From 師範代Shinya(新村真也)
英語学習者にとって、「ネイティブ」というのは、神のような存在です。
「英語を自由自在に使える人」という点では、ネイティブは確かに絶対的な存在でしょう。
「ネイティブにしっかり通じる発音を身につけたい」
とか、
「ネイティブと対等に渡り合える英語力を身につけたい」
と考えている人は多いと思います。
でも、当のネイティブたちの耳には、僕ら日本人の英語はどう聞こえるのでしょうか?
それを知る方法はたったひとつ、逆の立場になるしかありません。
僕らにとって、母国語は日本語です。
「日本語のネイティブ」として、日本語を勉強している外国人の話す日本語を聞くことで、「ネイティブの感覚」を身をもって知ることができます。
それを可能にしてくれる方法のひとつに、「Language Exchange (ラングイッジ・エクスチェンジ)」という手法があります。
これは直訳すると、「言語交換」という意味です。たとえば、英語を勉強している日本人と、日本語を勉強しているネイティブがカフェなどに集まります。
そこで、「今から30分間は、日本語だけでしゃべるタイム」と決めて、日本語で自由に会話します。
30分たったら、「今から30分間は、英語だけでしゃべるタイム」と決めて、英語で自由に会話します。
同じことを繰り返していき、数時間会話します。
このラングイッジ・エクスチェンジは昔からある手法で、費用をかけずに語学を上達させるのにかなり有効な手段です。
でも、この場合、自分がネイティブ気分を味わえるのは、「日本語で話すタイム」だけです。
さらに、自分も日本語で話さなければならないため、外国人の話すの日本語を聞いていられる時間は、そこまで多くありません。
「ネイティブ気分」を長く体験できる方法
そこで、「ネイティブ気分」を長く味わえる方法があります。それは、「外国人日本語学習者による日本語スピーチを聞く」ことです。
僕は1年に1度、このイベントに参加しています。きっと他にも探せば全国にあると思いますが、僕が参加しているのは、地元の静岡県沼津市で毎年2月末あたりに開催されている「シルクロ日本語スピーチフェスティバル」です。
ここでは毎年、世界中の色々な国々から集まった日本語学習者が、ふだん練習している日本語をスピーチにして披露してくれます。
トピックは身近なものが多く、今回の参加者のお題は、
「日本での生活」
「日本の四季で一番好きなもの」
「日本語の魅力」
「日本人、結婚したい?したくない?」
などでした。
僕は弟と一緒に、毎年このイベントでマジックショーをやらせていただいています。
言葉が分からなくても楽しめる「音楽に合わせて無言で行うステージマジック」と、日本語をガッツリしゃべりながらリスニング力も鍛えてもらう「おしゃべりマジック」をバランス良く組み合わせています。
今年も、ものすごく盛り上がって、大きなリアクションをたくさんいただきました。
今回は、英語の達人養成ジムのオンラインコースの会員の方も見に来てくれました。
客席で聞くスピーチ
僕の何よりの楽しみは、マジックショーの前後で聞く、日本語スピーチです。
僕はマジック道具の準備や片付け以外の時間は、いつも客席に回って、観客のひとりとして聞いています。
今回も、楽しいスピーチをたくさん聞いて、新しい気付きがたくさんありました。
日本の外側の視点で見れるイベント
参加者はみんな海外出身なので、日本文化を外側の視点から観察した結果をまとめて、スピーチにしています。
僕ら日本人が聞くと、かなり面白いです。
「あ、日本は世界の人たちからそんな風に見えるのか!」
「へぇ~!日本はそんな魅力があるのか!」
と、気付くことがいっぱいです。
日本の良い点も悪い点も、客観的に見れるようになります。
学習者目線で
英語学習者目線でも、ネイティブの視点で日本語学習者のスピーチを聞くと、とても参考になります。
相手の人が「一生懸命話す姿勢」を見ると、たとえ文法が少し間違えても、単語のチョイスが変でも、気持ちは伝わってくるものです。
逆に、細かいミスを気にして萎縮してしまうのを見ると、「もったいないな・・・」と感じます。
でも、これは自分が逆の立場になると、けっこうやってしまいがちです。
自分が英語を話しているときに、ちょっと違うことを言うと、それが気になってリズムがガタガタになってしまうことがあります。
でも、ネイティブの立場からすると、そんな細かいことをきにせずに、堂々と自信を持って話してくれれば良いのにな・・・と感じることが分かります。
そして今回、スピーチの中と終わった後の交流会の両方で新しい気付きがありました。それはまた、次回の記事でシェアします。
・・・つづく。
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