From 師範代Shinya(新村真也)
最近、僕のブログ読者さんやYouTube視聴者さんから、こんなリクエストが増えてきました。
「Shinyaさんが今までどんな英語テキストを使って英語力を伸ばしたのか、教えて欲しいです」
「DUO以外にもオススメの英語テキストがあったら、レビューして欲しいです。」
たしかに、僕も英語学習を始めたての頃は、英検1級ホルダーやTOEIC900点ホルダーの人たちが、どんな英語テキストを使っているのか興味シンシンでした。
そこで、これからはブログ記事やYouTube動画で、
「オススメ英語テキストのレビュー」
を作っていこうと思います。
これまでのようにまとめてドカン!ではなく、一冊一冊を丁寧にレビューしていきます。
まずは、最近問い合わせの多い、
「瞬間英作文」のオススメ本です。
僕の今のスピーキング力の8割は、この本のおかげと言っても過言ではありません。
カナダにビジネス留学して現地の企業で働いた時も、この本で学んだ「型」を駆使しながら、速いスピードの会話を切り抜けることができました。
英検1級の面接試験(対面スピーキング試験)を突破できたのも、この本で培った中学英文法の力のおかげです。
実戦的な英会話力を求めている人、多少時間がかかっても確実な結果を出したい人には、この本をオススメします!
瞬間英作文トレーニングとは何か?
僕が今でも毎日やっている「音読トレーニング」は、手持ちのボキャブラリーや文法力をアップさせるためのトレーニングです。
対して、「瞬間英作文トレーニング」は、手持ちのボキャブラリーの中から必要なものを一瞬で引き出して、正しい並び順(文法)でしゃべれるようにするのが目的です。
会話で必要な「文型」を繰り返し刷り込むことで、脳内に「回路」ができて、反射的に英文が口からポンポン出せるようになります。
一度脳内に回路を作ってしまえば、後は長期記憶としてストックされ続けるので、その後もずっと続ける必要はありません。
あとは、「音読トレーニング」で増えた英単語などのストックをその回路に乗せて、自由に会話をすることができるようになります。
僕が使ったテキスト
僕が使った瞬間英作文トレーニング本は、これです。
「中学英語で24時間話せる①」
(↑クリックすると、アマゾンの販売ページに行けます)
「中学英語で24時間話せる②」
(↑クリックすると、アマゾンの販売ページに行けます)
なんと、第一刷が出たのが2000年12月です。
今から17年も前です。
それ以来、ずっとロングセラーを続けていて、今でもアマゾンで新品で買うことができます。きっと、根強い人気があるのでしょう。
以前の記事でもご紹介していますが、今回はさらに細かくレビューしていきます。
良いところ①:例文が実戦的
この本の何よりも良いところは、例文が実戦的だということです。
ふつうのテキストは、
I live in Shibuya.(私は渋谷に住んでいます)
みたいな、基本のSV文型から入るのですが、実際の英会話では、初めて会った人にいきなり、
「私は渋谷に住んでいます。」
なんて言いませんよね?
もし渋谷で開かれたパーティーで出会った人に話しかけるなら、
「あなたは渋谷に住んでるんですか?」
と聞くのが自然です。
この本は、そういうところを意識して作られています。
英会話では、疑問文を使いこなせるようになることが最優先です。
それを踏まえて、最初のページでいきなり疑問文から始まります。
↓↓↓
Do you play golf?(あなたはゴルフをしますか)Do you practice the piano?(あなたはピアノの練習をしますか)Do you take a shower every morning?(あなたは毎朝シャワーを浴びますか)
という感じです。
最初のページは、「Do you ~」から始まる型の疑問文がズラッと並んでいます。
この本の著者の市橋敬三さんは、辞書に載っていない英語の話し言葉や俗語をまとめた「アメリカ口語教本」などの超実戦的な骨太本を出版していることで有名な方です。
↓↓↓
その実戦的なエッセンスが、瞬間英作文の本にも生きています。
良いところ②:CDのスピードが実戦的
付属のCDのしゃべるスピードが、めちゃくちゃ速いです。
この手の中学英語レベルの教材の付属CDは、たいていゆっくり発音されるのですが、これは違います!
かなり実戦的なスピードになっています。
僕がこの本でトレーニングを始めたばかりの初心者の頃は、速すぎてCDと同じスピードでは言えませんでした。
良いところ③:例文がたくさんある
この本は、上下巻2冊で完結します。例文の数は、全部合わせると、なんと2,000文もあります!
これだけの数を瞬間英作文で仕上げたら、たしかに日常生活では困らないくらいの「英語の筋肉」が身につきます。
僕は、この2冊の本を瞬間英作文トレーニングで仕上げるのに、1日30分×週6日ペースで、トータル1年半かかりました。
ただ、終わったときの爆発力はものすごいものがありました!
思ったことが口からポンポン出てくるようになった時には、感動しました!
この本の使い方
瞬間英作文は、やり方がシンプルです。この本のプロローグでは、著者の市橋敬三さんが、
「1文につき80回音読しなさい。80回を越えるまでは先へ行ってはいけません!」
と、超スパルタなことが書いてあります。
僕は、スパルタ式は苦手なので、もう少しユルい方法で仕上げました。
僕がやった方法は、こんな感じです。
①日本語文を見て、英文に瞬間的に変えながら口に出して1回言う。(3秒以上考えても出てこなければ、すぐに答えを見る)
②英文の答えを見ながら、正しい英文を声に出して読み上げる。(ここで細かいミスをチェックする)
③顔を上げて、気持ちを込めながら声に出して読み上げる。
これで3回声に出したことになります。
1文につき、3回声出しです。
そしたら、次の文章に移って、また①~③をやります。
僕の場合は、30文くらいをひとかたまりにしていました。
最後の30文目までいったらいったん終了。
この流れを、朝の15分くらいでやります。
夜になったら、寝る前にまた同じように15分かけて同じページの30文を①~③のステップでやりました
これで1日6回です。
同じことを週6日間やると、6回×6日=36回になります。
36回やる頃には、かなりスムーズに言えるようになっているので、次の週は先のページに進みます。
これを第一サイクルとします。
本が最後まで行ったら、また先頭に戻って第二サイクルをやります。
2回目は、かなり覚えているので、36回もやる必要はありませんでした。僕の場合は、
1日6回×3日=18回で切り上げました。
そのペースで本の最後まで行ったら、また戻って最後の第三サイクルに入ります。僕の場合は、
1日6回×1日=6回で切り上げました。
ただ、苦手な場所だけはもう少し多めにやりました。この第三サイクルでは、取りこぼしを拾っていくだけの作業なので、快適です。
3つのサイクルを足すと、
36回+18回+6回=60回
になります。
だいたい、1文につき60回音読した計算になります。
でも、この方法は僕にとってはあまり苦痛はありませんでした。
なぜなら、サクサクと先へ進んでいけるからです。
僕にはこのサイクル回しの方法が合っていました。
ちなみに、この「サイクル回し式」は、森沢先生の名著、「英語完全上達マップ」に書かれていた方法をベースにしています。
僕はこの第三サイクルが終わらせるまでに、1年半かかりました。
瞬間英作文のメール&動画セミナー
近いうちに、この瞬間英作文トレーニングのメール&動画セミナーを作ろうかと考えています。
オンラインアンケートなどで瞬間英作文セミナーのリクエストが多く寄せられているため、作ることを考えました。
毎日届くメール&動画で
「今日のあなたのトレーニングメニュー」
をお伝えすることで、今日は何をどのくらいやればいいのか?という迷いがなくなる、というコースです。
詳細情報は、メルマガやブログでお伝えしていきます。
あえて言います!残念なところ
この本と1年半もの間付き合い続けたからこそ分かる、残念なところをお伝えします。
残念なところ①:ページレイアウトが見づらい
本屋によくある、「旅行英会話フレーズ集」のような、「フレーズ丸暗記型」の本は、ふつうは見開きで、左側が日本語文、右側が英文になっています。これは、とても見やすいスタイルです。
ところが、この「中学英語で24時間話せる」の本は、日本語文のかたまりが上の方にあり、その下に英文のかたまりがあります。
↓↓↓
これは、やってみると分かりますが、けっこう見づらいです。
人間の目は、横の動きには強いですが、タテの動きにはついていけません。
日本語文を見て、瞬間英作文をした後に、確認のために目線を下に向けると、どこにあるか探すのに時間がかかります。
このタイムラグが、瞬間英作文本来のリズムの良さを奪ってしまうのです・・・
僕はこれをやっていた当時、ページをコピーして英文と日本語文を切り取り、ノートに横並びに貼り付けていました。
作るのは面倒でしたが、長い目で見ると結果的に時間短縮につながった気がします。
残念なところ②:CDが英語だけで、ポーズもない
瞬間英作文は、慣れてきた例文に関しては、本を見ないでトレーニングすることもできます。
もし、付属のCDが、
①日本語読み上げ
↓
②ポーズ6~7秒
↓
③英文読み上げ
みたいなスタイルなら、本なしでも②のステップで瞬間英作文できます。そうすると、車を運転中にもトレーニングできます。
でも、この本の付属CDには、ポーズはまったくありません。日本語読み上げもありません。
ひたすら、ネイティブが超速いスピードで例文を読み上げていくだけです。
つまり、このCDは発音チェックする時以外には使えません。
僕は結局、ほとんど付属CDを使いませんでした。
その代わり、発音スキルの練習は音読トレーニングの方で磨いていました。
残念なところ③:例文の数が多すぎる
これは、さっきお伝えした長所が短所にもなりえる、ということです。
上下巻に分かれていて、各巻に1,000例文もあると、進みがどうしても遅くなります。
始めて数ヶ月たっても、まだまだ先があるので、人によっては途中でモチベーションがダウンしてしまうかもしれません。
似通った例文をいくつか飛ばして、トータル数を減らす手もあるのですが、初心者の頃は「何を削って良いのか?」すら分かりません・・・
僕の場合は、
「この数の例文を仕上げたら、きっとスゴいことになるに違いない!」
という期待感があったので、モチベーションを保ち続けることができました。
でも、「手軽に無理せず進みたい人」や、「小さなゴールを設定して、少しずつクリアしていくことに喜びを感じるタイプの人」にとっては、最終ゴールが途方もなく長く感じて、モチベーションが保ちづらいかもしれません。
どんな人に向いているか?
以上の点から、この本が向いているのは、こんな人です。
1
・中学レベルからやり直したい初心者(TOEIC200~300点台)
・短くてシンプルだけど実戦的な例文で練習したい人
・長い道のりをコツコツ進むのが苦にならない人
この3つのうち、あなたがひとつでも当てはまるなら、この本は超オススメです!
万能本はない
以上、この本の残念なところを3つお伝えしました。
万人にオススメできるたった1冊の本は存在しません。
大事なのは、あなた自身が何を重視するか?です。
僕の今のスピーキング力の8割は、この本のおかげと言っても過言ではありません。
カナダにビジネス留学して現地の企業で働いた時も、この本で学んだ「型」を駆使しながら、速いスピードの会話を切り抜けることができました。
英検1級の面接試験(対面スピーキング試験)を突破できたのも、この本で培った中学英文法の力のおかげです。
実戦的な英会話力を求めている人、多少時間がかかっても確実な結果を出したい人には、この本をオススメします!
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