【自動翻訳マシン「新型ポケトークW」のレビュー⑧グーグル翻訳との違い(最終回)】

From  師範代Shinya(新村真也)
 
(→前回のつづき)
 
※自動翻訳マシンの新型ポケトークWのレビューの続きです。(今回が最終回です)
 
 
前回の記事では、ポケトークは「バリ&モロッコ」では通信速度が遅すぎて使えなかったエピソードをお話ししました。
 
 
「だったら、スマホのグーグル翻訳でいいんじゃない?」
 
 
という声が聞こえてきそうなので、今回はグーグル翻訳のアプリとの比較レビューをしていきます。
 
 

翻訳内容の違いは?

まず一番気になるのは、翻訳内容の精度です。グーグル翻訳アプリは、ポケトークと同じぐらい正確に翻訳してくれるのでしょうか?
 
 
まず結論からお伝えすると、答えは「YES」でした。
 
 
※実際に翻訳させている様子を動画にしました。
 
↓↓↓
 
 
両者の翻訳内容は、「まったく同じ」でした。寸分違わず、という感じです。
 
 
これはおそらく、ポケトークの仕組みにあると思われます。
 
 
ポケトークは、使う国や地域によって最適な翻訳エンジンを見つけて、そこにアクセスして翻訳結果を表示します。
 
 
つまり、ポケトークを日本国内で使った場合、グーグル翻訳のエンジンにアクセスして翻訳しているようなのです。
 
 
だから、両者の翻訳結果はまったく同じになります。
 
 
 

通信はグーグル翻訳の方が安定している?

これは、後から調べてみて知ったのですが、どうやらグーグル翻訳アプリの方は、「常にグーグル翻訳エンジンにアクセスする」ようにできているそうです。
 
 
つまり、世界中どこで使っても、必ずグーグル翻訳エンジンを使おうとします。
 
 
一方、ポケトークの方は、その国や地域によって違った翻訳エンジンにアクセスしようとするので、翻訳精度や通信速度にムラが出るそうなのです。
 
 
どちらが良いか?は分かりませんが、どうやらグーグル翻訳アプリの方が、常に同じ翻訳エンジンサーバーにアクセスする分、安定はしているかもしれません。
 
 

使いやすさは?

ポケトークとグーグル翻訳アプリの操作性はだいぶ違います。
 
 
ポケトークは、ボタンを押している間はずっと「聞き取りモード」になります。
 
 
そしてボタンをはなすと、そこまでの内容を翻訳してくれます。
 
 
相手も同じ動作をする必要があります。
 
 
デメリットとしては「作業が面倒でミスしやすい」ということです。
 
 
日本語を話すときには、日本語用のボタンを押さなければなりません。
 
 
相手に渡して話してもらう時には、英語用のボタンを押してもらう必要があります。
 
 
特に初めて使う人に渡す場合、ちゃんと事前に
 
 
「このボタンを押してください」
 
 
としっかり伝えた上で、
 
 
「ボタンは押しっぱなしで話してください」
 
 
と解説しておかないと、1回ボタンを押してすぐ離してしまい、そこから話し始めてしまう・・・結果翻訳されない・・・という状況が出やすいです。
 
 
一方、ポケトークのメリットとしては、「翻訳して欲しい範囲を自分でコントロールしやすい」ということです。
 
 
ボタンを押している間は、ずっと聞き取りモードになるので、どの範囲を翻訳させたいかを自分で指定することができます。
 
 

グーグル翻訳アプリの場合

一方、グーグル翻訳アプリの場合は、仕組みが違います。
 
 
まず、真ん中のマイクボタンをタップします。
 
 
すると、「自動聞き取りモード」になります。
 
 
自動聞き取りモードになると、英語でも日本語でも、どちらでも聞き取ってくれます。
 
 
また、話し終わったら自動で翻訳が始まります。
 
 
なので、スマホを真ん中に置いて、ふつうに会話するだけで、自動で翻訳してくれます。話すたびにボタンを押すような操作が必要ありません。
 
 

デメリットはコントロール性の低さ

グーグル翻訳アプリのデメリットは、すべてが自動であるがゆえに、こちらのミスをくみ取ってくれないことです。
 
 
たとえば、話していて途中で言いよどんだり、言い間違えて止まってしまった場合、そこで話が終わったと判断されて、翻訳が始まってしまいます。
 
 
「あぁ!まだなのに!!」と叫びたくなることが何度かありました。
 
 
また、なぜか話している途中で急に翻訳が始まることがありました。
 
 
このコントロール性の低さは、自動の便利さとは相反する部分です。
 
 
コントロール性と自動化、どちらを取るか?は、使う人の性格によると思います。
 
 
 

翻訳専用機としての「ロマン」

翻訳機ツールとしての能力は、グーグル翻訳もポケトークもそんなに変わりません。
 
 
ただ、ポケトークには、「翻訳専用機としてのロマン」があるように思えます。
 
 
ポケットから出したときの「何それ?何?何?」という、相手のワクワクしたリアクション。
 
 
少年時代に、「友達に最新のおもちゃを自慢したとき」のような優越感。
 
 
「翻訳することだけのために生まれたマシン」を手にする喜び。
 
 
そういった、機能やスペックとは関係ない、感情的な部分に訴えかけてくるマシンが、ポケトークだと思います。
 
 
スマホのカメラの質がアップしても、旅行先にはわざわざかさばる一眼カメラを持っていく人が一定数います。
 
 
それは単に「旅の思い出を写真データに残す」という機能的な部分だけではなく、「写真専用のカメラを使いこなすロマンと楽しさ」を感じたいからだと思います。
 
 
そういうロマンの部分に3万円分の価値が見いだせるなら、ポケトークは「買い」だと思います。
 
 
ポケトークレビュー(完)
 
ポケトークW
 
 

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