From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
前回の記事では、6つのチェックリスト、
①自分の中の「話せる」の基準はどのくらいか?
②自分の試合(英会話)の経験値はどのぐらいか?
③例文の丸暗記になっていないか?
④ボキャ不足が原因ではないか?
⑤英語と日本語の文化の違いを意識しているか?
⑥持っている武器で戦おうとしているか?
以上のうち、④を詳しく解説しました。
今回は、⑤を解説していきます。
⑤英語と日本語の文化の違いを意識しているか?
「言いたいことがなかなか英語にできない」と悩む理由のひとつに、日本語と英語の文化の違いが影響していることがあります。
「日本語で思いついたことを余すところなく、英語で表現したい」
と思っていると、この落とし穴にハマることがあります。
僕は英会話スクールで講師をしていたので、よく生徒の方から「○○(←日本語)って英語で何て言うんですか?」という質問を受けることがありました。
この○○の部分が英単語だったらまだ良いのですが、文章になると、そのまま英語にできないものが多いのです。
たとえば分かりやすい例で言うと、
・「お疲れ様です」って英語で何て言うんですか?
・「よろしくお願いします」って英語で何て言うんですか?
という質問の場合は、ダイレクトな直訳が英語にはありません。
日本語で「お疲れ様です」と言うときには、色んなパターンがあります。
①久しぶりに会った人へのあいさつ
②会社で同僚や上司とすれ違った時のあいさつ
③仕事を終えて会社を出る時のあいさつ
などです。仕事上の関係者だけではなく、プライベートの付き合いの人同士でも「お疲れ様です」を使います。
英語ではすべて違う言い方
これを英語にしようと思った場合、全部違う表現をしなければなりません。
①How have you been?
②Hi! How are you?
③See you!
などです。(一例)
え?そんなカンタンなひと言でいいの?
と思いますよね。
なんというか、表面的とうか、カジュアル過ぎる気がします。
でも、それが文化の違いです。
多くの意味を含む日本語
日本語の「お疲れ様です」には、もっと微妙なニュアンスが含まれる気がします。
・相手へのねぎらいの気持ち
・相手への敬意
・相手への共感
などです。
・残業している部下に、上司が優しい笑顔で穏やかに「お疲れ様」と言えば、ねぎらいの意味を込められます。
・社員が社長の前で背筋をピシッと伸ばしながら「お疲れ様です!」と言えば、敬意を表せます。
・同僚が徹夜して働いたことを知った後、缶コーヒーを渡しながら「お疲れ様。」と言えば、「大変だったね。」という共感を表せます。
でも、この違う状況でかける「お疲れ様」という言葉を、英語の1つのフレーズで表すことはできません。
そもそも文化がまったく違うからです。
もちろん、英語にもねぎらいや敬意、共感を表す表現はあります。
でも、そのすべてをひと言で表せるような表現はありません。
場面によって言い方を変えて、もっと直接的な言い方をします。
・I feel sorry for you.(相手のツラさに共感)
・I’m glad to work with you.(相手への敬意)
などです。
また欧米のビジネス文化では、
残業している人=ガンバってる人
↓↓↓
偉い部下
↓↓↓
ホメる
という図式が成り立たないことがあります。
残業している人=効率が悪い人
↓↓↓
ダメな部下
↓↓↓
叱る
みたいな流れになることすらあります。
そのぐらい文化が違うのです。
瞬間英作文トレーニングの問題ではない
英語で「お疲れ様です」が言えないからといって、
「瞬間英作文トレーニングの成果が出ていない」
とは言えません。
これは単に、文化の違いを意識できていないだけです。
文法力が足りないのが問題ではなく、
「日本語のフレーズを、そのまま英語にできるはずだ」
と思っていること自体が問題なのです。
実は、瞬間英作文トレーニングの時には上手にできる人が、いざ会話!となると途端にしゃべれなくなる場合は、この文化の違いが意識できていないことが多いです。
「じゃあ、どうすればいいの?どうやって文化の違いを鍛えればいいの?」
という疑問については、次回の記事でトレーニング法をお伝えします。
・・・つづく。
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