From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※自動翻訳マシンの新型ポケトークWのレビューの続きです。
今回は、ほとんどの日本人が聞き取れずに困ることが多い、「ファーストフード店でのやりとりフレーズ」を翻訳させてみましょう!
まず、言われた時に一番聞き取りづらい、あのセリフを英語から正しい日本語に翻訳してくれるかどうか?をチェックします。
例文:For here, or to go?
ポケ:店内でお召し上がりですか、それともお持ち帰りですか
スゴいですね!これはバッチリです!
直訳するとこういう訳にはならないので、おそらく、フレーズとして丸々プログラムされているんだと思います。
次に、受け答えを日本語でした場合はどうでしょうか?
例文:持ち帰りでお願いします。
ポケ:Please take it home
(※ポケトークの英文は、文末にピリオドや?は表示されません)
あれ??急におかしくなりました・・・
Please は命令形なので、「あなたにして欲しい」という意味になります。
つまりこの文章は、「それをあなたの家に持って買ってください」
という意味になってしまうのです!
接客英語はどうか?
次は、ファーストフード店ではなく、お店全般でよく言われるフレーズ、「いらっしゃいませ」を英語から日本語に翻訳してみます。
例文:May I help you?
ポケ:どうなさいました
う~ん・・・これは、接客用語として使おうと思った場合は、ちょっと微妙な感じですね。
確かに、このセリフは直訳すると、
「私はあなたを助けてもよろしいでしょうか?」
になるので、必ずしも店員さんだけが使うものではありません。
道に迷っている人や、切符販売機の操作方法が分からずに困っている人に声をかける時などにも使われます。
おそらく、ポケトークはそっちの方で認識して翻訳したのでしょう。
では、逆パターン(日本語→英語)はどうでしょうか?
試してみましょう。
例文:いらっしゃいませ。
ポケ:Welcome
おぉ!なんか、違う訳ですが、日本語の「いらっしゃいませ」をストレートに訳していて、良いかもしれません。
試着するときの用語もチェック!
海外旅行先で服を買うことも多いと思います。
洋服屋さんでよく言われるセリフもチェックしてみましょう。
例文:Do you want to try it on?
ポケ:試してみますか?
おっ!これはかなり良い感じで訳してくれました!これなら、何を聞かれているのか分かりますね。
トラブル編
次は、最も英会話が必要になる場面「トラブル編」をチェックしてみましょう。
まずは、空港で自分の荷物が見つからない時のセリフから。
例文:荷物が見つかりません。
ポケ:I can not find my baggage
これは完璧です!
では、これに対する答えを英語から日本語にしてみます。
例文:Have you checked everywhere?
ポケ:どこでもチェックしましたか?
う~ん、これは、とっさに意味が通じるかどうか微妙ですが、何とかギリギリ理解できる範囲でしょうか。
本当は、「すべての場所をチェックしましたか?」とか、「くまなく探しましたか?」というニュアンスなのですが、さすがにそこまでは表現できてない様子です。
次に行ってみましょう!
例文:バッグを盗まれました。
ポケ:I got my bag stolen.
おぉ!!なんと!!これは完璧です!!
第五文型を使って、本来のニュアンスを完璧に伝えています。
これはおそらく、フレーズとして丸々プログラムされているのでしょう。
では、このセリフに対して返ってくるであろう英語を翻訳させてみましょう。
例文:What’s in it?
ポケ:何が入ってるの
おっ!なんか急にカジュアルになりましたね。ポケトークは、こんな感じで急に「タメ口」になったり、敬語になったりするので、クスッと笑えます。
これは、日本語もそうですし、英語もそうです。英語も急にカジュアルなタメ口っぽい表現になります。
まあ、機械で翻訳された文章がタメ口でも、それを見て「失礼なやつだ!」「なれなれしいやつだ!」と怒る人はあまりいないと思うので、旅行で使うレベルでは問題ないとは思います。
総評
ここまで色んな旅行フーレズをポケトークに翻訳させる実験をしてきました。
総評としては、「思った以上に使える」という結論です。
伝えたいことがまったく伝わらないような誤訳は、全体の中ではほんの少しでした。
もし、相手が理解できないような表情をしたら、日本語の方のセリフを言い換えれば、通じる英語に翻訳される確率が高まるでしょう。
ここまでは、あくまで「翻訳内容」だけに特化してレビューしてきました。
ただ、ひとつだけ、もしかしてこれは海外旅行で使うには「致命的」と言ってもいいかもしれない欠点を見つけてしまいました!
次回はそれを詳しくレビューしていきます。
・・・つづく。
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