From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
仕事上で英語を書く場合、メールでのやりとりが多いと思います。
その場合は「テンプレート集」をそのままコピーして部分的にアレンジした方が手っ取り早いです。
これは僕らも日本語でやっていることです。
最初のあいさつや結びの言葉を「定型文」としてパソコンに保存しておいて、コピペして使っています。
ビジネス上のやりとりの文章は、どれも似通っているものです。
仕事上では「相手に必要な情報を素早く正確に伝えること」が一番の優先順位になることが多いので、あまり凝った言い回しは必要ありません。
そのため、たとえ自分でゼロから英文を組み立てられる英語力を持った人でもテンプレートを使うのが普通です。
もし自分の職業ジャンルのテンプレート集が手に入らない場合は、先輩や上司が使っているテンプレートをもらって使わせてもらうのも良いと思います。
そんなに高い英語力は必要ない
僕が今まで出会った「日常的に英語でメールのやりとりをする人達」から聞いた話で共通していることがあります。
それは、「そんなに高い英語力がなくても日常業務はこなせる」ということです。
たとえば最近貿易事務の仕事をゲットした方からの報告は、こんな感じでした。
「私の英語力はまだまだ足りないと思っていたけど、実際に始めてみたらテンプレートを使えるから、そんなに高い文章力は必要ないって気付きました。
それに、やりとりする相手もネイティブじゃないことが多いし、向こうもけっこう間違った文法で書いてくることが多いから、ちょっと気が楽になりました。
この仕事をする前には、正しい英文を書けるようになっておかないとダメだ!と思ってたけど、実際に始めてみたら、優先順位が違うことが分かりました。
たとえつたない英語でも、ちゃんと相手の知りたいことを伝えることの方が大事だって気付きました。
それに、仕事をしながら新しい表現をどんどん学べるので、早めに転職して良かったです。」
これが現場の声です。
やりながら覚える
十分な英語力が整ってからその仕事を始めるのではなく、「やりながら覚える」ぐらいがちょうど良いと思います。
TOEICの長文問題に出てくるようなビジネス文書をゼロから自分で書き上げられるような英作文能力は必要ありません。
もし仮にあなたの仕事がすごい専門職で「海外向けの本や論文を完璧な文章で書かなければならない」という場合は、自分で書いた原稿をいきなり世に出すのではなく、「校正のプロのネイティブ」にチェックしてもらうはずです。
僕も自分の本「やり直し英語革命」を出した時には、僕の担当編集者さんが全文チェックして、さらにその後は校正のプロにチェックしてもらいました。
そこまで校正しても、出版後に一部日本語のミスが見つかりました。しかも英語ではなく日本語の部分です。
僕は本の出版を通して、「母国語の日本語でさえも、完璧な文法で誤字脱字なく書き上げるのは難しい」と気付きました。
何のために本を書くのか?
それでも読者に伝えたいメッセージがちゃんと伝わるのであれば、問題ないと思います。
僕が「やり直し英語革命」の本を書いた目的は、
・世の中にあふれる「ラクして英語ペラペラになる方法がある」という考え方が幻想であることを知ってもらうこと。
・英語力を上げるための確実な方法を知って「ブレない自分」になってもうらうこと。
・迷いが消えて「やるべきことがハッキリしている状態」になってもらうことで、英語トレーニングに集中できる環境を整えること。
この3点です。
そのための手段として、日本語で本を書いたわけです。
「僕の日本語力が完璧であることを世に見せつける」
ために本を書いたわけではありません。
これは英語で書く場合でも同じです。相手はあなたの伝える「メッセージ」を読みたいのです。
そのメッセージを伝わりやすくするために、正しい文法や英単語で書く必要がある、というだけです。
これは僕が本やブログを書きながら感じていることですが、「文法の完璧さを求めれば求めるほど、情熱は伝わりにくくなる」と感じます。
「この日本語の言い回しは変じゃないか?」
「この言い方は会話ではよく使われるけど、本来は文法的に間違いではないか?」
なんて考えながらブログ記事を書いていたら、いつまでたっても先へ進めません。
そしていつの間にか、情熱の伝わらない平坦な文章になってしまいます。
「相手にメッセージを伝えるために言葉を書く」という本質的な部分は、英語でも日本語でも変わらない気がします。
だからこそ、仕事で英語を書く場合は「やりながら覚える」ぐらいの姿勢がちょうど良いと思います。
・・・つづく。
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今回のシリーズもぼくにドンピシャな内容です!
ステキすぎます☆彡
なるほど。。。
何事も、まず始めて見て走りながら考える方がいいのでしょうね!
つづきを楽しみにしています!!