From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
今回は、付属の音声データについての詳しいレビューをお伝えします。
まず、このテキストにはCDは付いてません。
代わりに、音声データをダウンロードして使うスタイルです。
音声データは2つの使い方があります。
①パソコンにダウンロードしてMP3プレーヤーに入れて使う。
②テキストに印刷されているQRコードをスマホやタブレットのカメラで読み込ませて、そのまま再生する。
もし家の中でWi-Fiが飛んでいる環境でしか使わない場合は、②の方がお手軽です。
QRコードは各チャプターの最初のページに印刷されています。
チャプター1のページに印刷されているQRコードをスマホカメラで読み込ませると、すぐに音声の再生が始まります。
音声はチャプター1に収録されているすべての例文を読み上げてくれます。
音声の流れ
音声データは、次の3ステップで流れます。
ステップ①例文の日本語訳の読み上げ(日本人ナレーター)
ステップ②英文の読み上げ(ネイティブのナレーター)
ステップ③英文の読み上げ(②の音声小さいバージョン)
という流れです。
各ステップの音声の間にポーズ(空白)はほとんどありません。
すぐに次の音声が流れます。
なので、この音声データの使い方としては、
ステップ①日本語ナレーションを聞いて、今から流れる英文の意味を把握する。
ステップ②英文ナレーションを聞いて、耳で発音をチェックする。
ステップ③小さい音量の英文ナレーションに合わせて、英文を声に出す。
という流れで使います。
ステップ③は、音声に合わせてオーバーラッピングやシャドーイングをする、という感じです。(音声が小さいので、シャドーイングよりもオーバーラッピングの方が使いやすいかもしれません)
ステップ②の音声の後に続けて言うので、リピーティングしているとも言えます。
音声の間にポーズがないので、瞬間英作文用に使いたい場合は、毎回手動で再生を一時停止する必要があります。
また、音声トラックの分かれ目は各チャプターの頭なので、1トラックの長さが短くて13分、長いものは35分にもなります。
その点を考えると、やはりこの音声データは「音読で仕上げる用」に作られていると言って良いと思います。
音声データを流しっぱなしにしながら、次々と流れる英文に合わせてオーバーラッピングやシャドーイングをする感じです。
もしあなたが英単語帳の「DUO3.0」を持っていたら、「別売りの復習用CDと同じような使い方」と言えばピンと来るかもしれません。
こだわりのナレーター陣
音声を聞いてすぐ気付くことがあります。
それは、日本人もネイティブも、ナレーター陣にこだわって作られているということです。
ふつうの英語テキストの音声教材のナレーターは「ニュースキャスター」のような話し方の人が多い印象です。
「キレイな発音」「聞き取りやすい発音」なのですが、読み手の感情はあまり感じられません。
でも、この「1億人の英会話」のテキストのナレーターは、日本人もネイティブも「感情を込めた話し方」をしています。
何となく「アニメの声優さん」のような感じで、臨場感のある話し方をしています。
そのため、自分がその例文を使うシーンをイメージしやすいと感じました。
また、これも他の英語テキストの音声によくあるパターンとして、
「明らかに男性が言うであろうセリフを、女性のナレーターが読み上げる」
というものがあります。これも、音声を使う学習者側としては、例文に対する感情移入を妨げる原因になります。
でも、この「1億人の英会話」の例文は、そのあたりも配慮しながら作られているのが感じられます。
She kissed me.
(彼女は僕にキスをした)
という例文は、日本人もネイティブも男性ナレーターが読み上げてくれます。(感情を込めて嬉しそうな声のトーンで)
He promised me that he would marry me.
(彼は私と結婚してくれると約束してくれた)
という例文は、若い女性ナレーターが読み上げてくれます。(感情を込めて嬉しそうな声のトーンで)
こういう細かい部分に配慮がされているのを見ると、このテキストが「英語学習者目線」に立って作られているのを感じます。
特に「日本人&ネイティブともに感情を込めた話し方をするナレーター」を採用している英語テキストは少ないので、新鮮で楽しいです。
テキストの解説ページを見ると、なんとネイティブ4名&日本人4名の、計8名のナレーターが参加していると書かれています。
また僕が個人的に気に入った点は、ネイティブのナレーターが4名とも「アメリカ発音」ということです。
最近の英語テキストは「TOEIC対策」として、色んな国のナレーターを採用しているケースが増えています。
もちろん、TOEICや英検対策用として使う教材ならそれで良いと思います。
でも、最近は普通の英会話本でも色んな国の発音が入っているケースが増えてきました。
ただ、僕は個人的にはナレーターの発音は統一してもらった方が練習しやすいと感じます。
あくまで僕個人の好みですが、アメリカやカナダなどの北米系の発音で練習するのが好きです。
その点で、この「1億人の英文法」の音声データは使いやすいと感じます。
大西先生ご本人のメッセージも聞ける
ちなみに、このテキストの最初の方では大西先生自身のメッセージも聞けます。
「はじめに」の部分を、大西先生が読み上げた音声が収録されています。
大西先生は滑舌が良く、しゃべるスピードも遅すぎず速すぎず、とても聞きやすいです。
さらに大西先生の声質は耳に心地よく響いてくるので、まるでラジオのMCを聞いているような気分になります。
プロのナレーターの方々に混じっても、まったく引けを取らないほど良い声と上手なしゃべり方です。
この「しゃべりの上手さ」も、僕が大西先生をカッコいいと思う理由の1つです。
次回は、このテキスト「1億人の英会話」を、「僕だったらどう使うか?」をお伝えします。
・・・つづく。
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