From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※僕が20才の頃、「アクション俳優になろう!」と決めて、「俳優養成所」に入った時のストーリーの続きです。
クラスメイトのK君がなんと19年間もこのスクールに通っていることが分かって、僕は驚きました。
さらに、K君がテレビや映画出演の仕事をもらったのは、はるか昔の小さな子供の頃でした。
大人になってからは、エキストラの仕事しかしていないそうです。
僕はおそるおそる、聞いてみました。
僕:「ちなみに、K君とよく一緒にいる7~8人ぐらいのメンバーの人達も長く通っているの?」
K君:「そうだね~一番長い○○さんは、俺が小5の時に入ってきたから、たぶん10年ぐらい通ってるんじゃないかな。○○さんは7年目ぐらいかな。○○さんは5年目ぐらいで・・・」
さすがにK君は長くいるだけあって、次々とメンバーの名前と在籍年数を言えました。
そこで分かったとは、K君といつも一緒にいる「取り巻きの人達」は、最低でも5年以上、長い人で10年も通っていることでした。
そしてみんな、K君と同じようにエキストラの仕事をたまにしているぐらいでした。
5年~10年・・・
僕にはとてつもなく長い期間に思えました。
武道の世界でそれだけ長く続けたら、黒帯を取って指導員として自分の道場を開く位のレベルです。
僕はK君の前では平静を装っていましたが、内心ではかなり大きなショックを受けていました。
何のために?
僕の中に疑問がわき起こってきました。
K君とその仲間たちは、何のためにこのスクールに通っているんだろう?
という疑問です。
僕が今までいたクラスで、クラスメイトたちからよく聞くセリフはこんな感じでした。
「あ~早くデビューしたいな~」
「俺たち、いつになったらデビューできるんだろうね?」
「今年こそ、デビューするぞ!」
なんとなく僕らの中の共通認識は、
「デビュー=このスクールから卒業して、芸能界で活躍する」
というものでした。ステップで表すとこんな感じです。
芸能人になるまでの7つのステップ(僕の想像)
①今は「芸能人のタマゴ状態」でレッスンを受けている。
②才能が磨かれて開花したタイミングで、事務所に所属してマネージャーがつく。
③「芸能人」としての活動スタート。(この段階が「デビュー」)
④スクールで学んだこと活かしながら、演技や歌のスキルなどをアウトプットしていく。
⑤デビュー後はテレビにドラマに引っ張りダコで、今のスクールのレッスンに通う時間はなくなる。
⑥その先のスキルアップは、実戦の中で学ぶ。
⑦必要に応じて、マンツーマンレッスンで特別な先生から習うか、すでにデビューしている芸能人たちと一緒にレッスンを受ける。
そんな風に思っていたのです。
実際、スクール側もそういう雰囲気を漂わせていました。
「明日は君もスターだ!」
みたいな甘い言葉が教室や廊下の所々に貼ってあったのです。
でも、K君とその仲間達は、まだデビューしていません。
5年、10年、20年近く通っても、まだステップ③にもなっていないのです。
K君たちは、いったい何のためにこのスクールに通っているんだろう?
いったい何を目標にしているんだろう?
このスクールにそんなに長い期間通うモチベーションは、どこから出ているんだろう?
いつも和気あいあいやってるけど、不安になったりしないんだろうか?
タイムリミット3年
僕は自分の中で「3年通ってまったく芽が出なかったら、この道をあきらめる」と決めていました。
静岡から新幹線で東京に通い続けるのは、時間的にも資金的にも3年間が限界でした。
そんな僕にとっては、K君たちの「長年通い続けている」という状態がとても不思議でした。
僕の中で「芽が出る」というのは、自分の中で上達実感が得られているかどうか?だけではありません。
「自分は芸能界で生きていけそうだ!」という実感を得られるだけの実績が残せるかどうか?
が、僕の中で「芽が出る」という言葉の持つ意味でした。
そのためには、3年以内に実際にテレビや映画に出演して、ギャラがどのぐらいもらえるのか?を体験してみる必要があります。
一時的な稼ぎだけではなく、「仕事がコンスタントに入ってくるのか?」までをしっかり見極めたいと思っていました。
そのためには、できるだけ早い段階で③のデビューのステージをクリアする必要がありました。
でも、一体何をどうしたらステージ③を超えられるのか?その答えを知りたくて、K君から情報を得ようとしました。
そして分かったことは、
「19年通っても、ステージ③に行けないことがある」
「5年~10年通っても、まだステージ②にいる人たちがゴロゴロいる」
という、僕にとっては残酷な事実でした。
・・・つづく。
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