From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※僕が24才の時にHIPHOPダンススクールに通い始めた頃の体験談の続きです。
Y君が見せてくれたダンス大会ビデオの優勝チームの演技を見た僕は、モーレツに興奮しました。
僕:「これはカッコいい!!マジでカッコいい!!」
Y君:「これ、いいっすよね!」
僕:「俺たち、この振りをお祭りで踊るの?」
Y君:「はい!これ踊れたらカッコよくないっすか?」
僕:「カッコいいねぇ!これはテンション上がるわ!」
Y君:「やっちゃいましょう!」
僕:「よ~し!やるか!!」
ワクワクする道を選ぶ
正直、この時期の僕とY君にとっては、ダンス大会の優勝チームの振りをコピーするなんて、レベル的にはかけ離れていました。
英語学習の世界で言えば、英語を習い始めたばかりの人が、アメリカ大統領のスピーチ台本を暗記して発表するようなものです。
分相応な素材を選ぶのであれば、僕とY君がふだん見ている初級ダンスレクチャービデオの基本ステップを組み合わせて踊るのがベストでしょう。
でも、僕らは自分たちがワクワクする方の道を選びました。
あの時のゾクゾク感は、今でも忘れません。
この振りができるようになりたい!!
そう強く思いました。
#ダンスで使う曲
テレビや大会などに出ているダンスチームの振りをコピーしようと思った場合、曲をどうするか?の問題があります。
ふつう、ダンスの振りで使う曲は、そのチームのメンバーが編集して2~3分程度に短くまとめていることが多いです。
同じような曲調が続く場所をカットして、見ている人を飽きさせない工夫をしているのです。
時には、まったく違う曲を組み合わせて1つにしているダンスチームもあります。
僕とY君がコピーしようとしているチームTETSUOの使っている曲も、1分半ぐらいの長さです。
絶対に編集してあるに違いありません。
それに、そもそも曲名が分かりませんでした。
僕はY君に聞いてみました。
Y君の下準備
僕:「振りはガンバって覚えるとして、曲の方はどうする?このチームが使っている曲名を、どうやって調べるようか?」
するとY君は、ニヤニヤしながら自分の机の中からCDを1枚取り出しました。
Y君:「実は俺、調べたんですよ!これです!」
僕:「おぉ!!マジで!!仕事が早い!!」
CDのケースには、スーパーマリオとサブキャラ達が絵が描かれていました。
僕:「へぇ~!スーパーマリオ・コンパクトディスコって言うのか!このアルバムは、全部スーパーマリオのアレンジ曲だけが入ってるってこと?」
Y君:「はい、そうです!他の曲もカッコいいですよ!」
僕:「これは気になる!後はどうやって編集するかだな・・・」
するとY君は、またニヤニヤしながら、机の中からCD-Rを取り出しました。
Y君:「これを聞いてみてください。」
僕:「え?まさか・・・」
Y君はそのCDをプレーヤーに入れて、再生ボタンを押しました。
音が流れ始めると・・・
僕:「あっ!!一緒だ!!まったく同じだ!」
Y君:「へへぇ~!」
CDに入っている曲は、TETSUOのチームが使っている曲とまったく同じでした。
あり得ません!
僕は驚いてY君に聞きました。
僕:「これ、どうやって作ったの?」
Y君:「自分で編集しました。」
僕:「えー!そんなことできるの??」
Y君:「はい、親のパソコンを借りて、手作業で音データを切り貼りしたんですよ。」
僕:「スゲー!!そんな設備とスキルがあるのか!」
Y君:「まあ、そんなにたいしたことやってませんよ。ただ音を聞きながら、勘でボタンを押してカットしただなんで。」
僕:「でも、これカンペキじゃん!」
Y君:「うまくいきました。」
僕:「スゴいな-!このCDがあれば、もういきなり練習始められるじゃん!」
Y君:「そうなんです!いつか自分で踊れるようになりたいと思って、曲だけ最初に用意しておいたんです。
ちなみに、そのCDはコピーなんで、新村さんそのまま持って帰っていいですよ。」
僕:「えー!そうなの?いいの?」
Y君:「新村さんのために用意したんで。あ、あと、このビデオもコピーしてあります。はい、どうぞ!」
僕:「おぉ!!ありがとう!!なんて準備がいいんだ!!じゃあ、さっそく今日から練習開始できちゃうね!」
Y君:「できちゃいますね!」
僕:「よし!じゃあ、これからお互いにビデオを見ながら個人練習して、週1で会ってタイミングを合わせる練習しよう!」
Y君:「やりましょう!」
盛り上がっている間に、外はすっかり暗くなっていました。
僕とY君は、テンションMAXで解散しました。
僕は帰ってからも、何度もビデオを見返しました。
何度見てもカッコいい!!
その日の夜は、興奮してなかなか寝付けませんでした。
・・・つづく。
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