From 師範代Shinya(新村真也)
2019年12月に発売された新型ポケトークSには、初めて「会話レッスンモード」が搭載されました。
今回の新型のSが出る前にも「ポケトークは英語学習に使える」といったキャッチフレーズが広告で使われているのを見たことがあります。
でも、僕が今まで見てきた初代ポケトークと二代目ポケトークWには「翻訳機能」しかありませんでした。
もし英語学習に応用するとしたら、電子辞書的な使い方をするしかありません。
たとえばポケトークに向かって「辞書」と日本語で話しかけると、「dictionary」という英単語が出てきて発音してくれます。
また、辞書と違ってフレーズを翻訳できるので、
「私は毎日紙の辞書を持ち歩いて使っているのですが、重くて大変です」
みたいな長いフレーズもポケトークなら英訳できます。
これは電子辞書にはない機能です。ただ、これには問題があります。
出てくる英訳が合っているとは限らないのです。
AIが自動で翻訳しているので、辞書に比べると出てくる英文に対する信頼性が高くありません。
実際、僕が色々な英文をポケトークに翻訳させて検証したところ、けっこう文法的なミスが目立ったり、英単語のチョイスが間違っていて通じないような文章がが出てくることがありました。
もちろん、AIは日々進化していますので、今後の翻訳精度はどんどん上がっていくでしょう。
とはいえ、現時点ではまだAIで翻訳された英文を「英語学習者が覚えて使う」というのはリスクが高すぎます。
間違った英文を覚えてしまう危険があるからです。
おそらくポケトークを使う人たちは初心者レベルの人が多いでしょう。
でも、初心者レベルのうちはポケトークに出てくる英文が合っているのか間違っているのか?それがジャッジできません。
初心者のうちこそ、正しい英文に触れる必要があります。
だから僕は、初心者がポケトークを「英語の先生代わり」「辞書代わり」として使うことに反対でした。
でも今回、ポケトークSに新しく搭載された「会話レッスンモード」は違います。
自動翻訳ではなく、あらかじめセットされた「正しい英文」を、AIが自動でチョイスして話してくるのです。
つまり、「出てきた英文は覚える価値のある正しい英文」ということになります。
これはもう、英語学習ガジェット好きな僕としては試さないわけにはいかない!ということで、さっそく新型を購入して使ってみました。
会話レッスンモードの作り
まず会話レッスンは、初心者レベル向けの内容になっています。
そんなに難しい表現や英単語は出てきません。文法も中学英語の範囲内です。
海外旅行先で日本人が英語を話す必要が出てくるシーンが収録されています。
①空港&機内
②ホテル
③移動
④レストラン
⑤観光
⑥ショッピング
各シーンごとに5~6種類ぐらいの会話シーンが収録されています。
たとえば空港なら、
①機内食を注文する
②入国審査
③両替する
④ホテルへの移動
⑤搭乗手続き
といった感じで、英語で話さなければならないシーンが出てきます。
AIのキャラと会話
シーンを選んでタップすると、AIのキャラが話しかけてきます。
たとえば、「①機内食を注文する」を選ぶと、キャビンアテンダントの女性が、
「チキンとビーフ、どちらにしますか?」
というフレーズを英語で言ってきます。
それに対して「選択肢の中から正解を選ぶ」のではなく、「自分で英文を組み立てて話す」ことで返答します。
「Chicken, please.」
みたいに短い英文で言っても良いし、
「I’d like to have Chicken, please.」
みたいに長い文章で答えてもOKです。
どちらも通じます。
そして、正しい文章と発音で話してAIがこちらの発言を理解すると、
「チキンですね。お飲み物はいかがなさいますか?」
という感じで、次の質問を英語で言ってきます。
そしてまた、飲み物を英語で注文する、という感じです。
こんな感じで機内食のシーンは終わります。
(シーンによっては1往復の会話で終わることもあります)
やってみるとけっこう面白いです!
選択肢を選ぶテストと違って、自分が何を言ってもいいので、完全な自由回答です。
ポケトークの音声認識機能を使って楽しくゲーム感覚で会話レッスンができます。
・・・つづく。
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