【僕が「習い事」に感じた夢と希望:演技編61】

From  師範代Shinya(新村真也)
 
(→前回のつづき)
 
※僕が20才の頃、「アクション俳優になろう!」と決めて、「俳優養成所」に入った時のストーリーの続きです。
 
 
演技クラスの新しい担任の先生の口から、「退場ルール」が言い渡されました。
 
 
ルール①レッスン中に携帯電話が鳴ったら即退場
 
 
ルール②家で宿題をやってこなかったら即退場
 
 
そして3つ目は、驚きの内容でした。先生はまた、低いトーンの静かな声色に戻って言いました。
 
 
先生:「最後にもうひとつ。たとえ宿題をやってきたとしても、仕上がりの基準が十分でなかった場合は、このクラスにはいられません。」
 
 
え??基準が満たされないと即退場??マジか~!!
 
 
みんな顔を見合わせました。先生は続けました。
 
 
先生:「芸能界は厳しい世界です。たとえやる気があっても、努力していても、生き残れるとは限りません。」
 
 
先生:「完全な実力主義です!」
 
 
また先生の声が大きくなり、部屋中に響き渡りました。
 
この、急に声が大きくなのはメチャクチャ恐いです。
 
 
先生はまた静かな声に戻って続けました。
 
 
先生:「宿題を頑張ってやってきても、基準に満たないレベルの人には、ハッキリそう伝えます。その方が本人のためでもあるからです。
 
 
そして何より、ここにいる人たちのためでもあります。このクラスは、私の決めた基準を満たす者だけが残る場にします。基準をクリアした者だけが学び合える場にするのです。」
 
 
(とんでもないことになったぞ!!)僕らはこの先生の話を聞きながら内心思いました。
 
 
この先生の求める基準は、きっとものすごく高いに違いありません。
 
 
そして、どんなに頑張っても、その基準を満たすことができなければ、即退場!になるのです。
 
 
これまでの先生達の「ぬるま湯レッスン」が夢のように感じられます。
 
 
僕にとってこのレッスンは、週に1回の楽しみであり、ワクワクする夢を感じられる場だったのに、一気に緊張感を強いられる場になってしまいました。
 
 
ただ、最近はダラダラした雰囲気があったことも事実です。
 
 
せっかく高い授業料と交通費をかけて静岡から東京に通っているんだから、もう少し気合いを入れたい!と思っていたことも事実でした。
 
 
先生は今回の1回目のレッスンでは直接的なトレーニングはやらずに、芸能界の厳しさを僕らに伝えました。
 
そして最後に、これから3ヶ月間でやる内容の詳細と、1回目の宿題を出しました。
 
 

恐怖の宿題の内容

これから3ヶ月間でやる内容はとてもシンプルでした。
 
芥川龍之介の短編小説「トロッコ」を読んで、内容を覚えて、感情を込めて声に出す、という流れです。
 
 
つまり、「小説の語り聞かせ」をします。
 
 
もちろん、宿題で出された範囲は暗記しなければなりません。
 
 
家で練習してきた範囲をレッスン内にみんなの前で発表して、先生がジャッジする、という流れでした。
 
 
内容を暗記しているのは「最低限のライン」で、そこから
 
 
・感情の込め方
 
・発音(滑舌&標準語アクセント)
 
・顔の表情や身体のジャスチャー
 
・声のトーン
 
 
などを総合的にジャッジするとのことでした。
 
 
レッスン内容はとてもしっかりしているので、しっかり練習してくれば、とても大きなレベルアップになる予感がしました。
 
 
 

先生が恐く感じる理由

それにしても、この新しい先生は見た目は小柄で迫力がないのですが、口を開くとすごく恐いです。
 
 
声が大きくて迫力があり、強い威圧感を放ちます。本当にヤクザ映画を目の前で見ているような気分になります。
 
 
僕が高校の時の先生たちも、屈強のヤンキー生徒達を相手にしていたのでメチャクチャ恐かったです。
 
 
ただ、高校の先生たちの怖さと、今の演技の先生の怖さは「恐怖の種類が違う」感じがします。
 
 
高校の先生たちは、身体が大きくて筋骨たくましい人が多くいました。
 
 
そして、生徒たちよりも圧倒的に上回る腕力を使った「体罰」で恐怖を与えて校内の秩序を保っていました。
 
校内では、「反抗的なヤンキー生徒たちを先生達がボコボコに殴る姿」を見るのは日常茶飯事でした。(今だったら絶対NGだと思います)
 
 
でも、この演技の先生は違います。一度も暴力を使うことなく、「声のパワー」だけで僕ら全員を恐怖に陥れました。
 
 
今考えると、これはこの先生の「演技力」だったと思います。
 
 
ただ大声で怒鳴り散らすだけでは、この恐怖は生まれません。
 
 
①小さな声のトーンで静かに話して相手を引き込む
 
 
②大きな声を張り上げて相手にぶつける
 
 
この2つを巧みに使い分けていたからこそ、②の時に身体がビクン!となるほどの恐怖を感じたんだと思います。
 
 
とにかく、この新しい先生は今までとまったく違うタイプなので、今後何が起こるか?まったく予想できなくなりました。
 
 
・・・つづく。
 
 
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