from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
前回の記事では、英会話はスポーツと同じステップで上達することをお伝えしました。
①知識を入れる(文法書&英単語帳)
②知識を技術に変える(声出し練習)
③技術を試す(対人の英会話)
この3つのステップを繰り返すことで、英会話は上達していきます。
日本の英語教育では、②の部分が抜けているパターンが多いので、なかなか上達を感じられないことが多いです。
さらに、①の部分では、中学高校で「ルールの丸暗記型」の教育だけになっています。
ルール丸暗記型は、向いている人と向いていない人がいます。
向いていない人には、ルールの丸暗記は苦痛です。
その結果、英文法がキラいになります。
その反動で、大人になってからやり直し英語を始めた時には、
「文法学習ナシで、ひたすら英会話!」
みたいな方法に乗っかりたくなってしまうのです。
でも、文法を無視して音読や瞬間英作文を繰り返しても、効果が半減してしまいます。
文法を一切考えない音読は、単に呪文の丸暗記みたいになってしまうからです。
「文の構造はよく分からないけど、とりあえず声に出してみる」
というのは、英語に触れ始めたばかりの超初心者の頃は有効です。
でも、学校教育を経験している大人のやり直し英語では、あまり効果が見込めません。
かといって、文法の勉強は苦手・・・
どうしたらいいんだ!!
そんな時に有効なのが、「イメージ英文法」です。
ネイティブが英語を話している時のイメージを知る
イメージ英文法は、
「ネイティブが英語を話しているときに、頭の中にどんなイメージを描いているのか?」
を視覚化して覚える学習法です。
イメージ英文法は、ルールの暗記とは違うアプローチ法なので、学校の文法授業が苦手だった人に向いている確率が高いです。
たとえば、日本語にない文法の代表格で、「冠詞 (a, the)」というものがあります。
冠詞のルール解説を見ると、
・a = 数えられる名詞が1つの時、名詞の前に付く。母音の前では an に変化する。(例:an apple など)
・the = 数えられる名詞、数えられない名詞のどちらにも付く。1つでも、2つ以上でも付く。日本語で「その」に相当する意味。
といった感じです。
確かに、このルール解説は正しいのですが、この解説を読んだだけで、「なるほど!」と納得して、翌日から英会話で使いこなせる人はいません。
特に得たいの知れないのは、the です。
日本語を話していて「その」を付ける頻度は、そんなに多くありません。
でも、英語の the は、ものすごく頻繁に登場します。
全部「その」で訳していたら、文章が「その」だらけになってしまいます。
さらに、数えられる名詞と数えられない名詞の両方について、数も関係ないとなると、なおさら使いどころがつかめません。
そのため、the はたくさんの「用法」を出して解説されることが多いです。
①一度話題に出た名詞を、2回目以降言うときには、the が付く。
②唯一のもの(月、太陽など)を言うときには、the が付く。
③目の前に見えるものを言うときには、the が付く。
④公共の乗り物(バス、電車、飛行機など)の前には、the が付く。
などなど・・・
ただし、確かに間違いないのですが、覚えるのはかなり大変です。
しかも、この「用法の丸暗記」には、必ず「例外」がついて回ります。
たとえば、
①初めて話題に出る名詞でも、中には最初から the が付くこともある。
②月や太陽の前には、the が付くが、星の場合は a が付くことが多い。(星にも the が付くことはある)
③目の前に見えるものを言うときにも、選択肢が2つ以上ある時には a になる。
④公共の乗り物でも、タクシーには通常 a が付く。
などなど・・・
こうなってくるともう、覚えるのが大変です!
ネイティブのイメージ
でも、ネイティブはこんな複雑なルールを覚えて使っているわけではありません。
ネイティブが the を使う時のイメージはたった1つです。
the = 自分と相手が、お互いにどれか分かっている時に付ける
です。
そして、
a = 他にもある中の1つ
です。
先ほどのルールや用法はすべて、この根っこのイメージから派生した枝葉に過ぎないのです。
①一度話題に出た名詞を、2回目以降言うときには、the が付く。
一度話題に出した人やモノなら、自分と相手が、お互いにどれか分かっているので、the を付けます。
②唯一のもの(月、太陽など)を言うときには、the が付く。
月や太陽は世界に1つしかありません。自分と相手が、お互いにどれか分かっているので、the を付けます。
でも、星は空を見上げるとたくさんあります。だから、1つだったら a を付けます。
でも、その中でもひときわ大きく輝く星が1つ目立っていたら、the を付けます。
③目の前に見えるものを言うときには、the が付く。
目の前にあるものは、自分も相手も指させるので、the を付けます。
ただし、目の前にイスがたくさんあって、その中の1つと言いたい時には、a を付けます。
④公共の乗り物(バス、電車、飛行機など)の前には、the が付く。
バスや電車、飛行機にはあって、タクシーにはないものがあります。
何だと思いますか?
・
・
・
・
・
・
そうです!「時刻表」ですね。
時刻表で動いている乗り物は、「○時○分発の○○便」というように、自分と相手がお互いに分かるので、the が付きます。
でも、タクシーには時刻表はありません。同じタイミングでたくさんの選択肢があるので、他にもある中の1つを表す a が付きます。
でも、もし台風などで電車がストップして、みんなタクシーを利用したせいで駅前にタクシーが一台もない状況だったら、どうでしょうか?
そんな時に、目の前に1台のタクシーがやってきたら・・・
Let’s take ( a / the) taxi!
a と the、どちらだと思いますか?
そうです!
the ですね!
・the = 自分と相手が、お互いにどれか分かっている時に付ける
・a = 他にもある中の1つ
この2つだけ覚えておけば、冠詞の勉強はもう大丈夫です。
後は、音読や瞬間英作文の例文に a や the が出てくるたびに、
「お互いにどれか分かっているんだな。」
「他にもある中の1つなんだな。」
と思いながら声出しを続ければ良いのです。
そしたら、自分が英語を話すときにも自然に a と the を使い分けられるようになります。
これが、イメージ英文法のパワーです。
次回は、イメージ英文法と音読&瞬間英作文トレーニングを組み合わせた、「イメージ刷り込み式英語鍛錬」について、詳しく解説します。
・・・つづく。
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From 師範代Shinya(新村真也)
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