From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※僕が24才の時にHIPHOPダンススクールに通い始めた頃の体験談の続きです。
夏祭りの発表会を経験したことで、僕はダンスに対する情熱がモーレツに燃え上がりました。
僕と共演したY君も、やる気がさらにアップした様子でした。
ちょうどその頃から、日本全体のHIPHOPダンス熱も上がってきて、全国にHIPHOPダンスを教えるスクールが増えてきたようでした。
・以前からあったジャズダンスや社交ダンスなどを教えるスクールが、新しくHIPHOPクラスを開設するケース。
・HIPHOPスクールとして、新しくスクールを開設するケース。
どちらのケースも増えてきました。
そんな流れを受けて、僕が通うスクールでも、オーナーが初めて「市民ホールでの発表会」にHIPHOPチームを実験的に出場させることを決めました。
巨大な市民ホール
三島の市民ホールは、プロの演劇やコンサートなどが開かれる場所です。
舞台照明や音響設備もしっかりしていて、超本格的なステージです。
僕も学生の頃、たしか学校の演劇鑑賞か何かで市民ホールに行ったことがありました。
市民ホールはかなり巨大な施設で、小ホールから大ホールまでいくつかあって、大ホールになると2階席まであります。
僕が通うダンススクールでは、毎年1回、300人ぐらいのお客さんが入る大きさのホールを借り切って、ジャズダンスやバレエの発表会をやっていました。
今年もジャズダンスとバレエがメインですが、おまけとしてHIPHOPダンスチームの発表を入れることにしたのです。
もちろん扱いは小さくて、「ジャズとバレエのつなぎ役」のような位置づけでした。
でも、これまで夏祭りでしか踊ってこなかったHIPHOPクラスの生徒たちにとっては、このチャンスはとても大きな魅力です。
大きなホールでスポットライトを浴びて、お客さんは全員席についてこちらを見ている環境の中、HIPHOPダンスを踊るというのは、とても良い経験になるに違いありません。
スポットライトを浴びる栄光
・夏祭りのアスファルトの上で踊る
↓↓↓
・ステージ上でスポットライトを浴びながら踊る
という流れは、実はある有名なダンス映画の中でも描かれていました。
僕が以前に見て衝撃を受けたダンス映画「ブレイクダンス」の中でも、実は同じようなストーリーになっていたのです。
この映画は、SMAPのTV番組でキムタクと香取君がモノマネをして人気になっていたので、知っている人も多いと思います。
ブレイクダンスの映画のざっくりしたストーリーは、こんな感じです。
↓↓↓
・主人公の若い黒人男性2人、ターボ&オゾーンは、ストリートダンスの達人。スラム街で生まれ育ったので学歴やお金はないけど、ダンスのスキルは超一流。
・主人公2人と出会って意気投合する白人女性ケリーは、ジャズダンスでプロを目指している。アルバイトをしながらダンススクールに通う日々を送る。
ある日ケリーは、ターボ&オゾーンのストリートダンスを見て衝撃を受けます。
「なぜこんなにスゴいダンスが、表舞台で脚光を浴びないのか?」
不思議に思うのです。そしてケリーは、ターボ&オゾーンと仲間になって、一緒に練習し始めます。
ところが、当時のアメリカでは、今より人種差別が強い風潮がありました。
黒人のターボ&オゾーンは、ケリーの仲間の白人ダンサーから差別されてバカにされます。
「黒人達のストリートダンスなんて、ただの遊びだ」
と言われて怒るターボ&オゾーン。
友達のダンスを仲間にバカにされて怒るケリー。
当時は、
・白人のダンス=芸術
・黒人のダンス=遊び
というようなレッテルがあったのです。
そこでケリーは、保守的なダンス業界に革命を起こすべく、ターボ&オゾーンと手を組みます。
3人で一緒に猛練習をして、ジャズダンスとストリートダンスを融合させた振りを開発します。
そしてついに3人は、舞台オーディションに受かります。
3人で大舞台でスポットライトを浴びて、生き生き踊るシーンで終わります。
というのが、映画「ブレイクダンス」のざっくりしたストーリーです。
「アスファルトの上から、スポットライトの当たるステージ上へ」
という流れを通じて、アメリカの人種差別に一石を投じるメッセージが、この映画の特徴です。
映画のストーリーが現実に!
僕らの通うHIPHOPダンスクラスも、今まではアスファルトの上が発表の場でしたが、いよいよステージ上で脚光を浴びる時が来たのです!
でも、実はこの後すぐにHIPHOPクラスに前代未聞の大波乱が訪れることになるとは、誰も予想していませんでした・・・
・・・つづく。
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