【「文法教材」を選ぶコツ】

From  師範代Shinya(新村真也)
 
 
(→前回のつづき)
 
 
英語教材を選ぶときには、魅力的なタイトルに釣られてしまうと、自分に合わない教材や、イマイチなクオリティーの教材を選んでしまいがちです。
 
 
僕の今までの経験上、「タイトルのアピール力」と「実際の教材の中身」は必ずしも比例しません。むしろ、反比例することが多い印象があります。
 
 
前回までは、TOEIC対策本の選び方のコツをお伝えしてきました。
 
 
今回は、文法を学ぶ用の教材の選び方をお伝えします。
 
 

TOEIC教材と文法教材は、選ぶ基準が違う

 
文法を教える本と、TOEIC対策を教える本では、性質が全く違います。
 
 
TOEICの本テストは、定期的に改訂されます。
 
 
改訂される度に、「今流行っている小手先の対策」が通用しなくなるようにTOEIC協会がテストを作り替えてきます。
 
 
すると今度は、またその対策を研究した人が本を出す・・・という感じで、「いたちごっこ」みたいな雰囲気です。
 
 
TOEICは、表面的な大改訂を10年に一度くらいのペースで行います。
 
 
でも、その間にも実は「マイナーチェンジ」が繰り返されています。
 
 
たとえば、出題されるボキャブラリーレベルが少しずつ上がってきたり、今までに見かけなかった「難問」が増えたりします。
 
 
そういったマイナーチェンジは、常にTOEICを受け続けている「受験のプロ」しか見抜けません。
 
 
そういった点で、TOEIC対策本の価値は、
 
 
「いかに新しい情報を盛り込んであるか?」
 
 
も重要なポイントになっています。
 
 
ところが、TOEIC対策本を出版している「先生」たちの中には、定期的にTOEICを受けていない人もいます。
 
昔取った990点満点をベースに、当時使っていた受験テクニックを堂々と書いている人もいるのが現状です。もちろん、そのテクニックは、今では通用しないことが多いです。
 
 
そして、そういう先生たちの書いた模試は、やたら難しいものが多く、本番では絶対に出ないような難易度の高さの問題をたくさん見かけます。
 
 
こういう本をやっても、ただ自信をなくすだけで、モチベーションは落ちるばかりです。
 
 
そういった本は、TOEIC900点ホルダーの人が見ればすぐに見抜けますが、初心者~中級者のうちは見抜けません。
 
 
だからこそ、TOEICの対策本を選ぶときには、タイトルよりも、
 
 
「誰が書いた本か?」
 
 
が一番大事になるのです。
 
 
専門家の中でも特に人気の高い有名な先生は、必ず毎回TOEICを受験して、最新の出題傾向をつかんで、それを著作に詰め込んでいます。
 
 
なので、基本的には著者で絞り込めば、どのタイトルの本を選んでも大きな間違いはありません。
 
 
 

文法は違う

 
対して、文法というのは、「トレンド」に左右されません。
 
 
「三単現のSのルールが、10年後になくなる」
 
 
なんてことが起こる確率は限りなく低いでしょう。
 
 
なので、本自体の「鮮度」は、クオリティーにあまり影響しません。
 
 
文法用の教材を選ぶときには、「目新しいもの」を選ぶよりも、「ロングセラー」の本を選んだ方が、成功する確率がアップします。
 
 
そして、ロングセラーの本以外を選ぶときには、TOEIC教材と同じように「誰が書いた本か?」が大事になってきます。
 
 
 

あなたはどのタイプ?

 
文法の教材を選ぶときの基準は、あなたの性格がどのタイプか?によって、変わってきます。
 
 
もしあなたが、「コツコツ勉強するのが苦にならないタイプ」で、大学受験の時にも英語に特に苦労しなかったなら、昔からあるロングセラーの文法書を教材にするのがオススメです。
 
 
でも、もしあなたが、「机に向かって勉強するのは大嫌いなタイプ」で、ルールの丸暗記のような作業に苦痛を感じるなら、ロングセラーの文法書は向きません。
 
それよりも、「イメージ英文法」を使って、ビジュアルやイメージで文法を覚えていくコンセプトの教材を使った方が楽しく続けやすくなります。
 
 
また、もしあなたが「漢字ばかりの並ぶ文法用語を見ていると、眠くなる。どうせなら、英語で英語を学びたい!」というタイプなら、「カンタンな英語で文法を分かりやすく解説してある教材」を使うと、モチベーションを保ちやすくなります。
 
 
次回は、それぞれのタイプの中でオススメの文法学習用教材をご紹介します。
 
 
・・・つづく。
 
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