From 師範代Shinya(新村真也)
(※僕がカナダに3ヶ月間留学してから帰国後の、日本での体験談です)
(→前回のつづき)
大手英会話スクールの入社試験の3次面接まで受かった僕は、「最後の試練=研修センターでの5日間研修」を受けに行きました。
僕はそれまで、スーツを着る仕事に就いたことがありませんでした。
18才の時に就職の面接用に買ったスーツが一着だけありましたが、今見返すと、すごいデザインです。
肩パッドが入っていて、やたら肩幅が広く見えます。
そして、ボタンは二つずつある「ダブルブレスト」のタイプです。
そう、まさにこれは、「バブル期」に日本で流行っていたスーツの型でした。
このスーツを「仕事をゲットできるかどうか?」を左右する研修に着ていくわけにはいきません!
なので、ここで僕は初めてスーツを新調しました。
1着だと汚れたときに困るので、念のため2着買って、ネクタイやシャツまで揃えたら、総額で10万円以上かかりました。
スーツって高いんだなぁ・・・
と思いながら、新品のスーツを着て、研修センターに向かいました。
缶詰め研修
研修センターは、名古屋にありました。
僕は静岡から参加なので、研修センターから電車ですぐのところにある、借り上げアパートのようなところから通うことになりました。
研修中は、朝から晩までビッシリとやることが詰まっていました。
実際にやってみると、かなりハードでした。
レッスンのお題を出されて、自分で紙を切り貼りしたり、絵を描いたりして、レッスンでつかう道具を作るのですが、研修中の時間内ではとても終わりません。
持ち帰って、アパートの部屋でひとりで黙々と翌日の準備をする毎日でした。
僕と一緒に研修を受けた同期の人たちは全員女性で、全部で5名いましたが、みんな同じような状況になっていました。
行く前は、
「せっかくだから、夜はちょっと羽を伸ばして、名古屋の街を満喫しよう!」
なんて思っていましたが、とてもそんな時間は無いし、外出して騒ぐような気分にはなれません。
やることテンコ盛り!
毎日の研修は、本当にやることがテンコ盛りでした。
特に僕ら5人は、それまで英語を教えたことのない未経験者の集まりだったので、みんな手探り状態でした。
僕は、これまでこういうような連日の研修は受けたことがありませんでしたが、1日だけの「鬼研修」のようなものは、前職で経験が何度かありました。
こういう研修では、外の世界と隔離されるので、ついつい目の前の世界にどっぷりハマッてしまいがちです。
特に、これで自分の採用が決まるんだ!みたいな状況では、どうしても頑張りすぎてしまいがちです。
体調を崩さずに続けるためには、「テキトーに抜く」ことも大事だということに気づいたので、僕はあまり自分を追い込まないようにしていました。
「まあ、これでダメだったら、仕方ない。また就活しよう!」
と開き直っていました。
不安&安心
研修を無事終えた5日目は、安心感と不安感でいっぱいになっていました。
なんとか5日間乗り切った安心感と、これからやっていけるのか?俺??という不安が入り交じって、なんとも複雑な気分でした。
何と言っても、これまでまったく未経験の業界です。
しかも、この会社内で高卒の人は僕ひとりだけのようです。
僕の同期は皆、「海外留学経験4年」とか、「アメリカの大学卒」とか、「英語で有名な日本の大学の英文科卒」とか、そうそうたる学歴を持っていました。
僕は高卒で、英語習得歴も、社会人になってからの叩き上げでした。
でも、この経歴は同期の人たちにすごく興味を持たれて、最後の打ち上げ飲み会では、あれこれ聞かれました。
「社会人から英語の勉強を始めて、どうやってここまで英語力を上げたんですか?」
「え?TOEIC300点から、たった3年で英語の先生になるって・・・どうやったんですか?」
などなど、いろんな質問が飛んできました。
異色の経歴
僕はこのとき改めて、自分の経歴がこの「英語教育業会」では異色な存在だと気づきました。
と同時に、
「もしかして自分の英語学習経験が、今後、思っている以上に役立つのかも知れない!」
と思いました。
おそらく僕らが教えることになるであろう生徒さんたちのほとんどは、
「日本にいながら英語を学んで成果を出したい社会人」
です。
だったら、日本にいながら英語力をアップさせた実体験のある自分は、生徒さんの役に立てるのではないか?
という確信が強まりました。
とはいえ、まだ採用が決まったわけではありません。
最後の最後で、
「研修中に適性を見ましたが、やっぱり不採用です」
なんて言われることが、なきにしもあらず!です。
・・・つづく。
コメントを残す