【僕が「習い事」に感じた夢と希望:ダンス編52】

 
From  師範代Shinya(新村真也)
 
(→前回のつづき)
 
 
※僕が24才の時にHIPHOPダンススクールに通い始めた頃の体験談の続きです。
 
 
いよいよ、リハーサルの順番がやってきました。
 
 
ステージに上がると、その広さに驚きました!
 
 
客席から見ているより、ずっと広く感じます。
 
 
特に奥行きが広く感じました。
 
 
これだけ広いと、自分がどこに立っているのか?がよく分かりません。
 
 
そのため、舞台の中央エリアの床には、グレーのガムテープでバッテン印を貼ってありました。
 
 
たしかに、ここがセンターだと分かれば、一番真ん中の人がそこに立てばいいことになります。
 
 
真ん中の人が決まれば、後は自然に他のメンバーの立ち位置も決まります。
 
 

初めてのスポットライト

 
いつもの立ち位置につくと、H先生が舞台スタッフに合図をしました。
 
 
H先生:「お願いしまーす!」
 
 
スタッフ:「はい!」
 
 
パッと目の前がまぶしくなりました。
 
 
最初は何が起こったのか分からないほど、視界がギラギラしました。
 
 
どうやら、僕ら全員にスポットライトが当たっているようです。
 
 
「うぉっ!スポットライトを浴びるのって、こんな感覚なのか!思ったよりずっとまぶしい!」
 
 
僕は驚きました。
 
 
まぶしさに適応するために、目の瞳孔が絞られるようで、目の前数メートルぐらいの光が当たっているところまでしか見えません。
 
 
さっきまで薄暗く見えていた客席が、まったく見えなくなりました。
 
 
最前列の席すら見えないぐらいなので、本番で観客の反応を知ることができるのは、拍手などの音だけです。
 
 
観客の顔が見えないことは、逆に緊張しなくて良いかもしれません。
 
 

ステージに立つ大変さ

 
ステージ上でスポットライトを浴びるのは、客席からはきらびやかに見えます。
 
 
でも、実際に当たる側になってみると、思った以上に大変なことが分かりました。
 
 
あまりにまぶしすぎて、舞台の切れ目すらよく見えません。
 
 
たまに、ミュージシャンや役者が公演の最中に舞台から落ちて骨折するニュースを耳にします。
 
 
僕はてっきり「演技に没頭しすぎて足下を見ていなかったんだろう」と思っていました。
 
 
でも今回、自分がスポットライトを浴びてみて、「そうだったのか!こりゃ落ちるわ!」と気付きました。
 
 
ステージと客席の境界線すら見えないほどまぶしければ、みんな落ちるに決まっています。
 
 
よくミュージシャンがステージギリギリまで歩いていって、「みんな元気か~い?」みたいに手を振るシーンがあります。
 
 
ファンはみんな「近くまで来てくれた!」と喜びます
 
 
あのサービス行為は、実はかなり危険を伴うことが分かりました。
 
 
あんなことをしてもステージから落ちない人はきっと、身体で距離感を覚えるまで何度もリハーサルをしているに違いありません。
 
 
そしてベテランでも、慣れない場所ではステージから落ちることはあると思います。
 
 
ステージに立つのは、かなりの危険が伴うことが分かりました。
 
 
 

スポットライトは熱い

 
さらに、気付いたことがあります。
 
 
スポットライトが当たっている場所がだんだん熱くなってくるのです!
 
 
特に顔の表面がビリビリと熱を感じます。
 
 
まるで、真夏の直射日光が当たっているかのようです。
 
 
服を着ている身体も、けっこう熱を感じます。
 
 
こんな状態で踊ったら、汗だくになることは間違いありません!
 
 
スタッフ:「では!音楽スタートしまーす!」
 
 
かけ声と同時に、爆音が鳴り響きました。
 
 
僕はステージの迫力に圧倒されながら、必死で動き始めました。
 
 
何度も練習してきた振りですが、まったく違って感じました。
 
 
スタジオで練習している時とは、心身の状態が違います。
 
 
広いステージ上で、自分がすごく小さく感じました。
 
 
H先生:「みんなもっと大きく動いて!手足をしっかり伸ばして!」
 
 
H先生の大きな声が、目の前から聞こえました。
 
 
姿は見えません。おそらくステージのすぐ下の最前列にいるんだと思います。
 
 
でも、心の余裕がないので、身体全体が重く感じます。
 
 
「ぬぉ~!身体が・・・動かねぇ・・・」
 
 
実際には動いているはずですが、僕の感覚としてはとても重く、あまり動いていない感じがしました。
 
 
ステージ上と普段の練習とのあまりの違いに、驚きました。
 
 
 
・・・つづく。
 
 
 
 
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