from 師範代Shinya
(→前回の続き)(→この記事のシリーズを1話目から読む)
前回の記事では、発音が上達しづらい理由の1つ目として、「公式テストがほとんどない」を詳しく深掘りしました。
目指す目標がなければ、今の自分の立ち位置が分からず、目標も立てづらくなります。
特に僕たち日本人は、学校で教科として英語を習うので、大人になっても「テストで点数を取ること」をモチベーションにしやすい傾向があります。
発音も点数で測れるようになれば、もっと上達させたい!という気持ちになるかもしれせん。
現時点での解決策
有名な公式テストがない現時点での解決策としては、スマホアプリの発音ジャッジ機能を使うのがベストだと思います。
以前僕がこのブログ記事やYouTube動画でレビューした「エルサ・スピーク」、「発音博士」、「SpeakNow」といった発音ジャッジ機能があるアプリを活用することで、モチベーションを保ちやすくなります。
エルサ・スピークと発音博士は、どちらもAIが自分の発音をジャッジして、点数化してくれます。
エルサ・スピークは表示された短い文章を読み上げると、音のつながりなども含めてAIが総合判断して、点数を出してくれます。
発音博士は、単語1つ1つ発音するタイプです。
発音が限定される分、細かいジャッジが可能で、点数だけではなく、どこをどう改善すればいいのか?までを表示してくれるのが良いところです。
SpeakNowはAIが点数を表示するタイプではなく、生身のネイティブの先生が発音を診断して、アドバイスをしてくれます。
30秒以内に自分の話す英語を録音して送ると、24時間以内にネイティブの先生が英語でフィードバック音声を返信してくれます。(長さは約1分間)
こういったアプリを活用することで、自分の発音を客観的にジャッジすることができます。
今後の希望としては、英語学習者の多くが知る、TOEIC並みに超有名な発音アプリができて、就職試験などでも、
面接官:「あなたの発音レベルどのぐらいですか?」
自分:「○○のアプリで発音自己ベスト○○点なんです。」
面接官:「ほぅ!なかなか高いですね。ということは、スピーキングレベルもかなり期待できますね。」
というような会話ができるようになったら、発音練習をガンバる人の数が増えるかもしれませんね。
次に、2つ目の理由に行ってみましょう。
理由②正解が1つではない
これは、理由①とつながってくる部分でもあります。
発音は正解が1つではありません。
たとえば、
「この英単語は、アメリカ英語ではこう発音するけど、イギリス英語ではこう発音する。」
といったことがざらにあります。
同じ英単語をネイティブが読み上げても、出身国によってまったく違う発音になってしまうのです。
また、アルファベット1つ1つ単位で見ても、国によって発音の特徴は違います。
英語を母国語にする国は、アメリカとイギリスに加えて、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、南アフリカなどです。
これらの国々は、微妙に発音の特徴が違います。
さらに英語が「公用語」になっている国も入れれば、フィリピンやシンガポールなど、アジアの国々も含まれます。
実際シンガポールやフィリピンの人々の話す英語は、ネイティブレベルと変わらない高さです。
でも、それぞれ発音は違っていて、シンガポールはわざと自分たち流に英語をアレンジして、「シングリッシュ」と呼んでプライドを持っているぐらいです。
これだけ発音に違いがあると、僕たち日本人が発音を練習する時に、
「どの国の英語発音をお手本にするか?」
が決めづらくなります。
現時点では、「スマホのAIが英語音声を読み取る機能」を使う時にも、事前に自分がどの国の英語で話すかを設定しておく必要があります。
僕が使っているiPhoneでも、言語設定を選ぶ時の選択肢は、「イギリス英語、アメリカ英語、オーストラリア英語」に分かれています。
これは、どの国の英語で話すかによって、AIの判断基準がブレないようにするためです。
ということは、もし僕が「この英単語はアメリカ発音で覚えて、この英単語はイギリス発音で覚える」といったミックスをした場合、iPhoneのAIが混乱して正しく聞き取ってもらえなくなるかもしれません。
僕の話す英語の発音をAIがジャッジする時にも、基準がブレてよく分からなくなります。
このように、発音の正解は1つではないため、世界共通の発音テストが作りづらくなります。
また、僕ら英語学習者も、「こんなに発音が違うなら、いったいどれを参考にすればいいのか分からない・・・」という心境になります。
その結果、発音練習へのモチベーションが上がらなくなってしまうのです。
1つに絞る
この問題に対して僕たち英語学習者側ができる対策は、
「自分が練習する発音を1つに絞る」ということです。
たとえば、
「自分はディズニー映画の滑らかなアメリカ発音が好きだから、アメリカ英語をキレイに発音できるようになりたい!」
と思ったら、まずはアメリカ英語に特化して練習するのがオススメです。
そうやって最初は1つに絞った方が、発音の習得は早くなります。
その後、アメリカ発音が十分に口に馴染んだ後に、
「今度は格式高い雰囲気のするイギリス発音に興味が出てきた」
という場合は、イギリス発音を練習する・・・といったように、方向転換していくのがオススメです。
ポイントは、最初からあれもこれも手を出さないことです。
負担が増えて、モチベーションが落ちてしまう可能性があります。
音読用の英語テキストを本屋さんで選ぶ時には、本の最後の方のページをチェックしてみましょう。
モデル音声を吹き込んでいるネイティブの人の名前と出身国が書いてあることが多いです。(出身国までは書いてないものもありますが)
またテキストによっては、1冊の中で違う国のナレーターを使っていることもあります。
その場合は、ページごとに「この音声はアメリカ発音」などの注釈が入っているので、分かりやすいです。
以上、今回は2つ目の理由を深掘り解説しました。
次回は、3つ目の理由を見ていきましょう。
・・・つづく。(→この記事のシリーズを1話目から読む)
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From 師範代Shinya(新村真也)
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