
from 師範代Shinya(英語学習のヒントをYouTubeでも発信中)
先日、オンライン英会話で、20代前半のアメリカ人男性の先生と話していました。
いつものようにフリートークで話しているうちに、アメリカの高校における人種差別や、いじめの話題になりました。
そこで僕も、自分が通っていた日本の高校について話してみることにしました。
僕は中学生の頃、勉強がかなり苦手でした。
その結果、荒れている高校に入学してしまいました。(入ってから気付きました)
そこには、人生に不満を抱えたヤンキー生徒たちがたくさんいて、校内では毎日のように殴り合いのケンカが起きていました。
今振り返ると、よく無事に3年間を過ごせたなと思います。
ケンカを避けるために武道を始めた
そんな環境に入った僕が最初に考えたのは、「どうすればケンカを売られずに済むか?」「どうしたら、争いから距離を置いて平和に暮らせるか?」ということでした。
僕はもともと身体が大きい方ではなく、見た目にも強そうなタイプではありません。
そこで僕は、剣道と空手を習い始めました。
そして、自分が武道を習っていることを周囲にさりげなく公表する作戦を立てました。
実際に相手を倒すためというよりも、「こいつにケンカを売ると面倒なことになるかもしれない」と思わせるためです。
これは、核兵器を保有することで、そもそも戦争を仕掛けられないようにする考え方と少し似ています。
武道の抑止力は、想像以上に効果がありました。
3年間の高校生活で、実際に僕が拳を使って戦わなければならなかったのは、たったの一度だけでした。
野獣がひしめく檻のような環境だったことを考えると、かなり少ない方だと思います。
相手が一番避けたい状況は何か?考える
ヤンキーたちの心理を考えた場合、彼らが一番避けたい状況は、
「自分より弱そうなやつをいじめようとしたら反撃を食らって、皆の前でやられて恥をかくこと」
です。
だから、「見た目が真面目そうで武道をやっているクラスメイト」は、できるだけ接触したくない存在なのです。
実際、レスリング部や柔道部などの格闘系のクラスメイトも、ヤンキーに絡まれていませんでした。
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ここまでの体験談は、過去にも僕はオンライン英会話で何度か話したことがあったので、比較的スムーズに英語で説明できました。
ところが、その先の話になると、急に言葉が出づらくなりました。
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ヤンキー社会で必要だった絶妙なバランス感覚
実際のケンカを何度も目の前で見るうちに、僕は彼らが何を一番大切にしているのかが分かってきました。
彼らの最優先事項は、「自分がなめられないこと」です。
言い換えれば、「自分のプライドを守ること」です。
その証拠に、ケンカが始まる時の常套句は、たいてい同じでした。
「なめてんのか」
「なめんなよ」
本当に、驚くほど頻繁にこの言葉が飛び交っていました。
彼らに対して、なめた態度を取るのは絶対にいけません。
ただし、怖がってへこへこした態度を見せるのも危険です。
弱いと思われると、つけ込まれてパシリにされる可能性があるからです。
自分がなめられないように堂々と振る舞いながら、相手のプライドも傷つけない。
この絶妙なバランス感覚が、高校生活を無事に乗り切るうえで、とても重要でした。
実際には、腕っ節の強さよりも、言葉や態度を使った心理戦の方が大切だったのです。
ここまでの話を、アメリカ人の先生に英語で伝えるのも、けっこう苦労しました。
でも、さらにそこから話が発展していって、こんなストーリーも伝える流れになりました。
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高校時代の経験が10年後に役立った
高校時代に身につけたこのバランス感覚は、約10年後に思わぬ形で役立ちました。
僕が20代半ばだった頃、当時趣味で通っていたHIPHOPダンススクールの仲間たちと、一緒にショッピングモールへよく行きました。ダンス仲間達は中高生が多く、不良キャラではなくても、エネルギーにあふれていました。
ある日、ゲームセンターエリアの近くを歩いていると、高校生ぐらいの、いかにもヤンキーっぽい服装と髪型をした2人が、たむろしていました。
その時、僕たちの仲間の一人だった高校生が、彼らにガンを飛ばしてしまいました。
(僕の仲間はヤンキーではないのですが、運動神経が良くて体力に自信があり、僕たちの人数が上回っていたので、つい出来心でふざけてしまったそうです)
本人はふざけているつもりだったようですが、相手から見れば、明らかにケンカを売られたように感じたのでしょう。
ヤンキーたちは僕たちに気付かれないように携帯で連絡を取り、仲間を集めました。
そんなことは知らずに、僕たちは店内で色んなお店をのんびり見ていたら、ゲームショップの中で、いつの間にか10人ほどのヤンキーに円陣で囲まれていたのです!
そして、彼らの中のリーダーっぽい少年が、大きな声で、
「なめてんのか!てめーら!ケンカ売ってんのか?」
と言いました。
僕が高校時代に、教室や廊下でさんざん聞いたセリフです。
その光景を見た瞬間、僕の頭には高校時代の記憶がよみがえりました。
背筋が凍るような感覚があり、心臓がバクバクして、内心ではかなりビビっていました。
ただし、その恐怖を表に出したら、相手はさらに強く出てくるかもしれません。
そこで僕は胸を張り、できるだけ落ち着いた口調でリーダー格の少年に話しかけました。
こちらの仲間が彼らのプライドを傷つけたことについて、きちんと謝罪しました。
同時に、必要以上にへりくだった態度は見せず、
「ここで乱闘したら、全員が警察に捕まって、すごく面倒なことになる。今あそこのカウンターで、店員が電話を片手に持っているだろう?これ以上はまずい。警察沙汰は君たちも望んでないだろう?」
というような内容を伝えました。
ガンを飛ばした仲間本人にも、その場で僕が強く叱った上で、相手に謝らせました。
「なんとか、これで許してやってくれないか?」
と、お願いしました。この時にも、あまり気弱な態度を見せると、「誠意を見せろ!」とか言われてお金をせびられる危険があるので、あくまで「対等な立場を守りつつ、謝っている感じ」を出しました。
すると、ヤンキーの中のリーダーが納得した表情を見せ、全員に目配せしました。
その直後、円陣で囲んでいた全員がスーッと引いていき、その場は無事に収まりました。
殴り合いになることもなく、警察を呼ばれることもなく、全員がそのまま無傷で帰ることができたのです。
高校時代に身につけた心理戦の感覚が、10年後に自分たちを救ってくれた出来事でした。
分かっているのに、英語では言えない
僕はここまでの出来事を、オンライン英会話の先生に伝えようとしました。
ところが、なかなかうまく表現できませんでした。
「なめる」は英語で何と言えばいいのか。
「プライドを守る」は、protect their prideで自然なのか。
「ケンカを売る」は、直訳だと sell a fight だけど、たぶん英語文化では違うだろうな。
start a fightなのか、pick a fightなのか。
「内心ではビビっていたけれど、堂々と振る舞った」は、どう組み立てれば伝わるのか。
日本語では自分の体験として細かく説明できるのに、英語になると急に言葉が詰まります。
英語学習を始めて20年以上が経ち、英検1級やTOEIC975点を取っていても、まだまだスムーズに話せないトピックはあります。
そもそも、今のような話題が英語テストに出てくることは絶対にないですからね。
これまで英語で話したことがないテーマでは、自分でも驚くほど言葉が出てきません。
知っている英語を使える英語に変える
レッスンが終わった後、言えなかった英語表現を改めて調べてみました。
すると、その中のいくつかは、自分がトレーニング用に音読している「日本語のように話せるキレッキレ英語」のテキストに入っていることに気づきました。
僕はすでに、その英文を何度か音読していたのです。
見れば思い出せる。
それでも実際の会話では、日本語の意味と英文が頭の中で結びつきませんでした。
テキストの日本語訳と、今回僕が伝えたかった日本語のニュアンスが少し違っていたこともあり、この場面で使える表現だと気づけなかったのです。
ちなみに、「なめる系」の表現は、こんな感じです。
↓↓↓
・You got a problem with me?
(なめてんのか?)
・Don’t mess with me.
(なめるな!)
どちらも「キレッキレ英語」のテキストに入っています。
例文はちょっと違う文脈なので、日本語訳は、「うざ絡み」と訳されていました。
とはいえ、すでに僕が知っている表現で言えたわけです。
僕は、改めてこのテキストの実用性を実感すると同時に、まだ自分の音読回数が足りないことも痛感しました。
知らない表現は、当然ながら口から出てきません。
ただし、見たことがある表現でも、スキルにまで落とし込めていなければ、とっさには出てきません。
そして、英語を知識からスキルへ変えるために欠かせないのが、「繰り返しの音読」です。
英文を何度も声に出し、意味と感情を乗せながら練習することで、少しずつ必要な場面で使える英語に変わっていきます。
今回うまく話せなかったことも、僕にとっては新しいトレーニング材料になりました。
英語は、あるレベルに到達したら完成するものではありません。
長く続けていても、言えないことは次々に出てきます。
でも、そのたびに調べて、音読して、自分の英語に取り込んでいけばいいのです。
僕自身も、まだまだその繰り返しの途中です。
自分の英語が完璧だと感じる日は、おそらく来ないでしょう。
1つのジャンルの話題でスムーズに話せるようになっても、また次のジャンルでは初めて英語化する経験をすることになるからです。
でも、だからこそ、英語学習は奥深く、やりがいを感じます。
そんなことを実感した体験でした。
P.S.今回の僕のように、
「知っている英語なのに、実際の会話になると出てこない」
という経験をしたことがある方は多いと思います。
オンライン英会話では、テキストを見ながら英語を考える時とは違って、その場で瞬時に言葉を出さなければなりません。
だからこそ、覚えた英語を実戦で使えるようにするためのトレーニングが必要です。
僕が実際のオンライン英会話で使っている「ピンチの切り抜け方」や、覚えたフレーズをとっさに口から出せるようにするトレーニング法は、こちらの動画セミナーで詳しく解説しています。
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オンライン英会話で、
「言いたいことが出てこなくて固まってしまう」
「もっと自信を持って会話を続けられるようになりたい」
という方は、ぜひ参考にしてみてください。
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