【僕が「習い事」に感じた夢と希望:演技編133】

From  師範代Shinya(新村真也)
 
(→前回のつづき)
 
※僕が20才の頃、「アクション俳優になろう!」と思って「俳優養成所」に入った時のストーリーの続きです。
 
 
映画の役のオーディション会場の待合室で、僕はだんだん自信を取り戻していきました。
 
 
実は僕はここしばらく「自分が積み上げてきた演技の練習」に対する自信をなくしかけていました。
 
 
自信をなくしかけていた理由は、自分と同じ最上級クラスにいるクラスメイトのK君(19年選手)と、その仲間達(5年~10年選手)がまだデビューできていない、という現実をったのがきっかけでした。
 
 
「いくらスクールに通って練習を積み重ねても、結果につながらない。自分が必死にやってきたことはムダなんじゃないか?」
 
 
という不安です。
 
 
「オーディションに応募しても、経験値や練習量は何の役にも立たないんじゃないか?」
 
 
「素人でルックスが良くて才能あふれる人が、オーディションにあっさり受かってデビューする・・・それが現実じゃないのか?芸能界はそういう所じゃないのか?」
 
 
「生まれつき芸能人になれる人となれない人は決まっているんじゃないのか?」
 
 
そんな不安を感じていました。
 
 
でも、今こうして実際のオーディション会場に来て、美男美女の候補者がいる中で、
 
 
・みんなの緊張で引きつった表情
 
 
・隣の人がセリフを読み上げる声から伝わる自信のなさ
 
 
を観察していると、「経験値がまったくのムダになるなんてことは、ないんじゃないか?」と思えてきました。
 
 
自分が今、こうして落ち着いていられるのは、これまで数年かけて演技の練習を蓄積してきた経験値があるからです。
 
 
「ルックスの良い男女」はこの待合室にはたくさんいます。
 
 
でも、「演技を本気で学んできた人の割合」は予想以上に少なさそうです。
 
 
このオーディション会場にいる人達と一緒の空間で台本を練習していると、「今まで積み上げてきたものはムダじゃなかった」と思えるようになりました。
 
 
もちろん、実際にオーディションに受かるのは美男美女かもしれません。
 
 
でも、この状態で演技が素人の美男美女がオーディションに受かっても、「映画の役を演じられるまでの演技力」を短期間で身につけるのは相当大変でしょう。
 
 

自信を取り戻す

僕は今まで、スクールで演技を学んでいる人達としか一緒にいたことがありませんでした。
 
 
でも、こうして外の世界に出てみると、自分の中に確かに演技力のスキルが積み上がっているのを感じました。
 
 
そしてそれは、実際に映画や舞台などの役をもらえた時にこそ、役立つのだと気付きました。
 
 
自分の中に自信を取り戻せたことで、僕はこのオーディションを受けて良かったと感じ始めていました。
 
 
受かる、受からないにかかわらず、トライした価値があった!と思いました。
 
 
 

いよいよ自分の名前が呼ばれた!!

そんなことを考えているうちに、いよいよ自分の名前が呼ばれました。
 
 
僕と一緒に4人が呼ばれて、係の女性に別室に案内されました。
 
 
オーディション自体は1人ずつですが、その前の待合ゾーンとして、部屋の前のイスが5つあります。
 
 
まずはそこに座るように言われました。
 
 

僕以外の4人

僕以外の応募者の中には、もうすでに女優なんじゃないか?という雰囲気の、背が高くてスタイルが良くて、顔の形が整った女性が1人いました。
 
 
男性の中にも1人、韓流スターのような長身でハンサムなイケメンがいます。
 
 
他の2人は、普通の見た目で、そこら辺にいそうな男女でした。(僕もこのカテゴリーです)
 
 
「いったい、どんな役を募集しているんだろう?」
 
 
僕は不思議に思いました。
 
 
もし募集している役のイメージがあるなら、そこにはまる人は自然に決まってきます。
 
 
このイケメン&美女2人と、残りの僕ら3人の見た目の雰囲気やキャラはまったく違うはずです。
 
 
もし「主役&主役が恋に落ちる相手役」を探すなら、当然ここにいるイケメン&美女が一番の候補になるでしょう。
 
 
でも、さすがに映画の主役を探すのに一般公募で演技の素人を抜擢するとも思えません。
 
 
すでに主役はある程度のキャリアのある有名俳優が決まっていて、その脇役を探しているとしたら、別にイケメンじゃなくてもチャンスがありそうです。
 
 
むしろ、主役をかすませてしまうようなオーラを放っている美男美女では、逆にキャスティングがしづらいかもしれません。
 
 
僕は「自分にもチャンスがあるはずだ!」と自分に言い聞かせながら、順番を待ちました。
 
 
・・・つづく。
 
 
 

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