From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
高卒で受験経験ゼロだった僕が、29才の時に「音読トレーニング」と「イメージ英文法」に出会い、31才でTOEIC900点以上になったことで、英会話スクールの講師として働き始めました。
そのスクールでは、社会人の英会話とTOEIC点数アップ対策コースをメインで教えていましたが、あるとき高校生の受験対策コースを受け持つことになりました。
それが、僕が人生で初めて「受験英語」と呼ばれるものに触れた瞬間でした。
そんな僕の目に、受験英語はどう見えたのか?
今回は、それをお伝えします。
受験英語と初対面
僕は、「赤本」と呼ばれる、大学別の過去問題集を買ってきました。
僕が受け持った生徒の志望校は、有名国立大学や、外国語教育に力を入れている私立大学でした。
僕は、大学名を聞いてもランキングはさっぱり分かりませんでしたが、とりあえず自分が担当する生徒の大学の問題集はすべて事前に買って自分で解いてみました。
その結果、感じたことを正直に書きます。
英語力があれば解ける
まず、僕がそれまで培ってきた英語力は、受験英語でも通用しました。
さすがに100%とまではいきませんが、95%くらいの問題は正解するこができました。
時間を計って解いてみたのですが、回答ペースもだいぶ早く進み、試験時間がかなり余りました。
英語であることに変わりはない
受験英語は世間では「実戦では使えない」と悪者扱いされていますが、受験英語は決して「間違った英語ではない」ということが分かりました。
受験英語だろうが、TOEICの英語だろうが、英語であることに変わりはありません。
たしかに受験英語で問われる文法ルールは、難解なものが多く見えますが、英文法のルール自体は世界共通です。
受験英語特有の文法ルールがあるわけでもありません。
イメージ英文法で学んできた僕の目には、大学受験の英文法問題は、正解がクリアに透けて見えるような感覚でした。
受験英語が使えないと言われる理由
僕が受験英語の問題集を解く中で、気づいたことがあります。
それは、「出題の仕方が超マニアック」だということです。
そのマニアックさが、「受験英語は使えない」とか言われてしまう理由だと思うのです。
TOEICテストなどの社会人向け英語テストにもマニアックな問題は入っていますが、受験英語ほどの比率ではありません。
受験英語の問題集には、まさに、「重箱の隅をつつく」という表現がピッタリな問題がたくさんありました。
受験英語には、マニアックな点が3つあります。
マニアックな点①:例文が堅苦しい
マニアックな点の一つ目は、例文が必要以上に堅苦しい、ということです。
問われていること自体はすごくシンプルな内容なのに、それを解くための例文をものすごく学術的な表現にして、難しく見せているのです。
たとえば、受験英語問題を日本語にしたらこんな感じです。
↓
※「せざるを得ない」という表現の意味を知っているかを問う問題。
——————————
(例文):最終的に両国は再度戦火を交える以外にないと結論せざるを得なかった。
Q:文中の、「せざるを得なかった」と同じ意味の表現を下の3つから選べ。
A:したかった
B:しなかった
C:しなければならなかった
——————————
正解はC!みたいな感じです。
例文が堅苦しいというか、日常的ではないというか、ややこしい言い回しというか・・・もっとシンプルで生活に密着した例文にできないのかなぁ?という感じです。
同じ「せざるを得ない」でも、もっと身近でイメージがわきやすい例文があるはずです。
たとえば、
↓
(例文):夕方にデートの予定があったが、仕事が終わらないため、残業せざるを得なかった。
この例文を使っても、「せざるを得ない」の意味がちゃんと分かっているかどうかを問うことはできるはずです。
社会へ出たら、むしろこっちの表現の方がよく使う機会があるでしょう。
でも、受験英語では、上のような学術的な例文が多く使われています。
ちなみに、イメージ英文法(英単語)の世界では、「せざるを得ない=しぶしぶやった」という覚え方をします。
大事なのは、結局、「やったのか?やらなかったのか?」が分かればいいわけです。
「しぶしぶやった」と覚えれば、少なくとも「やった」ということは分かりますので、意味を取り違えることはないし、問題も素早く正解できます。
「せざるを得ない」という表現自体はビジネスや日常でもよく使われます。だから、覚える価値はあります。
でも、最初の例文のような堅苦しい表現の中でばかり覚えても、実際の日常生活の中ではどんなシーンで使えばいいのか?分からなくなるのは当然です。
その結果、「受験英語は実生活では使えない」と言われてしまうのです。
これが、僕の目から見た「受験英語問題のマニアックな点」の1つ目です。
今日は長くなってきたので、2つ目と3つ目は、また次回お伝えしますね。
・・・つづく。
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