from 師範代Shinya
(→前回の続き)
まず、この本の著者のピョートルさんは、ポーランド出身で、世界の一流企業でビジネス経験を積んでいます。
そして今は日本に住んでいて、日本語が堪能です。
日本の企業と取引もあるので、日本の大企業のビジネスマンたちとも雑談する機会があります。
そのため、日本語の雑談と英語の雑談の両方を、比較検討できる立場です。
ピョートルさんは英語圏出身ではないので、正確には「英語圏の雑談」とは書いておらず、あくまで「アメリカやヨーロッパの国々では~」と表記しています。
ただ、ヨーロッパも欧米文化という点では共通点があり、なおかつGoogleなどの大企業だと社内公用語は英語だと思うので、ここでは便宜上、「英語の雑談」と表記しています。
この本を読むときの注意点
この本の中では、
「日本の雑談はこうだけど、英語の雑談(一流の人の)はこうだ」
というような表記がされています。
そのため、読み手のとらえ方にとっては、「日本文化をバカにされた!」と感じて、怒りの感情が芽生えてくるかもしれません。
日本人の作家が日本人のダメなところを指摘するなら、そこまで大きな怒りを買わないかもしれません。自虐ネタのように聞こえるからです。
でも、ピョートルさんはポーランド出身です。
そのため、「自国の文化の方が優れていて、日本文化はダメ」と言われているように感じてしまう人もいると思います。
実際にアマゾンのレビューでは、そういったとらえ方をした人たちが怒りのコメントを書いています。
僕の個人的感想
ただ、僕自身はこの本をニュートラルな気持ちで読めました。
なぜなら、僕は以前、日本企業で働いている時に同僚や上司との雑談が苦手だったからです。
その反動から、英語圏の文化を崇拝していた時期がありました。
ちょうどカナダに留学する前~留学中~留学から帰ってきて1年後ぐらいまでの期間です。
帰国後は、英語圏のネイティブの同僚と働く経験を8年間積む中で、欧米文化のデメリットも見えるようになってきました。
そして今では、ニュートラルな視点で見ています。
英語圏の人と雑談する時にはそちらに合わせるし、日本人と雑談する時にはそちらに合わせます。
どちらが個人的に合わせやすいか?と聞かれたら、僕は英語圏の人との雑談の方がラクに感じます。
言いたいことをストレートに言ってもいいし、あまり忖度する必要がないので、気楽なのです。
僕の性格には、英語の雑談の方が合っています。
が、だからといって、日本語の雑談がNGだとは思いません。
日本語の雑談は日本文化を色濃く反映していて、面白いと思います。
ということで、このブログ記事では、この本に書いてある内容をできるだけマイルドにしながら、エッセンスをお伝えしていきます。
そしてもちろん、この本に書いてある内容をすべて伝えることは不可能です。
かなりボリュームがあるので、その中から僕がこれまで経験してきたことをベースに語れるトップ6をシェアします。
①雑談の目的の違い
日本の雑談では、「雰囲気作り」を重視しています。
つまり、本題に入る前のイントロのような役割です。
とりあえず、いきなり本題に入るとストレート過ぎる印象になるので、それを避けるために雑談をする感じです。
そのため、当たり障りのない「天気の話」から入ることが多いです。
「今日は暑いですね。」
「最近、寒くなってきましたね。」
など。
外国人には理解できないトピック
最初、ピョートルさんはこの日本文化の雑談の切り出し方の理由が分からなかったそうです。
「日本人は四季を大事にしているから、天気の話題を出すのか?」
と思っていたそうです。
でもその後、経験値を積んだ後に「どうやらそうではないらしい」と気付いたそうです。
あくまで、イントロとして無難なトピックを出しているだけだと分かったのです。
僕ら日本人は、これらのトピックを自然に出して、特に目的も意識していない人がほとんどだと思います。
だから僕は今回、本を読んで「なるほど!それは当たってるかも!」と思いました。
そして、少なくとも僕が留学していたカナダでは、現地人は天気の話題を雑談に入れていました。
道を歩いていると、道の雪かきをしているおじさん達が、
「It’s a nice day today, eh?」
と言ってくることがよくありました。
eh?というのは、カナダ独特の表現で、「エイ?」と発音されます。
right? と同じ意味で、「~じゃない?」という同意を求める役割があります。
だから、英語圏の人たちすべてが雑談で天気の話をしないわけではないと思います。
ただ、雪かきのおじさんたちは「一流のビジネスマン」ではなさそうなので、また違うのかもしれませんが。
一流の英語雑談
一方、英語圏の雑談(一流の人たちの)は、「成果を出すこと」を目的にしているそうです。
成果というのは、もちろん仕事上での成果です。
雑談に成果を求めるとは、いかにも西洋らしい考え方だなと思います。
では、具体的に成果を出すためのトークとはどんなものなのか?
それが、次のテーマにつながっていきます。
・・・つづく。
今回紹介した「世界の一流は雑談で何を話しているのか?」の本はこちらの画像をクリック↓↓↓
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From 師範代Shinya(新村真也)
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