From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※僕が20才の頃、「アクション俳優になろう!」と決めて、「俳優養成所」に入った時のストーリーの続きです。
①希望に燃える第1ステージ:軟派タイプ VS 硬派タイプ
演技のレッスンが終わった受講生たちのタイプは2パターンありました。
すぐに友達と東京のショッピング街へ繰り出す「軟派タイプ」。
すぐ家に帰って練習に精を出すの「硬派タイプ」。
軟派タイプの人は硬派タイプの人たちを見て、
「もっと人生楽しめばいいのに・・・」
と言っていました。
逆に硬派タイプの人は軟派タイプの人たちを見て、
「あんなことやってたら結果は出せない」
と言っていました。
両者の価値観を短くまとめると、
軟派タイプ「人生、今を楽しまなきゃ損だよ!」
硬派タイプ「今厳しさに耐えて、将来結果を出さなければ!」
という感じです。
どちらかというと軟派タイプの人は東京都内在住だったり、東京から電車で1時間以内で通える距離の人たちが多くいました。
一方で、夜行バスなどを使って遠くから時間とお金と労力をかけて通ってきている人たちは、硬派タイプに多い傾向にありました。
たしかに、片道8時間もかけて通っていたら、硬派タイプになるのは必然かもしれません。
というより、硬派タイプだからこそ、そんなに遠くから通って来れるとも言えます。
僕は地方組なので、硬派タイプに属していましたが、軟派タイプの人たちともよく話しました。
面白かったのは、軟派タイプの人たちは垢抜けたファッションに身を包み、ルックスも良い人たちが多い傾向があったことです。
芸能界で有利な「ルックスの良さ」や「都会的な雰囲気」という点では、軟派タイプの人たちが有利に見えました。(当時の僕の目には)
一方で、地方組の硬派タイプの人たちは僕も含め、見た目的にはパッとしない雰囲気の人たちが多い傾向にありました。
軟派タイプと硬派タイプの共通点
どちらのタイプにも共通しているのは、第1ステージではメラメラと希望に燃えている、ということです。
軟派タイプの人たちは、「俺(私)の才能に事務所の人たちが気付いて、来年の今頃にはデビューしちゃってるかも?!」というワクワク感を持っていました。
硬派タイプの人たちは、「この訓練を積み重ねた先に、きっと素晴らしい世界が待っている!」という期待感を持っていました。
芸能界は、当時20歳前後の若者にとって不思議なオーラを放っていました。
・芸のスキルをコツコツ積み上げた先に成功が待っている世界
というイメージがある一方で、
・渋谷の路上を歩いていたら、突然スカウトされてあっという間にスターになっちゃう一攫千金の世界
というイメージがありました。
長年コツコツやっている人がいまだに売れないでアルバイトを続けている一方で、ポッと出の人が短期間でドカン!と売れて富と名声を手に入れたりしていました。
この「不確定要素」が、「ひょっとして自分も?!」という期待を抱かせて、色んなタイプの人たちを引きつけているようでした。
英会話スクールも一緒
ところで、英会話スクールでも似たような光景が見えることがあります。
軟派タイプと硬派タイプに分かれるのです。
軟派タイプの人は、「英語で人生を楽しみたい!」という動機で入ってきます。
なので、基本的には自分の英語力に関係なく外国人の友達を作って、気軽にカラオケに行ったり、飲みに行ったりします。
硬派タイプの人は、「英語で人生を変えるんだ!」という動機で入ってきます。
なので、基本的にはスクールで他の人たちとつるんだりしません。
会社に言われてTOEICの点数だけを上げに来ている人たちも多いので、時間ギリギリに来て、終わったらソッコーで帰っていく人が多いのも、硬派タイプの特徴です。
どちらの方が伸びやすい、というのは正直ありません。
なぜなら、僕自身は英会話では完全に「軟派タイプ」だったからです。
それでもここまで来れました。
逆に、演技のスクールでは「硬派タイプ」のスタンスで始めました。
それでも3年後には最上級クラスまで行けました。
軟派タイプと硬派タイプ、どちらが有利か?という議論はムダな気がします。
それはまるで、「空手とボクシング、どっちが強い?」という議論と同じようなものです。答えは永遠に出ません。
ただ、どちらのパターンも、「希望に燃える第1ステージ」を過ぎると、ダラダラして希望がしぼんでくる点では同じです。
次回は、ステージ2での僕の経験をお伝えします。
・・・つづく。
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