From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※僕がジーンズショップで働いていた頃、英語学習を始める前に初めて外国人と英語で話した時のエピソードの続きです。
背の高いムキムキ筋肉マンに突然英語で話しかけられたものの、まったく答えられなかった僕を見て、
そのムキムキ筋肉マンは、「こいつはダメだな・・・」というあきらめの表情で去って行きました。
僕は、かなり落胆していました。
その後、米軍兵士たちがゾロゾロと店内商品のTシャツやジーンズを持ってレジカウンターにやって来ました。
僕はまた話しかけられるのではないか?と思い、心臓が飛び出しそうになるほどドキドキしながら、レジを打ちました。
僕:「Tシャツが1点、ジーンズが1点、以上で○○円になります。」
(もちろん、日本語で話しました。)
相手:「・・・・」
(無言でお金を出してきました)
僕:「○○円お預かりします。○○円のお返しになります。お確かめくださいませ。」
(あ~、なんか俺、いつものセリフを言ってるけど、たぶんまったく通じてないんだろうなぁ・・・)
すると、次の瞬間、驚くことが起こりました!
相手は僕の目をまっすぐ見ると、大きな声と、とびきりの笑顔でこう言いました。
相手:「Thank you! ○○○!」
僕は驚きました!日本人相手の場合、お客さんが販売員の目を見て大きな声と大きな笑顔で「ありがとう!」と言われることはほとんどありません。
特に僕の職場のような、単価の低い商品を扱うお店では、お客さんの僕らに対する反応は、コンビニ店員さんに対する反応とそんなに変わりません。
もちろん、中には暖かい笑顔で「ありがとう!」と言ってくれる人もいました。そういう経験をすると、そのたったひと言で、その日1日が気分良く過ごせることがありました。
でも、今、目の前の米軍兵士が放った「Thank you!○○○!」は、今まで僕が経験したことのないぐらい、大きなエネルギーを感じました。(○○○の部分は、何て言ったのかまったく聞き取れませんでした)
そして、知らない人にこんなに笑顔を作れるものなのか!と驚くぐらい、顔をしわくちゃにして作ってくれた大きな笑顔でした。
それまでずっと日本の田舎のエリア内だけで生きてきて、外国人と向き合ったことすらなかった僕は、衝撃を受けました!
次から次へと!
それだけではありませんでした。レジには5人ぐらいの米軍兵士たち並んでいたのですが、全員、同じように大きな声と大きな笑顔で、
「Thank you!○○○!」
と言ってから去って行くのです!僕は、笑顔を返すだけで必死で、「Thank you!」の言葉すら出てきませんでした。
自分の口なのに、まるで凍り付いたように動かなくなっていました。
「Thank you!○○○!」の最後の○○○の部分は、今思えば、「Have a nice day!(良い1日を!)」という、英語圏では決まり文句のあいさつフレーズだったんだと思います。
でも、その時の僕の耳にはまったく聞き取れませんでした。
初めてのカルチャーショック
この時、僕は自分でも思った以上の衝撃を受けました。
・まったく聞き取れない英語
・これまで見たこともないぐらいムキムキ筋肉の男達
・コワモテの男達が最後に見せた、とびりきりの笑顔
これらを一度に経験して、僕の脳は混乱していました。
しばらくは、頭の中がボーッとしたような感覚でした。
くやしい気持ち
しばらくして頭が冷えてくると、こんどは言いようのない「くやしい気持ち」がこみ上げてきました。
あんなに大きな笑顔で「Thank you!」と言ってくれたのに、ひと言も返すことのできなかった自分に、ふがいなさを感じました。
あぁ、せめてひと言、英語で何か声をかけたかった・・・
次に彼らが来たときには、必ず「Thank you!」を大きな声で言うぞ!
と目標を立てました。
こんな感じで、僕の英会話初体験は、ボロボロでした。
・・・つづく。
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