【なぜ、「発音」は文法や英単語に比べて上達しづらいのか?5つの理由③】

from 師範代Shinya

(→前回の続き)

前回の記事では、発音が上達しづらい理由の2つ目として、「正解が1つではない」をお伝えしました。

世界に1つだけの、「これが正解!」と言える発音の例があれば、みんなそれに沿って練習して、習熟度をジャッジしやすくなります。

でも、同じ英語でも発音は国によって違います。

発音の正解が国によって違うと、どれを覚えれれば良いか?で迷ってしまったり、どうせこんなに違うなら、まあいいや!気にしないで行こう!という結論になりがちです。

もちろん、そういう考え方も良いと思います。

カタカナ発音で堂々と話す「サムライ・イングリッシュ」なんて言葉もあるぐらいなので。

ただ、それはそれで置いておいて、ネイティブっぽい発音に憧れていて、できるようになりたい!と思っている場合は、やはり練習が必要です。

練習の時には、1つに絞って続けることが大事です。

アメリカ英語なら、アメリカ英語だけに絞るのです。

これが、2番目の対策になると思います。

そして次は、発音が上達しづらい理由の3つ目に考えてみましょう。

理由③習得に時間がかかる

発音は、知識ではありません。スキルです。

文法や英単語だったら、知識を入れた段階で理解できます。

記憶力の良い人だったら、1度文法書を読んだだけで、文法問題をスラスラ解けてしまうかもしれません。

英単語も、意味を覚えさえすれば、英単語テストをスラスラ解くことができます。

もちろん、その文法や英単語を会話の中でスラスラと自分の口から出せるようになるためには、音読や瞬間英作文トレーニングなどの肉体的なトレーニングが必要です。

でも少なくとも、「頭の中で理解する段階」は、すぐに訪れます。

「なるほど!そういうことか!」と分かると、気分が良くなるのです。

だから、モチベーションも保ちやすくなります。

一方で、発音はそうはいきません。

発音記号を覚えたり、ネイティブの先生が発音している時に口の動きをビデオで見て、「なるほど!分かったぞ!」と一発で感じる人は少ないでしょう。

自分の口を動かしながら、何度も繰り返し練習する必要があります。

これまでしたことがない動きを口にさせると、舌や口周りの筋肉がうまく動かず、もどかしさを感じることも多いです。

自分の発音を録音して自分で聞いてみたら、お手本の発音と自分の発音の違いに愕然とすることも多いでしょう。

とにかく、発音は習得に時間がかかります。

ちょっと気を抜くと、すぐに元に戻る

1度できるようになっても、ちょっと気を抜くとすぐに元に戻ってしまいます。

英単語1つや、短いフレーズではしっかり発音できるようになっても、長い文章になると途端に発音が崩れてしまったり。

特に自分の言葉で英作文して話している時には、文法に気を取られて発音がカタカナ発音に戻ってしまうことがあります。

僕も今でも、この違いを感じることが多いです。

「音読している時の自分の英語発音の録音」と、「オンライン英会話している時の自分の英語発音の録音」を聞き比べると、明らかに違います。

特に難しい話題や、自分にとって初めて話す内容だった場合は、文章を組み立てることに脳のリソースが大幅に割かれるので、発音にまで気が回りません。

その結果、発音が崩れがちです。

もうこれは、仕方ないことだと思います。

とにかく、発音の習得には時間がかかるし、いつまで経ってもカンペキにはなれません。

だからこそ、やりがいがあるとも言えますが、挫折の原因にもなりやすいことは間違いないでしょう。

解決策:ガンバり過ぎない

僕が長年続ける中での発音練習を続けるコツは、とにかく「ガンバり過ぎない」の一言に尽きます。

習得に時間がかかるジャンルは、必ず道のりでアップダウンがあります。
それを知った上で、気長に練習していくしかありません。

発音練習を長く続けるコツは、「他の声だし系トレーニングの前後にやる」ぐらいが良いと思います。

音読トレーニングや瞬間英作文トレーニング前のウォーミングアップとして、最初の5分から10分ぐらい、1つの発音スキルに特化して練習するのです。

たとえば、今日は「t」の音をやろうと決めたら、tの音の練習を5分~10分ぐらいやります。

その後に、音読や瞬間英作文トレーニングをしながら、t の音だけを意識し続けるのです。

1日1スキルぐらいだったら、そんなに負担にならないし、意識を向け続けるのもラクになります。

あれもこれもやろうとするから、ツラくなってしまうのです。

長く続けるコツは、

①時間を短く

②他と合わせて

この2点を意識することです。

次回は、4つ目の理由と解決策を見ていきます。

 

・・・つづく

 
 
 
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