【僕が「習い事」に感じた夢と希望:演技編69】

From  師範代Shinya(新村真也)
 
(→前回のつづき)
 
※僕が20才の頃、「アクション俳優になろう!」と決めて、「俳優養成所」に入った時のストーリーの続きです。
 
 
ヒゲ先生は、弱っているBさんにとどめを刺すように大きな声で言いました。
 
 
ヒゲ先生:「芸の世界をナメるな!!」
 
 
教室中に響き渡ったヒゲ先生の声が、すべてを表しているように聞こえました。
 
 
僕らは芸能界をナメていました。
 
 
このスクールに通っている受講生は、全員ではありませんが、「芸能界をナメている」部分は少なからずあると思います。
 
 
冴えない日常の生活を変える「一発逆転のギャンブル」のような世界だと思っている部分がありました。
 
 
また、スクール側も最初にできるだけ芸能界の「キラキラした部分」を見せておいて、たくさんの人に入学してもらおうとします。
 
 
その証拠に、スクールの人たちは僕ら受講生のことを「タレントの卵」と呼んでいました。
 
 
スタッフの人たちや先生は、「タレントの卵の皆さんは・・・」という言葉を使っていました。
 
 
タレントの卵という言葉を誰が考えたのか分かりませんが、うまい表現だなと思います。
 
 
卵なら、時間がたてば自然に殻を破って外に出てくるイメージがあります。
 
 
そして、出てきたヒナはみんなから「かわいい~!」とチヤホヤされます。
 
 
そしていずれは、立派な羽が生えて大空に飛び立つのです。
 
 
また、そもそも入学前の時点で「体験入学」という言葉を使わずに、「オーディション」という言葉を使っていました。
 
 
オーディションなら、合否があります。
 
 
お金を払ってオーディションを受けた後に、
 
 
「あなたは合格しました!おめでとうございます!あなたは今日からタレントの卵です!」
 
 
というような趣旨の手紙が送られてくるのです。
 
 
とはいえ事務所がレッスン経費を負担して育ててくれるのではなく、僕ら受講生が月謝を払って通います。
 
 
今考えると、おそらくほとんどの人が合格していたんだと思います。
 
 
でも僕ら受講生は、
 
 
「自分たちはオーディションに受かった選ばれた人間で、才能がある」
 
 
と思っていました。
 
 
そして、芸能スクールに通っていること自体に満足している部分がありました。
 
 
「タレントの卵の俺&私、イケてる」
 
 
という感覚です。
 
 
ここに通っているだけで自分がビッグな何者かになれるような、そんな可能性を感じてワクワクするのです。
 
でもこのヒゲ先生は、そんな浮かれた「タレントの卵」の僕らを、わしづかみにして床に思い切り叩きつけました。
 
 
僕らの殻は粉々に割れました。
 
 
そして中から出てきたのはカワイイひなではなく、ドロドロした液体でした。
 
 
「いくら時間がたっても、今のおまえらじゃ永遠にこの液体のままだ!もし誰かの目に止まっても、汚いモップで拭き取られて終わりだ。これが現実なんだよ!」
 
 
と言われているようでした。
 
 
今振り返ると、このヒゲ先生のやり方はスゴい「劇薬」でした。
 
 
少しずつ厳しさ度を増してくれるなら良いのですが、これまでの先生たちが僕らをさんざん持ち上げて浮かれさせておいて、このヒゲ先生でいきなり床に叩きつけられるのは、あまりにもショックが大きすぎます・・・
 
 
 

楽しいこと = ユルいことではない

この芸能スクールに入学してこのヒゲ先生に出会うまでは、スクール側は受講生の中にある「芸能界のキラキラしたイメージ」が消えないように、楽しくユルくレッスンをしている気がしました。
 
 
これまで僕ら受講生は、ぬるま湯の環境の中でレッスンを受けてきました。
 
 
今までの担当になった先生たちが僕らを怒ることはなかったし、次のレッスンまでの宿題を出されることもありませんでした。
 
 
「トレーニングのやり方は教えるけど、家でやるかやらないかは自分が決めてね」
 
 
というスタンスです。
 
 
そのため、レッスンの時間内でしか演技の練習をしない人も一定数いました。
 
 
レッスンの前後もざわざわしていて、レッスン中に携帯の着信音が鳴ることもしょっちゅうでした。
 
 
でも、先生達が僕らを注意することはありませんでした。
 
 
ある意味、自分の将来は自己責任、というスタンスだったのかもしれません。
 
 
 
ただ、僕はそんな雰囲気に何となく居心地が悪くなってきていました。
 
 
「楽しくやっている」と言えば聞こえは良いのですが、何というか「夢を見させられている」ような気がしてならなかったのです。
 
 
特に僕の場合は、時間の自由がきくように仕事を変えて、静岡から新幹線で東京まで通っています。
 
 
お金と時間をかけて通っているのに、このユルい環境でレッスンを受けるのは逆に居心地が悪く感じました。
 
今のぬるま湯の環境の先に、「キラキラした成功の世界=逆転人生の世界」が開けるとは、どうしても思えなかったのです。
 
 
 

ヒゲ先生が見せた現実

その点では、僕はヒゲ先生の言葉を聞いてショックを受けると言うより、「やっぱりそうか・・・そうだよな」という感覚でした。
 
 
ただ、その伝え方があまりに恐すぎたので、受け止めるまでに時間がかかりました。
 
 
ヒゲ先生も普通に話してくれればいいのですが、ここまで怒鳴られると恐くて逆にメッセージがすぐに入ってきません。
 
 
ここまで恐い先生に当たったのは、高校の時以来です。
 
でも、しゃべり方が強烈なだけに、言葉が耳に残り、時間がたって心が落ち着いてくると、ヒゲ先生のメッセージが深く沈み込んでくる感じでした。
 
 
・・・つづく。
 
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