From 師範代Shinya(新村真也)
受験英語経験ゼロだった僕が、TOEIC900点を取った後に初めて見た受験英語問題がどう見えたのか?をお伝えするコーナーです。
(→前回のつづき)
前回までの記事で、「和訳」と「直訳」の違いをお伝えしてきました。
受験英語の代名詞にもなっている「和訳」は、実は英語の運用能力を高めるための勉強方法ではありません。
「直訳」で十分な英語力を身につけた人が、その力を使って「英語の苦手な人にも英語で書かれた本や記事などの内容を伝えたい!」と思ったときに、身につけるのが、和訳のスキルです。
言い換えれば、和訳は「さらに高みを目指して踏み込む領域」なのです。
具体的なレベルで言うと、英語力がTOEIC950点以上、英検1級を取ったあたりからが、和訳トレーニングを始める出発点になると思います。
日本の高校生の英語力
でも、日本の受験生の多くはそのレベルに達していません。
高校生で英検2級を持っていたら、「英語が得意なんだね!」と言われます。進学にも有利です。
もし高校生で英検準1級を持っていたら、「スゲー!!!」と言われます。英語の試験をパスできたりします。
もし英検1級を持っていたら、「超天才児」扱いされます。推薦で行ける大学の選択肢が一気に増えるでしょう。
つまり、日本の高校生の平均の英語力は、英検2級レベルに達していません。
学校で英語を教えている先生でさえも、英検準1級以上を持っている人は少ないです。
そんな状況なのに、大学受験では「和訳」問題が出ます。しかも、けっこう配点が高いです。
高校生のゴールが大学受験合格なので、高校の英語の授業でも和訳練習が中心になります。
でも、先ほどお伝えしたように、和訳は英検1級以上の英語力を持った人が踏み込む領域です。
それ以前の段階で和訳トレーニングをすると、かえって脳内の英語の処理スピードが遅くなってしまいます。
これが、僕の目から見た「受験英語が使えない」と言われる理由とメカニズムです。
受験英語だろうが日常会話英語だろうが、英語は英語です。正しい文法と英単語で作られている限りは、それ自体に良いも悪いもありません。
受験英語が悪いとか使えないというより、単に学校での「英語の練習レベルの順番がでたらめ」なだけです。
和訳問題は必要ない
僕は和訳トレーニングをしないで英検1級&TOEIC975点を取れました。
なので、少なくとも僕の今のレベルまで英語力を高めるのに、和訳トレーニングが必要ないことは間違いありません。
以前、僕がカナダに留学していたときに、ヨーロッパから来た留学生と話したときに、こんなことを言っていました。
「私の国には、英語を母国語に訳して提出するようなテスト問題は無いよ。英語のテスト問題は全部英語で書かれてるし、英語で答えるから。」
学生のゴールがテストで良い点を取ることである以上、そのゴールを実戦的にする以外に学校教育を変える方法はないと思います。
英語は誰にでもいつでもマスターできる
僕は受験とは無縁の世界で生きてきました。
それでも、大人になってから始めた英会話がモノになり、今では人に教えられるまでになりました。
これを読んでいるあなたにも、必ずできます。
僕は昔から人と比べられるのがイヤで、小学校の時点で「競争社会から降りる道」を選びました。
スポーツも勉強もさっぱりだった上に、グレる度胸もありませんでした。
これと言った取り柄もない、クラスでは目立たない生徒でした。
でも、好きなことはとことん追求するタイプでした。
僕の好きなことは、学校の外にありました。
僕が好きなことは、勉強でもスポーツでもありませんでした。
工作をしたり、マジックを練習したり、父がカメラ屋からレンタルしてきたビデオカメラで、弟と一緒に自作ムービーを作ったり、そういったことにほとんどの時間を費やしていました。
社会人になってからは、仕事と全く関係ないことに情熱を燃やしていました。
子供の頃は塾にも行かず、習い事はひとつもやっていませんでしたが、大人になってからは習い事マニアになりました。
空手道場やダンススクールに通ったり、役者志望の人に演技を教えるスクールに通ったりしました。
その中のひとつに、英会話スクールがありました。
好きなことに時間と情熱を注ぐと・・・
僕が子供の頃に情熱を注いでいたことは、大人になってから、意外なタイミングで仕事になりました。
大人になってから始めた英会話も、その数年後には仕事になりました。
僕の経験やスキルを、「お金を払ってでも欲しい!」と言ってくれる人たちが現れたのです。
最初からそれを狙って始めたわけではありませんが、結果的にそうなりました。
もしあなたが、英語が大好きで、いつか仕事にしたいと思っていて、でもそんなレベルになれるかなぁ?と心配しているとしたら・・・とりあえずその心配は横に置いておいて、今英語学習に思い切り打ち込んでみることをオススメします。
僕も英会話を始めた頃には、今の自分の姿はまったく想像できませんでした。
学生の頃の自分が今の自分がやっていることを見たら、「何がどうなったら、そうなるの?」と不思議がると思います(笑)
あなたも、「今の自分の英語レベル」とか、「周りの同僚の英語レベル」とかは無視して、「楽しいから、やる」くらいの気持ちで英語学習を続けてみてください。
きっと、その先に新しい道が開けると思います。
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