From 師範代Shinya(新村真也)
(※僕が英会話スクール講師に転職してからの体験談です)
(→前回のつづき)
僕が就職した英会話スクールの本部研修に初めて参加した時の話の続きです。
僕にとっては初めての、「ネイティブ講師と日本人講師の合同研修」でした。
60~70人くらいの参加者で、日本人とネイティブが半々くらいで混ざっています。
講師はネイティブ。当然、指示は全て英語のみです。そして、グループワークもネイティブが混じっているので、日本語禁止です。
この「丸一日英語漬け環境」は、僕にとってはカナダ留学以来でした。
同じ空間にいる日本人の先生たちは、ほとんどがTOEIC900点以上の「スーパーサイヤ人」たちです。
ディスカッションの時間も、ネイティブ講師達と対等に渡り合っています。
僕も、ついこの間、スーパーサイヤ人の仲間入りを果たしたばかりで、気合いが入っていました。
午前中は自分のテーブルの人たちの速い流れになんとかついて行けました。
「初回参加にしては、けっこうイケてるんじゃない?俺?」
と思い、ウキウキしてきました。
僕はこのとき、自分が「全開フルパワー」で飛ばしまくっていることに、自分でも気づいていませんでした。
昼休みも英語漬け
お昼休憩の時間になりました。同じテーブルのグループ同士で、お昼ご飯に行こうか?ということになり、みんなで出かけました。
僕のテーブルのグループのネイティブ講師は、明らかに若そうな男性が3名いました。見た目&言動からは、20代前半~なかばくらいのようです。
日本人講師は、僕以外は20代後半~30代なかばくらいまでの女性3名でした。
昼ご飯中も、当然、さっきの流れで英語オンリーの状況です。
さっきのセミナールームでは、トピックが仕事のみに絞られていましたが、レストランに着くと、トピックの幅が急に広がります。
「ビジネス英語」より「会食トーク」の方が難しい
もしあなたに経験があったら分かると思いますが、ビジネスで英語を使うシチュエーションの中で本当に難しいのは、「会食中のフリートーク」です。
どんなトピックが振られるか分からないし、相手のしゃべり方もぞんざいになります。
仕事中には使われなかったジャンルのボキャブラリーや、スラング(俗語)も連発します。
この時間になると、やはり「海外経験の長い先生」が有利です。
海外組 VS 国内組
英語の先生には、大きく分けて2タイプいます。
海外派と国内派です。
海外派は、「大学時代を4年間、アメリカですごした先生」や、「思春期までを海外で過ごした帰国子女の先生」です。
海外派はネイティブの若者と長く一緒に過ごした経験があるので、「若者言葉」をよく知っていて、スラングやジョークが連発される、カジュアルで砕けた会話にもどんどんついて行けます。
僕のグループにいた先生は、みんなこの海外派でした。(おそらく、英会話スクールの先生はこっちのタイプが多い気がします)
一方、国内派は日本にいながら体系的なトレーニングをすることによって「後天的に身につけたタイプ」です。
僕は国内派です。
カナダに3ヶ月間留学していたとはいえ、その期間に触れ合った人たちは他の留学生や、ビジネスマンたちでした。
なので、ネイティブ同士の砕けた会話に入っていった経験はほとんどありませんでした。
また、僕はスラング(俗語)やジョークの学習は切り捨てていたので、ほとんど知識がありませんでした。
カジュアルな会食の場で相手が若いネイティブの場合は、海外派の方が圧倒的に有利です。
あせり
レストランに着くと、若いネイティブ講師たちは早口で俗語やジョークを連発してきました。
僕以外の日本人講師たちは、一緒にドッと笑ったり、素早く突っ込んだりして切り返しています。
僕だけが、ついていけてない状態です。
これは、けっこう焦りました!
午前中の研修が終わるまでは、自分はイケてる!と思ってたのに、急について行けなくなった感覚でした。
「う・・・これはキツいな・・・どうしよう??」
さらに困ったことに、たまに話題をこっちに振られるのです!
そのたびに、
「え?何?もう一度言ってくれる?」
と聞き返さなければ答えられません。そもそも話しの流れが分かっていないので、全然ついて行けません・・・
ネイティブがジョークを言った後に、
「どうだ?面白いだろう?」
とドヤ顔で僕の方を見られると、何も分かってないのに他の人に合わせて合わせて笑うしかありません。
僕は性格上、「とりあえず皆に合わせて笑っとく」という行動が嫌いです。自分を失うような気がしてしまうのです。
でも、このテーブルのグループの中で、
「分からないから、みんなもっとゆっくりしゃべってくれ!」
などと叫ぶ度胸はありませんでした。
「自分だけが会話について行けてない」という事実を認めたくありませんでした。今思えば、「俺はデキる男なんだ!」と思い込みたいプライドがジャマしていたんだと思います。
僕はこの時にはもう、自分が今食べているご飯の味が分からないくらい焦っていました。
実は、ここで僕は自分が大きなエネルギーロスをしていることに、気づいていませんでした。
そして、本当のピンチはこのすぐ後にやってくるとは、この時には思いもしませんでした・・・
・・・つづく。
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