From 師範代Shinya(新村真也)
先日、生まれて初めての歌舞伎を見に行きました。
僕は歌舞伎や能、狂言といった日本の伝統芸能は今までに見たことがありませんでした。
日本に来る外国人の多くは、歌舞伎などの舞台を見に行っているイメージがあります。
僕のこれまでのネイティブ友達や同僚の多くも、「日本に来たからには見ておかなきゃ!」と言いながら見に行っていました。
日本人がニューヨークに行ったら「本場のミュージカルを見ておかなきゃ!」というのと同じ感覚だと思います。
僕はネイティブ友達が歌舞伎や能などの舞台を見に行った話を聞きながら、
「自分も英語話者として、いつか見に行った方がいいんだろうな・・・」
と思っていました。
でも、自分で積極的に舞台情報を調べて、チケットを買って、予定を組んで見に行く・・・と考えると、なかなか重い腰が上がりませんでした。
ところが今回、妻のSayaの両親から歌舞伎のチケットを2枚分いただきました。
これは運命だ!と思い、Sayaと2人で行ってきました。
歌舞伎のイメージ
僕の中で歌舞伎のイメージは、ストリートファイター2の「エドモンド本田」です。
顔に赤い線の入ったアグレッシブな化粧をして、片足でケンケンしながら片手を前へ突き出して手のひらを大きく広げているイメージです。
正直そのぐらいしか予備知識がありませんでした。
意外な客層
僕らが見に行った舞台は、平日の午後でした。
会場は浅草なので、おそらくお客さんの半分ぐらいは外国人なのでは?
と予想していました。ところが現地に着くと、外国人らしき人はまったく見かけませんでした。
日本人比率がほぼ100%でした。これは意外でした。
ちなみに日本人の客層は、60代~70代ぐらいがメインのように見えました。夫婦で来ている人が多くいました。
席は超満員です!
僕らの席は1階席の一番後ろでしたが、振り向くと目の前に撮影用の巨大ビデオカメラが4~5台ぐらい設置されていました。
それにしても、平日の昼間にも関わらず、ものすごい集客力です!!
歌舞伎のような伝統芸能は「中身を時代やお客さんのニーズに合わせて柔軟に変える」ということは許されません。
何百年も前から同じ事をし続けているわけです。
作りたい商品を作って、それを買ってくれる人だけに売っていく手法を「プロダクト・アウト」と呼びます。
その逆に、顧客のニーズに合わせてサービス内容を変えることを、「マーケット・イン」と呼びます。
高度経済成長時代の日本では、プロダクト・アウトでどんどんモノを作っても売れました。
でも今の時代はモノが満たされているので、マーケット・インでないと売れない時代になったと言われています。
でも、歌舞伎はその性質上、完全にプロダクト・アウトです。
にも関わらず、これだけの人数のお客さんを集め続けているとは!!
僕はとても驚きました。
見覚えのあるステージセット
いよいよ舞台が始まりました。永谷園のお茶漬けのような配色のカーテンが開き、役者さん達がステージに出てきました。
会場からは、大きな拍手がわき起こりました。
ステージのセットは、「ワラぶき屋根の平家」と「外の笹」でした。
家はステージよりも一段高い位置にあり、見やすくなっています。
部屋の中には障子とのれんがあります。
僕はこのセットを見た瞬間、懐かしさを感じました。
あれ??昔どこかでこのステージセットを見たことがあるぞ??
どこだっけ??
・・・あっ!思い出した!!「8時だよ全員集合」だ!!
あの時のセットと同じ雰囲気だ!!
たしか、こんな作りのステージセットの中で、志村けんとか加藤茶とかのドリフターズのメンバーが寸劇をやってたな・・・
「あのステージの作りのアイデアは、歌舞伎から持ってきたのか!!」
僕は初めて知りました。
セリフが聞き取れない!
いよいよ劇が始まりました。
すると、僕はいきなりカベにぶち当たりました。
役者さんの話すセリフが聞き取れないのです!!
イントネーションの強弱が激しすぎて、日本語に聞こえない程です。
ストーリーにまったくついていけない位、ひどいリスニング理解度です。
僕の自己診断理解度は、普通の映画のセリフを100%としたら、今回の歌舞伎は10%以下でした。
・・・つづく。
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