【僕が「習い事」に感じた夢と希望:ダンス編83】

 
From  師範代Shinya(新村真也)
 
(→前回のつづき)
 

※僕が24才の時に始めたHIPHOPダンスで、初めて東京のダンス大会に出場した時の体験談の続きです。

控室で、他の出場チームのちょっとしたウォーミングアップの動きを見て、僕とY君&O君は、目が点になってしました。

「レベルが違い過ぎる」

というのが、正直な感想でした。

1年ほど本気でやってきたからこそ、ちょっとした動きからも相手のスゴさが分かりました。

そして、さらに驚くことが待っていました。

 

場当たり

しばらくすると、控室にスタッフの人がやって来て、言いました。

「皆さん、おはようございます!今から場当たりをしますので、貴重品は身に付けた状態で、会場まで来てください。」

僕らは控室から出て、スタッフの人に続いてゾロゾロと移動しました。

ダンスや演劇の世界には、「場当たり」と呼ばれる時間があります。

演者の立ち位置、照明や音響のきっかけなど、全体的な流れをチェックする作業です。

舞台全体の進行が目的のため、演者はフルに演技することはありません。時間は短めで、軽く流す感じです。

会場には、司会の人が2人いて、マイクのチェックをしていました。

 

司会の2人組

30代ぐらいの男性2人組で、テンション高めでノリが良くて、お笑いコンビみたいなしゃべり方です。

見た目は、二人ともヒゲを伸ばしていて、服装はダボッとしたオーバーサイズの上下にキャップをかぶっていて、いかにもHIPHOPっぽい雰囲気です。

2人の体型は片方はやせ型で、もう片方はぽっちゃり型なので、そのあたりもお笑いコンビっぽい雰囲気が漂っています。

場当たりでちょっと流している今でも、声がよく通ります。

しゃべりもすごく流暢で滑舌が良いので、おそらく本物のお笑い芸人、もしくはプロの司会者だと思います。

僕は演技の学校に通っていたので、そんな部分ばかり気になってしまいました。

(この時点では、僕は数年後、自分自身もHIPHOPダンスイベントの司会を仕事としてやる日が来るとは、夢にも思っていませんでした。

今思い返すと、この時の2人の司会進行のやり方や、会場のお客さんの盛り上げ方を間近で見れたことが、その後自分の司会スタイルを作る時に役立ちました。

いつどこで、どんな経験が役立つ日が来るか、分からないものです。)

 

場当たりスタート!

しばらくすると、曲を流してちょっとだけ動く練習が始まりました。

各チームがステージに出て、最初の30秒ぐらいの動きをする、という流れです。

ステージと言っても、何か台のようなものが設置してあるわけではなく、ただ床にテープを貼って「ここまでがステージゾーンですよ」というスペースを確保してあるだけです。

でも、広さは十分にあるので、かなりダイナミックな動きもできます。

場当たりでは、この7ステップを確認しました。

①ダンスチームが先にステージゾーンに出て行く。

↓↓↓

②MCの2人がチーム紹介をしながら、チーム名の発音がちゃんと合っているかどうか確認した後、「それでは始めましょう!」の合図を出す。

↓↓↓

③音響さんが音楽をスタートする。

↓↓↓

④ダンスチームが踊り出す。

↓↓↓

⑤30秒ぐらい音を流したら、中断する。

↓↓↓

⑥司会の2人が、チームに対して感想やねぎらいの言葉をかける。

↓↓↓

⑦チームが退場し、次のチームがすぐに出て行く。

この一連の流れを、サクサクと進めていく流れです。

この場当たりダンスは、軽く流すだけなので、みんな本気は出さないでしょう。

しかも、時間はわずか30秒しかありません。

でも、各チームの実力を見るのには十分な時間です。

控室の動きだけであれだけキレがあるということは、場当たりの動きはもっとスゴいでしょう。

もう、僕らはこの時点で「この大会で優勝しよう」なんて気持ちは1ミリもなくなっていました。

ただ、怖い物見たさで好奇心がムクムクとわき上がってきました。

僕らは、ドキドキしながら最初のチームの場当たりを見つめました。

・・・つづく。

 


 

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