from 師範代Shinya
(→前回のつづき)(→この記事のシリーズを1話目から読む)
最初はカジュアルな英語にしか興味がなかった僕が、フォーマルなニュース英語や学術英語に興味が出るようになったのには、きっかけがありました。
それは、31才でカナダのバンクーバーにビジネス留学した頃のことでした。
この時点では、僕はビジネス英語までは勉強していましたが、まだニュース英語や学術英語などにはまったく興味がありませんでした。
「そもそも日本語ですら新聞を読まないのに、英字新聞なんて読む気になれない」
と思っていたからです。
現地のニュース番組が気になり始める
当時、僕は現地の夫婦の家でホームステイをしていたので、ホストマザーがいつもリビングでTVをつけていました。
時間帯によってドラマやニュースなど、違うチャンネルが流れていました。
僕はそれらのチャンネルをボーッと見ていて、一番興味が引かれたのが、実はニュース番組でした。
というのも、カナダのニュース番組では日本と同じように、天気予報や事件の報道がメインです。
バンクーバーは雨や雪が降りやすいので、常に明日の天気が気になります。
さらに、今、自分が住んでいるこの街で、何が起こっているのか?
こんなに治安が良く見える街でも、犯罪は起こっているはずです。
もし起こっているとしたら、どんな種類なんだろう?
自分が犯罪に巻き込まれないためには、何に気をつければいいのか?
などなど、気になることがたくさん出てきたのです。
興味が出ると、上達する
人間の脳は不思議なもので、「自分には関係ない」と思っていることに関しては、まったく興味がわかず、記憶力も発揮されません。
でも、1度「自分ごと」として捉えると、急に面白く感じ始めます。
そして、集中力と記憶力が発揮されます。
僕は、他のどのTV番組よりも、ニュース番組が聞き取れて、楽しく感じられるようになりました。
バンクーバーはすごく発展している都市ですが、面積としては小さな街なので、「この小さな街の中で起こっている出来事」は身近に感じられました。
日本にいる時にアメリカやカナダのニュースを聞いても、「遠い異国の出来事」としてしか捉えられませんでしたが、自分がカナダにいたら、感覚が180度変わることが分かりました。
また、ニュース英語は決して「日常会話とは関係のない、フォーマルな別世界の言語」ではなく、日常生活に密着した英語であることが肌で実感できました。
ニュースで聞いた情報を元に、家族や友達、同僚などと会話になることが多いからです。
駅前で配られる無料の新聞
そして、僕がカナダ滞在最後の3ヶ月目に入った頃、さらに大きな変化がありました。
それは、現地の企業でインターン生として働き始めたことです。
それまでは、語学学校でビジネス文化を学ぶコースに通っていたので、ダウンタウンの中にある学校にバスで通っていました。
その後、採用試験に受かった企業で働くようになったことで、目的地がが大きく変わりました。
「スカイトレイン」と呼ばれるモノレールに乗って、ビジネス街まで行くようになりました。
スカイトレインの駅前では、毎日のように無料の新聞が配られていました。
おそらく、新聞勧誘の一種だと思います。
まずは無料で新聞を読むクセをつけてもらって、「もっと知りたい!」と思うようになったら、定期購読してもらう、という流れです。
せっかく無料でもらえるなら・・・ということで、僕は毎日新聞を受け取って、スカイトレインの中で読みました。
初めての英字新聞は、思った以上にハードルが高く感じられました。
ニュース番組でレポーターがしゃべっている英語とも違う、なんだか不思議な書き方なのです。
特に、タイトルが読めずに、困りました。
写真はすごく気になって、記事の中身を読み進めたくなるのですが、タイトルが読めず、中身の理解度も今ひとつなので、内容が分かりません。
興味があるのに、読めないくやしさを味わいました。
僕はこの時をきっかけに、「英字新聞が読めるようになりたい!」と切実に思うようになりました。
・・・つづく。(→この記事のシリーズを1話目から読む)
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