【中南米のダンス・サルサの世界⑯ダンス編151】

 
From  師範代Shinya(新村真也)
 
 
※僕が20代の頃、初めてサルサダンスを経験した時の体験談の続きです。ダンス編は毎週日曜日に更新中。

 

サルサダンスと英語学習の共通点を発見した僕は、「実戦1本やり」の戦略に疑問を感じ始めました。

何の準備も無しに、ぶっつけ本番で英会話を繰り返しても、カンタンな挨拶や丸暗記したフレーズが使える程度で止まってしまいます。

外国人の相手を前に、ほとんど話せないまま時間だけが過ぎていきます。
沈黙の時間に英語が上達することはありません。

上達=新しく学んだ英単語や文法を、英会話の中で使えるようになること

と定義した場合、沈黙の時間に上達はないのです。

それとまったく同じことが、サルサダンスでも起こりました。

自分の中に何も知識やスキルが入ってない状態で、サルサパーティーで女性を誘ってダンスフロアーに出たところで、沈黙が続くだけでした。

サルサダンスでの「沈黙」とは、

「踊りながら女性にどんなサインを送っていいか分からない、サインの送り方も分からないので、女性がターンなどの動きができず、ただ2人で前後に動くだけ。」

の状態です。

この沈黙が、めちゃくちゃ気まずいのです!

本当は、口で「ターンしてください!」とか指示を出したいぐらいです。
でも、サルサダンスでは口を使えません。

「つないだ手や、全身を使って次の動きのサインを送る」

のが、サルサでの女性との会話です。

僕はサインの送り方をまだ知りません。

知らない状態で踊る経験の回数を増やしても、何も上達実感はないのです。

毎週のレッスンで教わってはいるのですが、2~3日たてば忘れてしまいます。

たいていは、次の週まで身体が覚えていることはありません。

忘れないうちに女性とペアを組んで練習したいのですが、ちょうど良いタイミングでサルサパーティーが開かれることはありません。

そんな状態で、僕は行き詰まりました。

彼女を作って一緒に練習すれば上達する?

もう1つ、英会話とサルサダンスの共通点があります。

それは、「恋人を作れば上達する」と広く思われている、ということです。

・外国人の恋人ができた場合、英会話をする機会が増えて、上達する。

・恋人に気持ちを伝えたいという想いが、英語の勉強モチベーションにつながる。

という理論は、よく耳にしますよね。

サルサダンスのようなペアダンスの世界も、同じみたいです。

・恋人がサルサダンスをやっていれば、一緒に練習できる機会が増えるので、上達する。

・恋人と一緒にサルサを練習すれば、息がピッタリ合いやすく、愛のパワーで上達する。

みたいな感じです。

実際に、「ダンスでも私生活でもパートナー」というカップルも存在すると聞きました。

また、世界的に有名な「夫婦のダンスペア」もいるそうです。

こうやって聞くと、「やっぱり恋人を作るのが一番の上達への近道か!」と思いますよね。

でも・・・

英会話の現実

僕は当時、英会話の世界で「恋人作れば上達!」メソッドが本当かどうかの検証材料を、たくさん見てきていました。

つまり、「ネイティブ×日本人」の国際カップルと話す機会がたくさんあったのです。

僕は外国人バーに頻繁に出入りしていたので、実例をたくさん見れて、さらに本人達に直接インタビューできました。

ちなみに、国際カップルの9割は、

ネイティブ男性×日本人女性

でした。

ネイティブ女性×日本人男性

の組み合わせは、ほとんど出会ったことがありません。(ゼロではありませんが)

おそらく理由は、

・日本人男性は西洋人男性と比べて、女性の扱いが上手ではないケースが多い。

・日本人男性がネイティブ女性を口説く場合、かなり高い英会話力が要求される。(相手の女性が日本語を話せない場合)

・英会話力をカバーするための「肉体的な魅力」に目を向けると、日本人男性は西洋人男性に比べて、筋肉ムキムキのマッチョな人が少ない。

という3つがメインかなと感じます。

僕も自分がTOEIC900点を超えてから、アメリカ人女性を口説こうとガンバったことがあります。

でも、TOEIC900点を超えても、まだ「会話力」という点で足りなさを何度も実感しました。

表面的には仲良くなれても、「口説く」というゾーンに入った場合、相手を笑わせたり、ちょっと押し引きをしたりとった、高度なコミュニケーションが必要になります。

これは、かなり大変です。

また、アメリカ人女性は一般的にムキムキマッチョ好きが多いらしいので、僕は「見た目で恋愛対象にならない」とハッキリ言われたこともあります。(僕が口説こうとガンバっていた相手のアメリカ人女性本人から)

さらに、もしうまくいって付き合えたり、結婚したとしても、英会話が上達するわけでもないらしいのです・・・

 

・・・つづく。(→この記事のシリーズを1話目から読む

 

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