from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
※2021年11月5日発売の新刊本、「英語の前置詞使い分け図鑑」のレビューの続きです。
前回の記事では、僕が読んでみて感じた、この本の魅力トップ5のうち、
①イラストを使った「イメージ」で、前置詞を学べる。(日本語訳を介さずに、前置詞が理解できる)
②会話でよく使われる「熟語」も一緒に覚えられる。
を詳しく解説しました。
今回は、③を深掘りしていきます。
③例文がシンプルで、イメージが湧きやすい。
英単語や熟語のテキストを選ぶ時に大事なのが、「例文が付いているかどうか?」です。
いくら英単語だけの解説を聞いても、実際に文章の中でどう使われるのか?まで分からなければ、本当の意味で使いこなすことはできません。
たとえば、
try on = 試着する
という熟語を覚えたとします。
例文を見ないでこれだけで終わりにしていると、いざという時に英語の文章を作るのに苦労します。
海外旅行先の服屋さんで、いざ試着する時になったら、
「え~と・・・try on … OK?」
みたいになってしまうでしょう。
もちろん、一応通じるとは思いますが、あまりカッコよくはありません。 日本語に変換すると、
「試着・・・イイ?」
ぐらいの情報量の文章です。
英語学習者としては、
「このシャツを試着してもいいですか?」
ぐらいは言えるようになりたいですよね。
英語にすると、
Can I try this shirt on?
になります。
(実際にこの本の中の例文の引用です)
長くて難しい例文は逆効果
今とは逆に、長くて難しい例文の中で熟語や前置詞を覚えようとするのは、逆効果になります。
たとえば「試着」というフレーズを覚えるための日本語文で、こんな例文があったらどうでしょうか?
↓↓↓
・その大統領候補は、演説の時に着るためのスーツの仕立て作業が終わった連絡を店から受け、今日中に試着しに行きたかったが、過密なスケジュールのため断念せざるを得なかった。
この長い例文の中では、肝心の「試着」という単語がかすんでしまいます。
僕らが日常で使う「試着」は、もっとカジュアルな場面で、店員さんを相手に話すシーンが多いはずです。
「このシャツを試着してもいいですか?」
ぐらいの例文で覚えれば十分なのです。
こうやって日本語の例文で見ると極端な例に見えますが、英語学習になると、実はけっこうやってしまいがちです。
たとえば、
「せっかく英単語帳を買うなら、例文がTOEIC問題のパート5の例文と同じレベルで書かれたテキストが一石二鳥かも!」
と思ってしまいます。
でも、TOEICパート5の例文は、まさに先ほど出てきたような長い日本語文と同じレベルの英文です。
読解トレーニングには良いと思いますが、「試着」という日常表現を覚えるのには向いていません。
#難しい英単語ほど、例文をシンプルにする
僕は今でも毎朝音読トレーニングをしていますが、新しい表現や英単語に出会ったら、意味だけではなく例文を書き込むことが多いです。
僕が今音読で使っている本は学習者用のテキストではなく、ネイティブ向けのビジネス書や心理学の本です。
そういった本には、凝った表現や複雑な文章がよく出てきます。
その場合は、新しい英単語やフレーズを辞書で調べて、シンプルで短い例文を探します。(ロングマン英英辞典の例文は短くて好きです)
そのシンプル例文を、本文の隣に書き込みます。
シンプル例文を3回連続で声出しした後に、本文の長いバージョンを読みます。
すると、その英単語の使われ方や理解度が一気にアップして、脳内に入ってくるのを感じます。
この方法は有効ですが、手間がかかるのが難点です。
すべての例文が日常的
その点、この「英語の前置詞使い分け図鑑」は、手間がかかりません。
収録されている例文は、すべてシンプルで短いです。
先ほどのonを使った熟語のページには、こんなシンプルな例文が並んでいます。
↓↓↓
get on = Let’s get on the train.
(この電車に乗ろう。)
put on = He put a red cap on.
(彼は赤い帽子をかぶった。)
have on = He always has a big hat on.
(彼はいつも大きな帽子をかぶっている。)
on purpose = He broke the clock on purpose.
(彼は時計をわざと壊した)
という感じです。
これらは、実際にこのテキストからの引用です。
すべての例文が、このレベルの日常会話フレーズで成り立っています。
いつも手元に置いておいて参照する「図鑑」としては、とても使いやすい作りになっています。
・・・つづく。
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From 師範代Shinya(新村真也)
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