From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
英語学習を始めてすぐの方からよく聞く言葉があります。それは、
「もう少し自信がついたら、TOEICテストを受けてみようと思っているんです。」
という言葉です。
そういう時の僕の返しは、
「とりあえず、今すぐ申し込んで受けてみませんか?」
です。本番テストに対して気乗りしない方には、公式問題集を解いてみることをオススメしています。
もちろん、TOEICなどの英語テストを受けること自体に興味がない人に無理に勧めることはありません。
あくまで、「受けてみたい」「興味がある」という方だけに、「今すぐ受けましょう!」とお伝えしています。
自信がついてから・・・のウラにある気持ち
たしかに、自信がないうちはテストを受けたくない、という気持ちは分かります。
でもそれは、裏返せば、
「最初から良い点を取りたい」
「悪い点を取る自分のカッコ悪い姿を見たくない」
という心理の現れだと思うのです。これは、仕方のないことだと思います。
日本の学校の評価システムだと、紙の試験の結果が自分の未来を決めるシーンが多くあります。
すると、「人生1回失敗したらアウト」という考え方になりがちです。
だから、紙のテスト上で悪い点を取ることに対して、すごい恐怖心が出てしまうのです。
でも、この「最初からうまくやりたい」「自分のカッコ悪い姿を見たくない」という心理は、英語を学ぶ上ではマイナスに作用することの方が多くなります。
語学は、ミスを繰り返したり、うまく話せなくて恥ずかしい思いをする中で、上達していくものだからです。
自分の「立ち位置」が分かる
TOEICなどの英語テストを受ける目的は、「自分の今の立ち位置を数値化する」ことだと僕は思っています。
特に初心者のうちは、一番最初に「TOEICがどういうものか?」を肌で感じておくことで、ビフォア&アフターの違いを実感することができます。
「1年前に受けたTOEICはあんなに分からなかったのに、今回はかなり聞き取れたぞ!まだまだリーディング問題は読めないけど、自分は上達している!」
と感じることができます。
敵を知るメリット
「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」という言葉があります。
ざっくり解釈すると、
「敵と自分の強み&弱みなどを正確に知っておけば、どう戦えば勝てるか?今戦うべきか?が分かるようになる。」
という感じです。
最初にTOEICと一戦交えておけば、敵の強さや特徴が分かります。
TOEICは、ハッキリ言って強いです!
英語初心者にとっては、ゲームの最終面のラスボスぐらいの強さに感じるでしょう。
その強さやクセを最初に肌で実感しておけば、どんな英語トレーニングを積めばTOEICを攻略できるのか?どんなテキストを選ぶか?の基準になってきます。
ビフォア&アフターの感動
たまに、ロールプレイングゲームなどで、一番最初の弱い時にラスボスと戦って負けるところから、ストーリーが始まるものがあります。
最初にラスボスと自分の力の差を見せつけられることで、最後のステージでもう一度ラスボスと対決して倒した時に、大きな感動を得られます。
TOEICも同じです。僕は最初に受けたTOEICはボロボロでした。
だからこそ、900点を超えた時の感動はひとしおでした。
最初の時の「手も足も出ない自分に対するくやしさ」と、今の「余裕で問題を解ける自分」の差を感じました。
TOEIC協会から送られてきた「915点」と書かれたスコアを何度も眺めながら、「ゲームをクリアしてエンディングを見ている時」のような達成感を味わうことができました。
もし、初めて受けたTOEICで900点を取っていたら、こんな感動は味わえなかったと思います。
満を持しても、結局ボロボロ
こんなことを言っている僕自身の経験は、どちらかというと「満を持して受けた」側です。
だからこそ、良いスコアが取れなかった時の心理的ダメージがよく分かります。
僕のケースでは、英会話スクールと外国人バーに通い始めてから1年後にTOEICを受けました。
本当は半年ぐらいたった頃に、英会話スクールのマネージャーからTOEIC受験を勧められてちょっと興味が出たのですが、「まだ早い」と思って、もう半年引き延ばしていました。
そして1年後に、満を持して受けたわけです。
英会話スクールに週1回、外国人バーに週3回通う生活を1年間続けていた僕は、それなりに自信がありました。
ところが・・・結果はボロボロでした・・・
あまりに聞けない&読めないので、途中で嫌気が差して、ため息ばかりついてしまいました。
テストを受けている時間が、意味のないものに思えてきました。
それまで積み上げてきたものが、ガラガラと音を立てて崩れ落ちていくような感覚になりました。
あまりに苦しくて、情けなくて、もう英語をやめようと思いました。
初めてのTOEICは、僕の心にとてつもなく大きなダメージを与えました。
もしこれが、英会話スクールに通い始めてすぐのタイミングだったら、こんなに落ち込むことはなかったと思います。
「まあ、最初だからこんなもんさ!」
と開き直れていたと思います。
それに、TOEICがどんなものか、最初に一度受けて知っていたら、英会話スクールで習っていることや、外国人バーで話す経験が、TOEICの点数に直結するわけではない、ということが分かった状態でいられたと思います。
僕はあの時、運良く気持ちを取り直して英語学習を再開できましたが、僕と同じ経験をして落ち込んで、英語学習をきっぱりやめてしまう人もいると思います。
だからこそ、今すぐ受けてみることをオススメします。
以上、ポジティブな面とネガティブな面、両方から「TOEICを今すぐ受けるメリット」をお伝えしました。
本番でなくても、公式問題集でも同じ効果がありますので、この記事を読んだらぜひ、今すぐTOEIC受験を申し込んでみてください。
(※注:あくまで、「TOEICに興味があって、いつか受けようと思っている」場合です)
・・・つづく。
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