from 師範代Shinya
毎年3~4月頃になると新型が売り場に出揃うので、その時期にチェックに行っていました。
実は今年も3月にチェックに行ったのですが、その時にはまだ売り場に新型が出ていなくて、パンフレットすら置いてない状態でした。
売り場に店員さんもいなかったので、あきらめてそのまま帰ってきました。
この時点で何となく「メーカーも販売店側も、あんまり気合いが入っていないのかなぁ~」とうっすら感じていました。
そして先日、ついに売り場に新型が出ていたので、ヤマダ電機で実機を触りながら店員さんとお話しして、パンフレットももらってきました。
僕は電子辞書が大好きで思い入れがあるのですが、現実をありのままお伝えします。
売り場が縮小&専属の店員さんもいなくなった
今年は電子辞書売り場が縮小され、場所も移動していました。
去年までは「デジタルカメラ売り場」と共に電子辞書も2階に置いてありました。
でも今年は、デジタルカメラ売り場が5階に移動して、電子辞書売り場は最上階の6階に追いやられていました。
こういう店舗では、上の階に行くほどお客さんの数が減っていきます。
ニッチなジャンルの商品は「目的買い」が多いので、上の階にあってもお客さんは来ます。
でも、母数は少ないです。
ちなみに最上階のメインは、時計売り場とメガネ売り場です。
ついに電子辞書も、ヤマダ電機の中では同じニッチなカテゴリーに属してしまったようです。
デジタルカメラもスマホに市場を奪われて年々縮小していますが、電子辞書も同じ運命をたどっています。
そこに合わせて、人員削減もされたようです。
去年までは、いつも電子辞書売り場付近に店員さんが1人立っていて、僕が売り場に行くと必ず声をかけてきました。
かなり知識が豊富だったので、おそらく「電子辞書売り場の担当者」という立場だったと思われます。
でも、今年はその店員さんがいませんでした。
売り場の移動と、人員削減。
この2つを見たことで、僕は改めて電子辞書の市場が縮小していることを実感しました。
新型はカシオのみ
一応、僕が売り場に行ったら、いつもとは違う店員さんが話しかけてきました。
どうやら専属ではないらいのですが、メーカーの事情などには詳しいに違いないと思い、色々と質問してみました。
その結果、衝撃的なことが分かりました。
今年、新型が出ているのはカシオのみだそうです。
つまり、シャープは新型を出していないのです!
これまでシャープは、毎年新型を出してきました。
正直、機能も収録辞書もほとんど差がなく、デザインが少し変わったぐらいだったのですが、それでも毎年新しいモデルを出すことでモチベーションは感じられました。
でもついに!!今年はシャープが新型を出さなかったのです。
代わりにカシオが、2年ぶり(大人向けは3年ぶり)にモデルチェンジして新型を出しました。
もしかして今後は、カシオとシャープは交代で1年おきに新型を出す協定を秘密裏に結んだのでは?と勝手に想像してしまいました。
新型の機能追加はなし
そして、3年ぶりにモデルチェンジした新型も、ハード面では進化なしのようです。
僕も実際に実機を触りながら色々操作して旧型と新型を比べてみましたが、違いは見付けられませんでした。
ボタン配置などもまったく変わっていません。
念のため店員さんに確認したところ、
「正直、ハードの違いはありません。」
と言っていました。
そこで僕は、
「ソフト面で進化はありますか?」
と聞いてみました。すると、衝撃の答えが返ってきました。
店員さん:「変わった部分は、ジーニアスの英和辞典が新しい第6版になったことだけです。」
僕:「え?!それだけですか?」
店員さん:「そうなんです。そこに価値を感じて高い金額を出す人は正直、少ないと思います。個人的には、在庫処分の旧型をオススメします。価格はだいぶ安いですし。」
僕:「そうですか・・・もう電子辞書はこれ以上進化の余地がないんでしょうかね?」
店員さん:「そうですね・・・かなりニッチな商品なので、本当に必要な人しか買わないジャンルになっていますので。」
僕:「ズバリ、店員さんの目から見て、電子辞書は近い将来なくなってしまうと思いますか?」
店員さん:「そうですね・・・完全になくなるとは思いません。こういうジャンルの電化製品は、需要が少なくても固定ファンは常にいるので、完全に市場がなくなってしまうケースはあまりないんですよ。」
僕:「そうですか。カメラと似ていますかね?」
店員さん:「そうですね。デジタルカメラと似ていると思います。どんなにスマホが普及しても、カメラを使って写真を撮りたい人たちは一定数いますからね。電子辞書も、スマホにはない専用機としての魅力があります。」
僕:「店員さんから見て、電子辞書の一番の魅力はどこにありますか?」
店員さん:「やはり、他のことができない、ということが一番の魅力だと思います。スマホだとLINEの着信とか、気が散る要素がたくさんありますが、電子辞書は勉強だけに専念できますからね。」
僕:「やはり、そこが魅力になりますか!」
店員さん:「ですね。カメラも電子辞書も、『それしかできない』ことに魅力を感じる人たちから支えられ続けると、僕は思っています。」
僕:「僕もそう思います!」
僕はこの会話を通して、電子辞書の現状を知ることができました。
と同時に、電化製品のプロの目から見て、まだ希望があることも感じました。
僕も電子辞書マニアの一人として、次回の記事では、パンフレットのデータを元に、詳しく比較していきたいと思います。
・・・つづく。
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