From 師範代Shinya(新村真也)
受験英語経験ゼロだった僕が、TOEIC900点を取った後に初めて見た受験英語問題がどう見えたのか?をお伝えするコーナーです。
(→前回のつづき)
前回までの記事では、「和訳」が大きなポイントを占めることが、「受験英語は実戦で使えない」という印象を与える要因になっていることをお伝えしました。
ちなみに僕は、大人になってからの英語学習で和訳の勉強をやったことがありません。
「直訳」のみでTOEIC900点を超えました。
その時点で、初めて受験英語を教えるクラスを受け持ち、大学入試テストの「和訳問題」を見ることになりました。
受験対策クラスを教えた後は、個人的な和訳練習はしていません。
また直訳トレーニングに戻って、その後TOEIC975点&英検1級まで取りました。
なので、目的がプロ翻訳家になることではないのなら、和訳練習は必要ないと思います。
では、「和訳」と「直訳」の違いについてお伝えします。
和訳とは?
和訳というのは、英文を「正しい日本語文で書き直す」ことです。
たとえば、こんな英文があったとします。
I have a friend who lives in America.
この英文を「正しい日本語順」にすると、
(私には、アメリカに住んでいる友達がいます。)
になります。これが和訳です。
でも、英文はこの順番では並んでいません。
日本語と英語は、言葉を並べる順番のルールが正反対と言っていいくらい違います。
この文章を日本語の語順に並べると、
(私には、アメリカに住んでいる友達がいます)
I America lives in friend have.
になります。これでは絶対に通じません。
正しい日本語の語順で美しく和訳するためには、「返り読み」をする必要があります。
「返り読み」とは、英文を後ろから日本語に訳していく作業です。
I have a friend who lives in America.
(私には、アメリカに住んでいる友達がいます。)
I(私)以降の文章を、一番後ろから訳していけば、
アメリカ→住んでる→友達→いる
となり、キレイな和訳ができる確率が上がります。
たっぷり時間があって、何度も読み返す余裕があるときには、この和訳が一番しっくり来る理解度になるでしょう。
でも、問題があります。
和訳の問題点
英語が読まれるときには、この順番では読み上げられないということです。
I have a friend who lives in America.
の America までを最後まで聞いた後に、戻りながら頭の中で日本語訳にしようとしても、すぐ次の文章が聞こえてきてしまいます。
ネイティブはこっちが和訳完了するまで話すのを待ってくれません。
次から次へと話してきます。
和訳が身体に染みついていると、英会話のスピードにはついていけません。
また、英語のEメールなどを読むときにも、一字一句訳していたら、とてもじゃありませんが、遅すぎて仕事が進みません。
ビジネスの現場ではスピードと効率が求められます。
和訳はビジネスの現場では通用しないのです。(英語の取り扱いマニュアルの翻訳などの仕事をしている場合は別です)
直訳とは何か?
対して、直訳というのは、
「英語を英語の語順のまま理解する訳し方」
です。
また、さっきの例文を見てみましょう。
I have a friend who lives in America.
直訳では、この文章をこんな風に訳します。
(私には いる 友達が その人は 住んでいる アメリカに)
ひとつひとつの英単語を、そのまま一瞬で意味のかたまりで捉えながら、進んでいるのが分かるでしょうか?
これが、僕が英語を聞いたときに意味を捉えている語順です。
ちなみに、自分が話すときにも僕の頭の中の語順はこうなっています。
「俺には いるさ 友達が その人はね 住んでるよ アメリカに」
でも、もしこの日本語訳の文を大学受験のテスト問題で答えたら、たぶん点数に加算されません。
「変な日本語」だからです。
このめちゃくちゃな日本語の順番は、和訳の世界では不正解ですが、直訳の世界では正解です。
実用英語はスピードが命!
英語を実務レベルで使いこなしている人、TOEIC800点以上を持っている人、英検準1級以上を持っている人は、みんなこの直訳を頭の中でやっているはずです。
直訳のスキル無しでは、リスニングのスピードに追いついていけません。
直訳ができるようになれば、英文を理解するスピードが格段に上がります。
英語を英語の語順のまま理解できれば、いちいち戻る必要はありません。
一度英文をサラッと流して読むだけで、意味が取れるようになります。
英語を聞くときも同じです。リアルタイムで英語が頭の中にスーッと入ってくるのです。
相手が1文を話し終わった時には、もうすでに意味が取れているので、次のセリフに集中することができます。
これができるようになると、ビジネスの現場などの実務で英語を使えるようになります。
スーパーサイヤ人がこっそりやっていること
でも実は、僕の頭の中ではもう一段スピードアップするための「ある作業」が行われています。
そのスピードアップができるようになると、「スーパーサイヤ人=TOEIC900点以上」の世界に突入することができます。
次回は、その「ある作業」とは何か?をお伝えします。
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