From  師範代Shinya(新村真也)
 
 
カナダ留学2週間目から、僕は毎回のクラスの始まる前に世界から集まった生徒たちの前で、英語で「マジック」を披露するようになりました。
 
日本を出発するとき、トータル20種類のマジックグッズをスーツケースに詰め込んで来た僕は、クラスメイトから「よくそんなにネタが尽きないね!」と驚かれました。
 
留学先の国でマジックを披露しているのは僕くらいしかいませんでした。
 
 

人だかり

特に、ラテン系のクラスメイトたちが僕のマジックを気に入ったらしく、隣のクラスの同じ国出身の友達を呼んで、休み時間や放課後には、僕の周りにはたくさんの生徒たちが群がってくるようになりました。
 
その人だかりがまた人を呼び、だんだん規模が大きくなっていきました。そのうち、観客が多すぎて廊下をふさぐようになってしまったので、先生たちが出てきて、「もっと端っこでやるように!」と注意されるほどになりました。
 
 
 

ラテン系のノリ

とにかく、彼らのリアクションは大きいので、やっていておもしろいです。そして必ず聞かれることは、
 
「マジックできると、モテるだろ?」
 
というセリフでした。(日本でもたまに聞かれます)
 
たしかにマジックは、初対面の人たちが集まるパーティーなどの「つかみ」の席では自分を印象づけるのに使えます。
 
それを伝えると必ず、「俺にも何かひとつ教えてくれ!」と言ってきます。
 
 
 
 

マジックレクチャー

ちなみに僕は、これを言われることを最初から見越していました。
 
そういう時のために、ひとつだけ「やり方を教えてもいいネタ」を用意していました。
 
それをレクチャーすると、彼らはものすごい満足して喜ぶのです!
 
「これは使える!これで俺も人気者だー!」
 
という感じで、飛び上がって喜びます。
 
(※ちなみに、あれから9年近くたった今でも、彼らは僕のマジックを覚えていて、誕生日に地球の裏側の南米からフェイスブックでメッセージを送ってきます。
 
「シンヤに教わったマジック、まだたまにこっちで披露してるぜ!超ウケてるよ!」
 
と言われると、マジックの与えるインパクトの強さを実感します)
 
思い返せば、この頃に僕は、「人に何かを教える喜び」に目覚めました。
 
 
 

怖い男

そんなある日、僕がいつものように放課後にロビーでたくさんの留学生たちを相手にマジックを披露していると、遠くの方から身体の大きな黒人の青年がズンズン近づいてきました。
 
彼はとても背が高く、横幅もあり、プロレスラーのような体型です。身長は190センチ以上、体重は100キロはありそうに見えます。
 
服はHIPHOP系のファッションで、派手な赤い色のキャップをかぶっていました。
 
パッと見は、どう見ても「ギャング」です。
 
いろんな国の留学生が集まる中でも、ズバ抜けて身体が大きく、派手なファッションで目立っていました。
 
僕も日本ではHIPHOPダンスを習っていたので、彼のファッションスタイル自体には目が慣れていましたが、日本ではめったに見かけない「体格差」に、圧倒されます。
 
威圧感がスゴく、他の生徒たちが彼を避けているのが、遠目からでもわかりました。
 
(う・・・なんか、やっかいなやつが来たぞ・・・困ったな。まあ、ふつうに続けよう)
 
彼は、ズンズン前に進んできて、他の生徒たちを押しのけて(とうか勝手にみんなが引いて)最前列の僕の目の前にやってきました。
 
さっきまで大声でリアクションしていたノリのいいラテン系の生徒たちも、ビビって静かになってしまいました。
 
 
それはまるで、「肉食獣が草食獣の群れにやってきた」ような感覚でした。
 
(うぉー!マジか!こりゃあ、困ったな・・・)
 
でも、「ここは取り乱してはいかん!マジックの楽しい雰囲気を保たなければ!」と思い、あえて彼を相手に、「超かわいらしいマジック」を披露することにしました。
 
それは、「妖精の予言」と僕が名付けているマジックです。
 
これは、
 
「相手が心に思い描いたトランプのマークと数字を言ってもらい、それを可愛らしい妖精が当てる」
 
というマジックです。
 
トランプをパラパラと弾いていくと、ウラ面に書いてある「妖精の絵」が、パラパラマンガみたく動き始めます。
 
小さな妖精が絵の中でヒラヒラと舞いながら、相手のカードを当てる動きは、すごく「可愛らしい」ので、僕は今までこのネタを、子供や女性を相手に演じてきました。
 
それを、あえてこのギャングのようなイカつい彼にやったら・・・この場の雰囲気も和らぐのではないか?
 
そう思ったのです。
 
 
 

ギャップで笑わせる

作戦は大成功でした!
 
彼がトランプのマークを言い、それを当てるために「可愛らしい妖精」がヒラヒラと動き始めると、さっきまで静かになっていた他の人たちが、クスクスと笑い始めました。
 
そして、最後のその妖精がトランプを当てたとき・・・
 
ドカーン!!と会場がわき上がりました!!
 
さっきまでと同じテンションにみんな戻ったのです!!笑いと驚きが入り交じった声が聞こえてきました。
 
そして、そのギャング風青年がどんな顔をしているか、深くかぶったキャップの下から、のぞき込んでみました。すると・・・
 
目をまん丸に見開いて、口を開けたまま固まっています・・・
 
次の瞬間!!まるで小さな少年のような、あどけない笑顔になりました。
 
おぉっ!!ウケている!響いている!!
 
 
 

何度もリクエスト

その後、彼はひつこく何度も「次のネタを見せてくれ!もっと見せてくれ!」と僕にせがんできました。
 
その雰囲気は、脅してくる感じではなく、小さな子が目をキラキラさせながら、親におねだりしてくるような感じです。
 
あれ?こいつ、本当はいいやつなんじゃないか?
 
僕はそう思い、ふだんならここで切り上げるところを、特別サービスでもう2つのネタを披露しました。
 
そのたびに彼は、少年のような笑顔を見せていました。この中にいる誰よりも、キラキラした瞳をしていました。
 
僕はなんだか、目の前にいるこの自分の倍くらい大きな体格をした青年が、小さな子供のように思えてきました。
 
 
 

根はいいやつ

その後、僕と彼は駅まで一緒に帰ることにしました。
 
歩きながら、彼は僕にいろいろと質問をしてきました。
 
「どうやってマジックを身につけたの?」
 
「日本でマジシャンの仕事をしているの?」
 
「日本人は、みんなこんなことができるの?」
 
(いやいや、できないから!)
 
などなど、いろいろと聞いてきました。
 
僕の方も彼の情報を聞き出そうとしましたが、どうやら彼は、口べたなのか、英語力に自信がないのか、それとも自分のことを話したくないタイプなのか分かりませんが、あまり話してはくれませんでした。
 
彼についてわかったことは、
 
 
・北アフリカの「リビア」という国から来たこと。
 
・19才で学生であること。
 
・マジックを目の前で見たのは、生まれて初めてであること。
 
 
の3つでした。
 
しばらく話す中で、根はいいやつだと気づきました。ただ、あまりしゃべらないのと、見た目の怖さのせいで、どうやらこっちに来てからあまり仲の良い友達ができていない様子でした。
 
その後、彼は何度か僕の放課後のマジックショーを見に来ました。
 
ズンズン前の方に出てきたのは初日だけで、その後はおとなしく後ろの方でニコニコしながら僕のマジックを行儀よく見ていました。
 
そして、しばらくしてから、彼はパッタリと僕のマジックを見に来なくなりました。
 
あれ?どうしたんだろう?もうマジックに飽きちゃったのかな?
 
そう思っていると・・・僕が予想もしなかった出来事が待っていました。
 
 
・・・つづく。
 
 

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From  師範代Shinya(新村真也)

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