from 師範代Shinya
(→前回のつづき)(→この記事のシリーズを1話目から読む)
前回の記事では、最新の脳の研究データから、「記憶力に年齢は関係ない」という事実をお伝えしました。
それでも、若い頃と比べて今の方が記憶力が衰えていると感じる理由は3つ、
理由①=大人の方が記憶のストック量が多いので、引き出すのに時間がかかる。
理由②=子供時代に比べて、大人の1年の時間感覚は短い。
理由③=大人になると、新しく学んだことを周りの人達にシェアして反復する機会が少ない。
ということです。
これだけ変化しているのに、学生時代と同じ勉強法を再び繰り返しても、うまく行く確率は低いでしょう。
でも、逆にこの変化を利用することで、大人の英単語学習を成功させることができます。
まず最初に、学生時代の「あるある英単語学習法」と、大人になってからそれが使いづらい理由を考えてみましょう。
学生時代の、あるある英単語学習法
学生の英単語勉強法と言えば、代表的なのは「短冊」ではないんでしょうか?
リングにまとめられた短冊の片面に英単語を書いて、裏面に日本語訳を書く、というスタイルです。
今では紙の短冊ではなく、スマホアプリを使って英単語を勉強する高校生が増えているようです。
ツールが変わっても、やっていることは昔と同じです。
英単語→日本語訳
という順番で意味が思い出せるように、短期間で大量に英単語を覚えていきます。
この方法は、短期間でテスト対策をするのには向いています。
テスト上では、英単語の日本語訳を覚えていれば、正解を選べることが多いです。
学生の目的は、紙のテスト上で目標点数を取ることです。
「見たときに、とりあえず意味が分かる英単語」
を大量に短期記憶にストックして、テストを乗り切ったらキレイさっぱり忘れてOK!
というスタイルとしては、この暗記法がベストでしょう。
でも、大人のやり直し英語では、あまりこの方法は使えないことが多いです。
大人が英語を学ぶ目的
大人になってから英語を学ぶ目的は、
・外国人との英会話を楽しみたい
・英語で情報が取れるようになりたい
・仕事で英語を使いたい
といったケースが多いです。
つまり、学生時代のように「一時的に大量に英単語を覚えれらればそれで良し!」というわけではなく、「長期的に会話の中で使い続けられる英単語力」が欲しいわけです。
英語を聞いたとき&自分が英語をしゃべろうと思った時に、瞬間的に思い出して、使える英単語の数を増やしたいのです。
となると、学生時代とは目的が変わってきます。
もちろん、人によっては「昇進のために、会社に課せられたTOEICの目標点数だけを、手っ取り早く取れたらそれでOK!」というケースもあるでしょう。
その場合でも、TOEICで良い点数を取った後は、周りから「英語がデキる人」というイメージが刷り込まれます。
その結果、いざ英語が必要!という時に、緊急でその仕事が自分のところに回ってきたりする確率が高くなります。
僕が以前、大手英会話スクールでTOEICスコア対策コースを担当していたときにも、「TOEICの点数だけ上がれば、それでいい。英会話は必要ない」という人がたくさん来ました。
でも、実際にTOEICで点数をアップした後、8割以上の人達は、英会話レッスンにシフトしていきました。
大人が英会話で使える単語力を身に付けるための3つのコツ
大人が英会話で使える英単語力を身に付けるためには、次の3つのコツがあります。
①記憶のストック量の多さを利用して、「人生経験&今持っている知識」にからめて英単語を覚える。
②1日の中のすきま時間に、英語学習を組み込む。
③飽きずに反復練習を続ける仕組みを整える。
この3つが成功すれば、確実に英単語を増やせます。
次回は、この3つのコツを使った英単語の増やし方を解説します。
・・・つづく。(→この記事のシリーズを1話目から読む)
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