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From  師範代Shinya(新村真也)

「スピードラーニングって、どうなんですか?」

「宣伝見て気になってるんですけど、どう思いますか?」

これは、僕が英語学習者の方からよく受ける質問です。

やっぱり、気になりますよね?

「すきま時間に聞き流すだけで、英語がペラペラ!」

ってコンセプトは、魅力的です。

CMを見ながら「本当かよ?」って思っていると、そのうち、実際にペラペラになった「ふつうの人たち」が英語を流ちょうにしゃべる映像が流れます。

僕もこのCMを初めて見たときには、衝撃を受けました!!(この時の僕は、まだ英語を習い始めたばかりでした)

実際に買って試した人のレビューをネットで検索すると・・・

「ぜんぜん効果なかった!」

といったネガティブな意見が多い中に、

「よくできた教材だ!」

といったポジティブな意見がたまに混じっている感じです。

どっちを信じればいいんでしょうか?

 

僕も実際に試してみました

僕は、スピードラーニングを自分で買ったことはありません。でも、ネットの販売ページでサンプル視聴をして、さらにその後に実際に買った友達から教材を借りてしばらく聞き続けたことがあります。

作りはシンプルで、

「英語の文章 → 日本語訳」

という順番で音声が流れます。ナレーターも感情がこもっていて、演技力があります。CD教材としては、しっかり作り込まれている印象でした。

この「英語→日本語訳」の構造が、この教材の「ウリ」になっているようです。

 

効果がある?ない?

ネットのレビューを見ていると、スピードラーニングは英語力アップに効果が

「あるのか?」

「ないのか?」

の2極で繰り広げられているように見えます。そして、否定派が多いです。(その理由はたぶん、後でお伝えする「宣伝方法」にあります)

僕は今まで、自分自身を実験台に、いろんな英語教材を試してきました。そして、実際に英語力を上げたあとは、他の英語学習者の方々にいろんな教材をやってもらい、その効果を測定してきました。

その結果、わかったことがあります。それは、

「すべてのレベルの英語学習者に効果のある、たったひとつの教材」

はこの世に存在しない、ということです。

たとえば、僕はTOEIC300点レベルの人には、必ず「中学英文法のテキスト」を買って読むことをお勧めしています。でも、TOEIC800点レベルの人には勧めません。

ベストセラーの英単語帳で、「DUO 3.0」という本があります。僕はこの本は、世界一よくできた、超使える英単語帳だと思っています。実際、僕自身の英語力に大きなブレイクスルーをもたらしてくれた本です。

でも、これを今TOEIC300点レベルにいる人には決して勧めません。なぜなら、例文の文法や英単語が難し過ぎて、途中で挫折するからです。

つまり・・・

「教材としてどんなに優れていても、使う人の現在の英語レベルによっては、全く使えない教材になってしまう」

ということです。

逆を返せば、

「まったく使いものにならない英語教材は存在しない」

ということです。

僕は自分が大人になってから英語学習を始めました。そして、TOEIC300点レベルから900点レベルになり、英検1級まで取ることができました。そして、その後は8年間で500人以上の英語学習者のアドバイスをしてきました。

僕が指導してきた生徒さんたちは、TOEICレベル200点台の初心者~900点台の上級者です。幅広い英語力の人たちを見てきました。

その経験から、スピードラーニングのような「音声教材」を聞き流すことで、英語力アップの効果が期待できるのか?また、それはどのレベルにいる人たちか?が分かるようになりました。

 

スピードラーニングの効果が期待できる人たち

スピードラーニングのような、「聞くだけ教材」が効果を発揮するのは、次の2つのレベルにいる人たちです。

・「英語を始めたばかりの、まったくの初心者」

・「英語の上級者(TOEIC860点以上)」

この両極端のタイプの学習者には、スピードラーニングの「聞き流しスタイル」でもそれなりに効果があります。

なぜでしょうか?

英語を始めたばかりの初心者

このレベルにいる人にとっては、英語の音は「未知の世界」です。耳が英語の発音に慣れていないため、まったく聞き取れません。このレベルにいる人が英語の音声を聞きまくっていれば、だんだん「英語特有の音」に慣れてきます。

最初はちんぷんかんぷんだったのが、聞き流しを続けることで、少しずつ単語がポツポツ聞き取れるような感覚を得られるはずです。

(ただし、それを続けても自分でしゃべれるようにはなりません。影響があるのは、あくまで「聞き取り能力」です。)

 

英語の上級者(TOEIC860点以上)

このレベルにいる人は、CD教材の内容のほとんどを聞き取ることができます。一発で聞き取れなくても、もう一度聞き直したり、日本語訳を確認すれば、「あっ!そういうことか!」とすぐに理解できます。

また、上級者であれば基本の文法力は十分に備わっているので、新しく学んだ表現や単語を、すぐに次の会話や文書の中で使ってアウトプットすることができます。

 

スピードラーニングの効果が期待できない人たち

逆に言えば、超初心者&上級者以外の人たち=TOEICレベルで言えば、400点~700点台の人たちにとっては、あまり効果が期待できません。(実際、ほとんどの英語学習者がこの範囲に入ると思います)

英語の構文や単語の意味をしっかりとらえずに、ただ聞き流している場合、脳は英語を「BGM」として処理します。すると、記憶には残りません。

僕がジーンズショップの店長をしていた頃、毎日店内で流れる洋楽のBGMを「聞き流して」いました。有線放送だったので、1日に同じ曲が何度も流れました。でも、何度聞いても歌詞は聞き取れるようにはなりませんでした。

 

「リスニング」 VS 「ヒアリング」違い

文の中で使われている構文や単語をしっかり意識しながら、100%意味を理解できる英文をしっかり集中して聞く作業を、「リスニング」と言います。

意識を集中させずに、ただ耳に入ってきた言葉を聞き流すことを、「ヒアリング」と言います。スピードラーニングが言っている「聞き流し」は、この「ヒアリング」の方です。

「リスニング」は、かなりの集中力が必要です。他のことをしながらではできません。でも、英語の聞き取り能力をアップさせる効果があります。

「ヒアリング」は、何か別のことをしながらでもできます。でも、リスニングに比べて効果は半減します。まったく集中力がないとき、日本語の会話でも何をしゃべっていたか記憶に残らない・・・なんてこと、ありませんか?これがもし英語だったら、なおさら頭に入ってきませんよね。

「ヒアリング」は、集中して聞く時間が取れない人が、すきま時間にやるのに使えます。「リスニング」に比べて効果は落ちますが、徐々に蓄積されていくので、何もやらないよりはマシです。

 

スピードラーニングの問題点

スピードラーニングの教材自体は、しっかり作り込まれた商品です。音声教材としての問題はありません。でも、その「広告メッセージ」に大きな問題があります。

「これを買ったら、あなたはこうなるよ!」

というメインになるメッセージ。広告で使われるコピーライティングの世界では、そのメッセージを「ビッグプロミス」と呼びます。

スピードラーニングの「ビッグプロミス」は、

これをすきま時間に聞き流すだけで、ある日突然、英語が聞こえるようになって、口から英語がペラペラと出てくる日が来ますよ!

というものです。

これはさすがにマズい気がします・・・「誇大広告」と思われても仕方ありません。お客さんは、「英語がしゃべれるようになる」ことを期待して買うわけですからね。でも、聞き流しているだけでは、いつまでたってもしゃべれるようにはなりません。

 

格闘技に例えると・・・

これを格闘技に例えると、

このボクシング中継ビデオを、1日10分、すきま時間に見ているだけで、ある日突然、相手のパンチがよけられるようになり、強烈なKOパンチが打てるようになります!

と言うようなものです。そんなの、誰も信じませんよね?

でも、もしその後にボクシングの「日本チャンピオン」が出てきて、

「僕もこれで、強くなってベルトが取れました!」

なんて言われたら・・・

「ちょっと試してみよっかなぁ」

なんて気になってしまいます。

スピードラーニングのCMでは、プロゴルファーの石川遼さんがその「日本チャンピオン」の役割を果たしています。それがまた、信憑性を高めているのです。

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石川遼さんが本当に毎日スピードラーニングを使っているかどうかは分かりません。でも、彼の英語力は「聞き流しだけ」で養われたものではないことだけは確かです。

石川遼さんほどの一流スポーツ選手ならば、きっと英会話の先生の個人レッスンを受けていたり、音読などの肉体練習で声出しトレーニングをしているはずです。

 

身体を使わずに身につく「技」はない

僕の周りでスピードラーニングを買った人は多いですが、聞き流すだけで「しゃべれる」ようになった人には出会ったことがありません。論理的に考えても、起こりえない現象です。

サンドバッグを叩かずにパンチを身につけることはできません。

口を動かして声を出すトレーニングなしに、英語がしゃべれるようにはなりません。

ちなみに、スピードラーニングを買うと、サポートセンターの人から、「音読練習をしてください」と言われるそうです(笑)

「それ広告にも書いといてよ!!」って感じですよね。

それを踏まえた上での正直な「広告メッセージ」に書き換えると・・・

「これは、『英語を始めたばかりの初心者』と、『英語の上級者』の英語の聞き取り能力に効果があるリスニング教材です。

初心者は、英語特有の発音に慣れることで、これから始まる英語学習の下準備ができます。

上級者は、手に入れた自分の力をなまらせないようにするためのリスニングトレーニングとして使えます。

また、音読トレーニングの教材として使うことで、しゃべりにも効果を発揮します。」

という感じです。

こういう広告で打ち出したら、ウソ偽りのない、とっても良い教材になる気がします。

まあでも、きっとそのビッグプロミスでは、対象者が狭まってしまい、あんまり売れないんだと思います・・・

 

もし、すでに買ってあるなら

もし、あなたがスピードラーニングの教材をすでに買って持っているなら、後悔する必要はありません。それを役立てる日は必ず来ます。

そのCDに入っている英文すべてを、あなたが「100%理解できるレベル」になったタイミングで、「聞き流し=ヒアリング」ではなく、「リスニング教材」として使ってみてください。きっと、英語の聞き取り力がアップする効果を実感できるはずです。日本語訳が入っていないCDを、「シャドーイング&音読用教材」として使うこともできます。

せっかく投資したお金を無駄にしないためにも、英語を声に出す「音読トレーニング」&文法学習で英語の底力を上げて、それからスピードラーニング教材をフル活用してください。きっと投資元が回収できるはずです!

※似たような教材で「エブリディ・イングリッシュ」という商品がありますが、作りや効果はスピードラーニングと同じです。

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From  師範代Shinya(新村真也)
 
(
英語の達人養成ジム 師範代)

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