくなる
子どもの頃は、何をやっても初心者でした。
自転車に乗るのも、泳ぐのも、最初はできなくて当たり前です。
周りの大人に教えてもらいながら、何度も失敗して覚えていきます。
ところが、大人になると事情が変わります。
特に、仕事で何年も経験を積んできた人ほど、自分より年下の人に初歩的なことを質問するのに抵抗を感じることがあると思います。
「こんなことも知らないのかと思われたら恥ずかしい。」
「この年齢で今さら始めても、遅いんじゃないか。」
そんな気持ちが出てきます。
英語学習でも、似たようなことが起こります。
たとえば、50代や60代になってから中学英語をやり直そうと思った時に、
「こんな簡単な文法からやり直すなんて、情けない。」
と感じる人もいるかもしれません。
でも、僕は英語を教えてきた経験上、大人になってから初心者に戻ることには、けっこう大きなメリットがあると思っています。
31歳で初めて海外に出た僕の経験
僕が初めて海外に行ったのは、31歳の時でした。
それまで日本で英語を勉強していましたが、実際に海外で生活する経験はありませんでした。
初めての海外は、カナダでの3ヶ月間の滞在です。
最初の2ヶ月はビジネスコースで勉強して、残りの1ヶ月はインターンとして働きました。
31歳という年齢は、社会人としてはそれなりに経験を積んでいる時期です。
でも、海外生活に関しては完全な初心者でした。
英語の勉強をしてきたとはいえ、実際に外国人たちと一緒に生活したり、英語を使って仕事をするのは、また別の話です。
日本で暮らしていれば、当たり前にできることでも、海外では勝手が違います。
それまで自分が持っていた知識だけでは対応できないこともあります。
そんな環境に入ると、自分の知らないことがどれだけ多いのか、嫌でも分かります。
海外では、英語力だけではなく、その国の文化やシステム、人々の価値観などの部分を知らないと、スムーズに生活できないことを思い知りました。
ただ、今振り返ってみると、31歳で初めて海外に出た経験は、その後の英語学習にも大きな影響を与えたと思います。
ネイティブの人たちとのコミュニケーションの取り方も、ずいぶん変わりました。
もしあの時、「もう30代だし、今さら海外に行って苦労するのもなぁ」と考えていたら、今とはだいぶ違ったことになっていたでしょう。
子どもと一緒に虫を追いかけると、僕も初心者に戻る
最近、僕が初心者になっている分野の1つが、昆虫です。
僕の娘は虫が好きなので、一緒に昆虫系のYouTubeチャンネルを見たり、外に虫を探しに行ったりしています。
家ではスズムシやカブトムシの幼虫なども飼っています。
子どもと一緒に虫に触れていると、知らないことが次々に出てきます。
たとえば、スズムシが卵を産んだかどうかを確認するには、どうすればいいのか?
土を掘り返しても大丈夫なのか?
カブトムシの幼虫が土の上に出てきた時には、何が原因として考えられるのか?
こういうことは、最初から全部知っているわけではありません。
その都度調べたり、実際に飼育しながら覚えています。
僕は英語に関しては教える立場ですが、昆虫に関しては分からないことだらけです。
でも、それがけっこう面白いんですよね。
昨日まで知らなかったことが、今日は少し分かるようになる。
自分が知らないことを認めて、そこから覚えていく感覚は、英語を始めた頃と似ている気がします。
英語歴20年でも、まだ初心者になる瞬間がある
僕は英語学習を20年以上続けて、英検1級やTOEIC975点を取得しました。
今では英語を教える仕事をしていますが、だからといって、どんな話題でもスムーズに英語で話せるわけではありません。
僕は毎日オンライン英会話でネイティブの人たちと話していますが、話題によっては普段の英会話ではあまり使わない表現が必要になったり、複雑な状況を説明するための言葉が、すぐに出てこなかったりします。
英語歴20年でも、こういうことは普通に起こります。
もし僕が、
「英語講師なんだから、分からないところを見せてはいけない。」
と思っていたら、きっと自分が得意な話題ばかり選んで会話するようになるでしょう。
それなら、あまり困ることはありません。
でも、その状態を続けていたら、いつまで経っても苦手な話題は苦手なままです。
知らない表現に出会った時に、「あ、これは自分の英語の引き出しに入っていなかったな」と気づく方が、僕にとっては面白いです。
初心者になると、上達を感じやすくなる
僕が初心者になることのメリットとして感じるのは、小さな上達を喜べることです。
英語を長く続けていると、上達の実感を得るのが難しくなってきます。
以前は分からなかった英文が理解できるようになっても、今の自分にとっては当たり前になっているので、あまり感動しません。
英検1級を取っても、知らない英語表現や単語はまだまだあります。
するとどうしても、自分の足りない部分に目が向きやすくなります。
ところが、新しく始めた趣味などでは、少し知識が増えただけでも、けっこう嬉しいものです。
最初は何も分からない状態なので、自分の変化が分かりやすいんですよね。
これは英語学習でも同じだと思います。
たとえば、長年TOEIC対策を中心に勉強してきた人が、初めて日常英会話のトレーニングを始めたとします。
最初は、中学レベルの単語しか使っていない短い英文でも、口からスムーズに出てこないかもしれません。
でも、そこを繰り返し練習していると、少しずつ言えるようになってきます。
今までとは違う方向に、自分の英語力が伸びていく感覚を得られると思います。
何歳になっても「教えてください」と言える人
僕は、年齢を重ねること自体が、新しいことを始める障害になるとは思いません。
もちろん、若い頃と比べれば、使える時間や体力などの条件は違います。
新しいことを覚えるスピードにも、個人差はあるでしょう。
ただ、それ以上に影響が大きいのは、
「今さら初心者になるのは恥ずかしい。」
という気持ちなのかもしれません。
僕自身、これからも英語に関しては知らないことがたくさん出てくると思います。
一方で、英語以外の分野では、誰かに初歩的なことを教えてもらう場面も増えていくでしょう。
自分よりずっと若い人に教えてもらうことだってあるはずです。
その時に、変に知ったかぶりをせず、
「それ、どうやるんですか?」
と聞ける自分でいたいなと思います。
ちなみに、娘と一緒に昆虫について調べていると、まだまだ知らないことだらけなので、しばらくは初心者気分を味わえそうです。
P.S.
英語学習でも、たまには初心者の気持ちに戻って、シンプルな英文を練習してみるのは面白いと思います。
僕が動画セミナーで扱っている「Basic2400」は、初級レベルの英単語が中心ですが、英語中上級者でも意外と言えない日常表現がたくさん登場します。
「こんな簡単な英語なのに、意外と言えないなぁ」という発見もあるはずです。
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